活動内容

企業・労働組合が児童労働に取り組む3つの理由

貧困、環境問題などグローバルイシュー(地球的規模での解決が必要な問題)は、これまで国際機関や政府、NGOなどが解決の担い手として認識されてきました。しかし近年、企業にもグローバルイシューに取り組むことが求められるようになりました。世界に1億6800万人いるといわれる児童労働への取り組みも企業に求められることのひとつです(国際労働機関:2013年発表推計)。

「フィランソロピー活動」から「企業の社会的責任(CSR)へ」

近年、企業は従来のフィランソロピー(慈善)活動に加え、本業の事業活動の中で社会的な責任を果たす「企業の社会的責任(CSR)」の取り組みが求められています。これは、グローバル市場での調達や製造などの生産、商品やサービスの提供において、企業行動の影響力の範囲の拡大に伴い、企業の責任も拡大して解釈されるようになってきた国際的潮流が背景にあります。ビジネスを通じて得た利益から社会にプラスになることを行う社会貢献だけでなく、ビジネスの中で社会へのマイナスを生み出さないこと、つまり外部不経済の内部化が、ますます重要視されています。また、ビジネスを通じてプラスを生み出すBOPビジネスソーシャルビジネスへの取り組みも期待されています。

ビジネスを前提にした社会・経済の持続可能性が危ぶまれる中で、企業があらゆる角度から社会的課題に取り組むことが企業の責任としても、ビジネスを継続するためにも重要であるとの認識の表れともいえます。

企業・労働組合が児童労働に取り組む3つの理由

ACEは企業との協働を通じその取り組みを支援しています。企業は事業プロセスにおいて児童労働がないかを確認し、問題があれば改善し、産業や地域の子どもたちの生活向上に取り組むことで、児童労働の予防と撤廃に取り組むことができます。企業が児童労働に取り組む理由は、3つあるとACEは考えています。

理由1:国際労働基準の遵守

児童労働は国際労働基準で禁止されており、多くの途上国でも国内法が整備され禁止されています。国際労働機関(ILO)が定めた最低年齢条約(ILO第138号)は、就業可能な最低年齢を15歳と定め、最悪の形態の児童労働条約(ILO第182号)では18歳未満の危険・有害労働を定義し、その特定と救済に即時行動を起こすよう求めています。

これらの条約はILOの三者構成(使用者、労働者、政府)で議論され採択されたものであり、企業セクターも使用者の立場で基準の制定に関わっています。また、経済のグローバル化を受けて企業の社会的責任を10原則にまとめた国連グローバルコンパクトでは、原則の1つに「児童労働の実効的廃止」が明記されています。

このように、児童労働に加担せず予防することは企業活動の前提であり、基本的な責任として国際社会から求められています。例えば、子会社のプランテーション農場での児童労働がNGOに摘発され、親会社である日本企業がアメリカで訴訟を起こされたケースもあります。直接的な雇用のみならず、サプライチェーンにおける児童労働の予防と撤廃の責任が問われています。

労働組合も、ILO三者構成の中でこの国際労働基準策定に責任を負っています。中核的労働基準のひとつである児童労働の撤廃は、各国政府が「尊重し、促進し、かつ実現する義務を負う」ものとして、政府の取り組みを求め、また自らがその社会的責任として取り組む課題です。世界で児童労働の問題に最も早く取り組みはじめたのは労働組合であり、児童労働がある途上国で失業者が多い現状は、児童労働が大人の雇用機会を減らし、また賃金を低くしている要因とも考えられます。

理由2:企業の社会的責任の拡大 サプライチェーンにおける人権・労働問題への取り組み

2010年に発行したISO26000(国際標準化機構が組織の社会的責任に関して定めたガイドライン規格)や、2011年に改定されたOECD多国籍企業ガイドラインでも児童労働に関する記述があり、企業の責任として児童労働問題への対応が求められています。社会的責任に関する国際ガイダンス文書であるISO26000の策定に大きな影響を及ぼしたのが、通称「ラギー・フレームワーク」と呼ばれる企業と人権の指針原則:国連「保護、尊重、救済」枠組みです。

ラギー教授は、この報告書の中で企業は「人権を尊重する責任がある」と定め、「人権デューデリジェンス」を唱えています。これは企業が人権に与え得る潜在的な影響をも考慮すべきであり、事業、製品、サービスに直接関連するかもしれない人権のマイナスの影響にまで責任を持つことを意味するもので、この考え方がISO26000にも採用され、サプライチェーン(ISO26000ではバリューチェーン)における責任が明記されています。

社会においてもその流れは現実のものとなっています。2010年に米国で成立した金融規制改革法ではいわゆる紛争鉱物の可能性が高いレアメタルをコンゴ民主共和国から調達した場合の報告が義務付けられ、企業が対応に追われるなど、原材料の調達における企業の影響力を認め、責任を求める動きが広がっています。

児童労働についても、ウズベキスタンでのコットン生産地での児童労働問題が顕在化すると、欧州や米国の企業が相次いでウズベキスタン産のコットンの不使用を表明するなど、自発的に児童労働への加担を回避する動きが見られました。

カカオ産業での児童労働問題が指摘された米国チョコレート業界は、2001年に「ハーキン・エンゲルス議定書」を策定、自主的に最悪の形態の児童労働をカカオ生産地からなくしていくことを約束し、政府やNGOと連携しながら継続的に取り組みをすすめています。このように、直接的に児童労働を使用しないだけでなく、事業プロセスにおける児童労働などの人権問題の黙認や加担が企業の責任を果たしていないとみなされ、企業活動に影響を及ぼしています。

労働組合は労使の共同責任で社会的責任を向上させるための協定を締結することができます。それが、国際枠組み協約(グローバル枠組み協定)の締結です。国際枠組み協約は、企業、国際産業別労働組合組織(GUFs)の間で結ぶもので、日本では高島屋、ミズノが締結しています。グローバルなレベルでの企業の社会的責任に対して協約を結ぶことで、労働組合として企業の社会的責任を促進することができます。

理由3:子どもの未来と世界の持続可能性への貢献

2012年、ブラジルのリオデジャネイロでリオ+20(国連持続可能な開発会議)が行われました。リオ+20で採択された成果文書では、"Future we want"と題し、「貧困の撲滅、非持続可能な生産と消費パターンの変更及び持続可能なパターンの推進、経済・社会開発のための天然資源基盤の保護と管理が、持続可能な開発の包括的目標であり、必須条件であることを認識する。」と記載されました。国際協力の強化の必要性も述べられ「教育などを通じた子供の将来性の保護、存続、開発を強化することが必要であることを再確認する。」とされています。

児童労働は、教育を妨げ、貧困の悪循環を生みだし世代を超えて貧困を構造化します。これまでACEが途上国で行ってきた児童労働撤廃プロジェクトでも、地域の教育や貧困の問題にもアプローチし、子どもの権利の保護を中心においた地域での協働を促進し、子どもたちが労働から解放され学校に行くことを実現してきました。

国際的な目標である貧困撲滅やミレニアム開発目標の達成には、児童労働問題への取り組みが不可欠です。グローバル経済に依存した日本にとっては、生産者や消費者の両方の立場から、児童労働を黙認したり加担せずに、持続可能なパターンを推進することが地球市民として求められています。次世代を担う子どもが教育の機会を得られていない「今」の課題に取り組みながら、これ以上児童労働を生み出さないよう、子どもの「未来」を守るビジネスの在り方を実現することが求められています。

 

児童労働をなくすために企業・労働組合ができること

企業や労働組合は、自社のリソースを活かしたボランティア活動や、人権に配慮したビジネスの仕組みづくりを通じて「児童労働のない未来」に貢献することができます。ACEは、そんな企業や労働組合の取り組みをさまざまな形でサポートしています。

寄付やビジネスで子ども支援

ACEオリジナルグッズのてんとう虫チョコとオーガニックコットンのタオルハンカチ寄付つき商品の販売(コーズ・リレーテッド・マーケティング)や従業員参加によるマッチング寄付、現地プロジェクトへのご寄付など、さまざまな形でACEの活動を応援いただけます。

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法人会員になる

children enrolled in Bridge SchoolパートナーとしてACEの活動を支援いただくだけでなく、ACEを通じて自社の児童労働への取り組みをアピールしたり、社員参加を進めるためのご相談・ご協力もさせていただきます。

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講演やセミナーを開催する

学校・企業・グループを対象に講師を派遣しています児童労働問題に専門的に取り組んでいる経験豊かな講師を社員研修やセミナーへ派遣することができます。社内、社員の児童労働や社会貢献に対する意識向上に協力させていただきます。

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児童労働のないビジネスづくり

刺繍の職業訓練を受けている女性たちビジネスの中で児童労働をなくしていくための仕組みづくりについてのご相談やお手伝いをさせていただきます。

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社員参加を通じた支援

社内販売会でてんとう虫チョコを販売してくださいました!社員、従業員のみなさんに参加いただけるようボランティア参加や本・CDなどの回収などの機会があります。

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募金箱の設置

2010年3月に設置された募金箱全国展開している店舗や支社・支店などへ募金箱を設置いただけます。社員や社外、お客様への意識啓発にもなります。

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ACEと協働いただくことによって

  • 社員・従業員・組合員に社会貢献活動への参加機会を提供することができます
  • 社員・従業員・組合員の社会貢献や人権、児童労働に対する理解が高まります
  • 児童労働のないビジネスを目指している姿勢を対外的に示すことができます

 

企業との協働事例

ACEはこれまで多くの企業・労働組合とさまざまな協働を行ってまいりました。ビジネスの中で児童労働がないか確認したり、ビジネスを通じて子どもたちを支援したり、さまざまな形で児童労働の予防と撤廃に取り組むことができます。

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