開発教育を通じて児童労働をなくすアクションを考えました

開発教育を通じて児童労働をなくすアクションを考えました

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毎年8月に行われる開発教育協会(DEAR)が主催する開発教育全国研究集会に、課題別分科会「教材と実践第2弾」のリソースパーソンとしてACE事務局長の白木が参加しました。2006年のテーマは「参加・学び・国際協力」でした。

「知り・学び・行動する」を目指す開発教育。

しかし、「知り、学ぶ」まではできても、課題解決に向けた「行動」がどれだけ実践できているかは課題であるように思います。そこで参加者のみなさんと一緒に「学び」にとどまるのではなく、次の「行動」を想定したプログラム作りを行いました。

第24回 開発教育全国研究集会に参加しました

「感じてみよう、働く子どもの気持ち」のワークショップの様子

ACEオリジナルワークショップ「感じてみよう、働く子ども」は、働く子どもの気持ちを写真やセリフから想像して模造紙に書き出していきます。

ACEが開発したオリジナルワークショップ「感じてみよう、働く子どもの気持ち」を体験してもらったあと、参加者に、教員、団体スタッフ、学生などのグループに分かれてもらい、小学校、中学校、高校、一般をそれぞれ対象にした開発教育のプログラムを考えてもらいました。

最終的な行動へと結びつけるために、それぞれの対象グループに実践してもらうアクションについて、話し合ってもらいました。アクションが決まったらそこまでたどり着くプロセス、プログラムの展開を組み立ててもらいました。

各グループから発表された児童労働をなくすためのアクション例

【小学校グループ】総合学習合同発表会

開発教育を通じて学んだ子どもたちが劇、歌、紙芝居などを創作し、発表会で中高生、保護者、地域の人々に発表し、児童労働の問題を伝える。

小学校の先生たちが考えたアクションを発表してくれました

【中学校】学習発表会での子どもたちによるワークショップの実践

英語や社会の選択教科の中でワークショップを体験した子どもたちが発表会の場でワークショップを実施する。

中学校の先生たちが児童労働をなくすアクションを発表してくれました

【高校】文化祭「テーマ:児童労働をなくす為に僕達ができる事」

組織強化部門(教員の意識改革と学び)、キャンペーン部門(ポスター作成、劇、スポーツ選手起用、メッセージDVD・カード・Tシャツ作成)、リサーチ部門(児童労働の疑いのある商品について企業にリサーチ)、トレード部門(フェアトレード商品の販売)に分かれて学校全体での取り組みとする。

【一般】現地の子どもたちの活動を支える市民グループの立ち上げ

スタディツアーを実施し、現地の子どもたちに「気持ち」を聞くワークショップを実施。子どもたちの声や夢(絵)を届ける物(カレンダー、カード、ビデオ)を作り販売する。

【一般】児童労働フリー商店街をつくろう!

不買運動ではなく、よい製品を積極的に買おうという姿勢を地域に広げるため、商店街ぐるみで児童労働フリーマーク(ラベル)を作り、生産過程の情報とともに提示する。

不買運動(ボイコット)ではなく購買運動(バイコット)を。

ワークショップでの気づきの共有

最終的に出てきたプログラム案は、どれも対象者に合わせた上で工夫が凝らされており、かつ実践的なものばかりでした。最後にみんなで分科会を終えての気づきを共有しました。参加者がさまざまな気づきを得ていたことがわかりました。

  • はじめにビデオを見た時は、こんなことは解決できないと絶望的に思ったが、自分たちにもできることを実感した。
  • 考えるばかりではなくとにかく”行動”
  • 完璧でなくともまずやってみることが必要だと思った。
  • 実際に実践して来年の全研で報告しよう

「こんなにできることがあるんだぁ」「もっともっとできることがありそう」と可能性が感じられる分科会でした。ワークショップを通じて感じた気持ちや気付きを、参加者がそれぞれの持ち場で実践につなげていただけると嬉しいです。

みなさんもぜひ、児童労働の問題に対して「わたしにできるアクション」を考えて、ACEまでご連絡ください。みなさんの一歩がきっと、世界の子どもたちを笑顔にする一歩にになるはずです。

児童労働について学びたい!もっと知りたい!
学校でできること、たくさんあります。

学校・学生ができること

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2006.08.11