インドで子どもに会って考える旅~スタディツアー2009報告

インドで子どもに会って考える旅~スタディツアー2009報告

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2009年8月28日~9月5日に行われたACEインド・スタディツアー「インドで子どもに会って考える旅2009」を実施しました。スタディツアーには、10代から60代の個性豊かなメンバー17人とスタッフ3人の合計20人と、例年よりやや大所帯。ツアー名どおり、インドで元気いっぱいの子どもたちや児童労働の予防と撤廃に取り組む様々な団体の方と出会い、考える、実り多い旅となりました。

スタディツアーの実施には、パートナー団体のBBAやバタフライズ、タラ・プロジェクト、国際労働機関(ILO)デリー事務所、株式会社マイチケットのご協力をいただきました。関係者のみなさまに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

スタディツアー日程

8/28 成田空港出発→デリー着
8/29 デリー市内観光→ラジャスターン州、バル・アシュラム(男の子のためのリハビリ施設)へ移動
8/30 オリエンテーション、子どもたちと交流、子ども村議会見学、BBAスタッフ・子どもへのインタビュー
8/31 バル・アシュラムの敷地内見学、「子どもにやさしい村」実施村住人へのインタビュー
9/1  「子どもにやさしい村」訪問、バル・アシュラムにおみやげ→デリーへ移動
9/2 バタフライズ(ストリートチルドレンのためのNGO)、タラ・プロジェクト(フェアトレード団体)訪問
9/3 アグラ(タージマハル・アグラ城)観光
9/4  ILOデリー事務所訪問→デリー市内観光→デリー出発
9/5 成田空港到着、解散

バル・アシュラム

バル・アシュラムは現地のNGO、BBAによって設立された、男の子のためのリハビリテーション施設です。現在ここでは児童労働から救出された6歳~14歳の子105人が、遊んだり勉強したりしながら共同生活を送っています。

インフォーマル教育や職業訓練、パソコンの授業の他に、道徳や社会に関する教育、自己啓発の時間などを通して、子どもたちは心の傷を癒し、自分たちの権利や、権利のために声を上げることを学んでいきます。

約5時間の移動の末、バスがアシュラムに着いたのはすっかり日が暮れてしまったあと。それにもかかわらず、敷地内に入るやいなや、バスの窓を突き抜けて聞こえてくる歓声の嵐、そして手を振る子どもたちの顔・顔・顔・・・。
太鼓、歌、踊りに合わせ歓迎の儀式が始まりました。ミサンガとビンディー(額の印)をしてもらい、アシュラムの仲間として温かく(熱く!)迎えてもらいました。

バル・アシュラムの子どもたちは元気いっぱい。朝6時からのヨガにはじまり、アシュラム内の掃除をしたり、学校に行ったり職業訓練を受け、遊びの時間はサッカーやクリケットをして遊んでいます。
滞在中、“オリンピック”と称される運動会のような行事が行われ、私たちも子どもたちに交じって袋とびやカエルとび競争に汗を流しました。

おみやげとして持っていった長縄も好評で、暗くなるまで一緒になって遊びました。

毎週日曜日には子ども村議会(*1)が開かれ、村の議員の子とアシュラムの代表で話し合いを行っています。
ここでの子どもたちは、さっきまでとは一転、真剣そのもの。村の活動や課題、その解決方法、そして自分たち子どもの権利について意見を交わします。

議会の中である男の子が、「教育とは正と不正の違いを学ぶこと、そして自分の権利のために戦うためのもの」と語っていたのが印象的でした。

子どもたちの、学ぶことへの意欲、自らの権利への認識、またそれに向かって声を上げていこうとする姿勢に、私たちは関心させられるばかり。児童労働をなくそう、遊ぶ、教育を受ける、という生まれながらの権利を享受しよう、みんなで一つになろう、と声を合わせてスローガンを言う姿には圧倒され、考えさせられることが多くありました。

元気に走りまわる姿、キラキラした笑顔、自らの問題について自ら考えるしっかりとした態度、真剣なまなざし――。この子たちに働かされ搾取されていたという過去があったなんて、と思うと複雑な気持ちになることもありましたが、過去を乗り越え未来に向かって強く生きる彼らに、児童労働という問題に差す希望の光を見た気がしました。

報告:国際協力事業担当インターン 並木 祥子

スタディツアー参加者の感想

  • 今まで自分たちの行動から周りを変えていこうという行動力は自分にはなかったから、子どもたちの自立心に驚きました。(20代女性)
  • 子どもたちの心の強さ、勉強に対する意欲、自分で発する意見を聞いていると、将来を頼もしく感じました。(20代女性)
  • 実体験を話すのは子どもたちにとって本当に辛いことだと思うのにたくさん話してくれました。絶対にそれを無駄にしません。(20代女性)
  • 児童労働の辛い経験を乗り越えていきいきたくましく生きている子どもたちを見て、自分のこれまでや日本のことを省みました。こんな子どもたちがいることを日本でも知ってもらい、日本の子どもにも自分を見つめてほしいです。(20代女性)
[*]子ども村議会
ACEが実施している「子どもにやさしい村」プロジェクトでは、貧しい農村で児童労働がなくなり、すべての子どもたちが学校で質のよい教育が受けられるようになるために取り組んでいます。その一環として村に子ども村議会を設立し、子ども自身が村の問題について話し合ったり出された意見を村の議会に出したりしています。
「子どもにやさしい村」プロジェクト概要
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  • カテゴリー:子ども支援
  • 投稿日:2009.09.09