インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2008年度報告 vol.4

インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2008年度報告 vol.4

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小学校の子どもたち(チタウリ村)小学校の子どもたち(チタウリ村)

インドのラジャスタン州にあるチタウリ村とスラジプラ村で実施していた「子どもにやさしい村」プロジェクトは、2007年12月25日から2009年6月24日までの約1年6ヶ月間の活動を終了しました。

「子どもにやさしい村」プロジェクトで支援した2つの村では、子どもたちやおとなたちの生活に大きな変化がありました。

これまでの活動と村の主な変化

児童労働がなくなり、全ての子どもが学校に通うようになりました

チタウリ村とスラジプラ村では、農業や採石場での作業、カーペット織り、家事手伝い、放牧などの仕事をするため、学校に通えなかった子ども(児童労働者)が約90名いました。

プロジェクトが始まってからは、児童労働や中途退学がなくなり、村の全ての子どもが学校へ通えるようになりました。

小学校で勉強する子どもたち(スラジプラ村)小学校で勉強する子どもたち(スラジプラ村)

  • 2009年には、学校へ通えなかった子ども40人が新たに入学しました。
  • 入学期には子どもの就学を呼びかけるキャンペーンを行ったり、子どもが毎日通学しているかを親や子どもたちが確認したり、家庭訪問を行って親を説得したりしています。
  • 女性グループの活動により、女子の教育の妨げとなっていた幼児婚がなくなりました。

 

学校へ通えるようになったマンジュちゃん

学校へ通えるようになったインドの女の子学校へ通えるようになったマンジュちゃん

スラジプラ村に住んでいるマンジュちゃん(13歳)は、カーペット織りや家事の手伝い、弟や妹の世話のため学校へ通ったことがありませんでした。

「子どもにやさしい村」プロジェクトの活動がはじめってから、活動家や子ども村議会のメンバーが何度も家を訪ね、親を説得し続けました。その結果、2008年には小学校へ入学することができました。2010年1月現在、小学3年生として学校へ通っています。

 

年下の子どもたちと一緒のクラスですが、一生懸命勉強し、今は読み書きができるようになりました。「学校に行くと、友達ができて、遊んだり勉強できてうれしい。教育を受けて、読み書きができ、将来よい仕事が得られるようになりたい。」と明るい表情で話してくれました。

子ども村議会の活動が定期的に行われています

村では、子どもによる選挙で選ばれた子ども村議会のメンバー(チタウリ村8名、スラジプラ村8人)が、主に学校の問題について話し合い、おとなの村議会に参加して改善策を提案しています。

子ども村議会の会議には、村の子ども、学校教員、青年グループ、活動家が一緒に参加し、村議会に提言するようになり、問題が速やかに解決されるよう協力体制が生まれています。

子ども村議会の子どもたちは「子どもの権利について知るようになりました。今は自分たちで、みな学校に行くように確認しているよ!」と言ってくれました。

子ども村議会メンバーと他の子どもたち子ども村議会メンバーと他の子どもたち

学校施設が整備され、教員も増えました

子ども村議会の活動を通して、学校を改善する取り組みが行われました。プロジェクトが始まる前は教育施設や教員などが不足してたため、その改善によって子どもの継続的な就学が促進されました。

  • 小中学校(1-8年生)に女子トイレやハンドポンプ、貯水タンク、校舎の壁が設置されました。
  • 飲料水用タンクの掃除や学校に医者を呼んで健康診断を行うようになりました。
  • スポーツ用品が支給され、ゲームや芸術などの文化活動を行う時間が増えました。
  • 不足していた教員が補充されました。
  • 村になかった高等学校(9~10年生)が新設され、250人が在籍して勉強を続けられるようになりました。

建設中の校舎の壁建設中の校舎の壁

 

増員された学校の教員たち増員された学校の教員たち

貯蓄や職業訓練により収入が向上しました

「子どもにやさしい村」プロジェクトを通じて作られた女性グループや青年グループの活動により、仕事を得て収入向上を図る取り組みが行われるようになりました。

家庭の収入が向上し、親が子どもの文具・学用品を購入できるようになりました。子どもが継続的に学校へ通える動機づけとなり、就学がさらに促進されています。

  • 女性が自助グループの結成し、貯蓄・少額融資による小規模ビジネス(牛乳の販売、仕立屋など)を起業をして収入を得るようになりました。
  • 職業訓練センターが設置され、女性たちが刺繍・仕立ての訓練を受け仕事を得られるようになりました。
  • 青年グループを通じて政府の制度を学び、貧困家庭のための雇用・配給・社会保障制度を活用するようになりました。
  • 道路整備や廃水処理施設の設置などを行いうようになりました。

ミシンの職業訓練を受けている女性たちミシンの職業訓練を受けている女性たち

 

女性グループのメンバーたち女性グループのメンバーたち

女性グループのメンバーは「以前は女性のグループもなかったし、女性が集まって話し合うこともありませんでした。今はいろいろな問題を話し合うようになり、また政府の政策を知れるようになってうれしいです。」と語ってくれました。

今後の活動について

「子どもにやさしい村」プロジェクトによる支援が終わった後も、子どもたちが再び児童労働に戻ることがないように、住民の自立をさらに向上させるためのフォローアップ活動を行っていきます。特に、就学を徹底するための親への啓発や動機づけ、引き続き課題となっている学校の環境改善と、そのための行政との連携強化などを行っています。

インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2008年度報告

インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2008年度報告 Vol.1

インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2008年度報告 Vol.2

インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2008年度報告 Vol.3

インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2008年度報告 Vol.4

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  • カテゴリー:子ども支援
  • 投稿日:2010.01.20