インドで子どもに会って考える旅~スタディツアー2010報告(2)

インドで子どもに会って考える旅~スタディツアー2010報告(2)

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2010年夏に実施したインド・スタディツアーの報告、第二弾をお届けします。今回は「子どもにやさしい村」プロジェクトです。

「子どもにやさしい村」プロジェクトとは

ACEは、インドで活動する現地NGO、BBAとともに「子どもにやさしい村」プロジェクトを実施しています。このプロジェクトは、村から児童労働をなくし、村の全ての子どもが学校に通えるようになることを目的として、子どもの声を村の自治に反映させながら住民の自立を支援するものです。
村では、子どもの就学を呼びかけるため、住民との集会や親の説得などが行われます。また子どもの代表を選ぶ選挙を実施して「子ども村議会」をつくり、子どもたちは、おとなの村議会(村の自治組織)と連携して、学校の改善などに取りくみます。さらに青年グループや女性グループをつくり、子ども村議会の活動のサポート、子どもの就学の徹底や健康の改善、収入向上の取りくみなどが行われます。
プロジェクト詳細・成果
インド「子どもにやさしい村」プロジェクト

チョータ・カクラナ村の子どもたち。
「学校に行っている子!」と聞くと、
みんなが元気よく手を挙げてくれました。

村の子どもやおとなたちとの交流

スタディツアーでは、「子どもにやさしい村」プロジェクトを実施した村の住民から話を聞いたり、実際に村を訪問したりしました。
まずACEが支援したチタウリ村とスラジプラ村の住民のみなさんに、私たちが滞在していたバル・アシュラムの施設に来ていただき、お話を聞きました。プロジェクトの中で作られた子ども村議会、青年グループ、女性グループのメンバーが、について村で教育が浸透してきたこと、村における教育の重要性が高まったことなど、それぞれの活動や村での変化について話してくれました。

ツアー参加者から出た質問と住民からの答え

Q1.子どもが働くのをやめたことで、家族はどうなりましたか?
A1.「子どもの代わりに親が働いています。働くことはいつでもできますが、教育を受けることができるのは子ども時代だけなので。」

Q2.どうして教育が必要だと思いますか?
A2.「読み書きができることで、自分で色んなことができるようになるからです。」

Q3.子どもたちの勉強意欲はどうですか?
A3.「家にいると、スケジュールがありません。スケジュールができることによって、子どもたちが頑張ります。高校までは勉強が必要で、その後は子どもたち次第です。」

Q4.学校をさぼってしまう子はいますか?
A4.「いますが、二日もさぼれば子どもは退屈してまた学校へ来るようになります。」

Q5.子どもたちの大学への進学率や、その後の就職先はどうですか?
A5.「大学への進学率は6~7割です。高校を卒業すると、みんな大学に行きたくなります。高卒でも、働きながら勉強したり、もっと良い職業に就こうとする子どももたくさんいます。大学卒業後の就職先は、医者、薬剤師、教師などです。村で学校を開く人もいます。」

Q6.卒業して、自分の村に残る子どもや、戻ってくる子どもはいますか?
A6.「医者や教師になって村に残れば政府は喜びますが、みんな都会に行きたがり、村に残りたがる人はとても少ないのが現状です。」
参加者からは他にもたくさんの質問がありました。また、村の住民たちからもツアー参加者へ「日本の義務教育は何年間ですか。専攻はいつ決めます か。」といった、日本の教育についての質問もありました。お互いに教育について意見交換をし、参加者と住民との距離が近くなった気がしました。

村の住民に質問をする参加者 「子どもにやさしい村」の住民たちとツアー参加者との交流

村の訪問

住民との交流の後は、プロジェクトが実施された村を実際に訪れました。訪れた村の一つ、チョータ・カクラナ村は、人口は250~300人、住民の多くは農業に従事しています。村には小学校が1つしかありません。
プロジェクトは2年前に始まり、4カ月前に支援活動を終了しましたが、現在も女性グループが活発に活動しています。以前は32人の子どもが児童労働をして いましたが、今では子どもは全て学校に通っています。子どもたちが学校に通うようになり、その状態が続いていることから、周りの住民からは理想的な「子ど もにやさしい村」と言われているそうです。
村ではプロジェクトが実施され、子ども村議会と住民との話し合いが行われたことで、学校の学習環境が改善されました。例えば、以前は先生がきちんと教えて くれなかったため問題となっていましたが、今は先生が代わり、きちんと教えてくれるようになったので、勉強に対する子どもたちの態度もよくなったそうで す。また学校給食が始まり、飲み水の施設も設置されました。
またラジャスターン州で多いといわれる幼児婚の習慣も村にありましたが、子どもの教育を妨げるという子どもたちからの意見により、村からなくなりま した。また以前は女性が男性の前を通ることも禁じられていましたが、女性たちが自分たちの権利について互いに話し合うようになり、村での女性の社会的地位 が高まりました。今では村を代表する州議院議員も女性です。
村の訪問では住民たちの生活の様子を直に見る事ができ、それまでにプロジェクトについて学んだことと関連させることができました。参加者にとって印象深い体験となったようです。

参加者の感想

  • 「子どもにやさしい村」では実際に学校に行けるようになった子どもたちや支援された村を訪問できて、とても有意義だった。村の人の喜ぶ姿が印象的でした。(20代女性)
  • 子どもや女性の意見を聞き、それを反映できる点で、共感できました。(20代女性)
  • 家族と暮らす、農村の子どもたちの様子が印象的でした。農村が自分たちの力で豊かになっていくことがいかに重要であるかが強く印象に残りました。(30代女性)
  • 「子どもにやさしい村」を訪れた際、道すがら村の人々がフレンドリーに接してくれた。デリーの街中の貧困もあるが、インドは力強く問題を乗り越えて行く力があると思った。(50代女性)
  •  プロジェクトの子どもを救うための方法が、合理的で持続可能だと感じることができました。(10代女性)
  • 「子どもにやさしい村」に共感した。子どもに必要なものを大人が勝手に決め付けるのはよくないと思うから。(20代女性)

最終回は、タラ・プロジェクトとILOデリー事務所訪問の報告です。

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  • カテゴリー:子ども支援
  • 投稿日:2011.01.12