インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2010年度報告 vol.2

インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2010年度報告 vol.2

Pocket

ACEが支援するインドの農村地域の子どもたち

授業を受けるこどもたち

ACEはインドの農村で児童労働をなくし子どもの教育を支援する「子どもにやさしい村」プロジェクトを実施しています。

2010年4月から3年計画で支援しているインド北西部ラジャスタン州にあるラグナツプラ村、ビハジャール村、タルヴァ村の3つの村の2年目の活動報告と進捗状況をご報告いたします。

支援している村の基礎情報

インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2010年度報告 Vol.1

これまでの活動と村の主な変化

村ではより多くの子どもが就学し、子どもや住民の活動によって学校や村の改善が進んでいます。3年目以降は、活動の定着化や住民の自立に向けた活動を行っていきます。

村のすべての子どもたちが学校に通うようになりました

子どもの就学を呼びかけるキャンペーンを行い、学校の出席状況を確認して休みがちな子どもがいれば、家庭訪問をして親の説得を行っています。結果、農業や放牧、家事労働などのために未就学だった子どもや中途退学してしまった子ども66人(ラグナツプラ村4人、ビハジャール村51人、タルヴァ村11人)が2011年7月の新学期から入学しました。さらに、親の教育への意識が高まり、他の村の中学校や高校へ進学する子どもも増えました。活動を開始して約2年間で、合計149人の子どもが労働をやめて学校に通えるようになりました。現在では各村の就学年齢(6~13歳)の子ども全員が学校に通っています。

学校へ通えるようになったグッディちゃん

「子どもにやさしい村」プロジェクトを通じて支援した子どもたち

学校へ通えるようになったグッディちゃん(左から2番目)

グッディちゃん(8歳)は、お父さんとお母さん、兄弟姉妹8人の10人家族で暮らしています。家畜の世話のため、学校に通ったことがありませんでしたが、村の活動家が親を何度も説得し、学校へ通えるようになりました。

今は家畜の世話は親がしています。親もグッディちゃんが勉強する姿を喜んでおり、学校をきちんと卒業できるように願っています。グッディちゃんは「学校は楽しい。近所のお友達にも学校へ毎日休まず行こうねって言っています。」とほほ笑んで話してくれました。

子ども村議会と村議会との連携が進んでいます

子どもたちが村の問題を話し合うための議会

ラグナツプラ村の子ども村議会のメンバーたち

各村で子どもたちの代表による「子ども村議会」を設立し、子どもがおとなの村議会(村の自治組織)と定期的に話し合い、問題解決に取り組むようにしています。 3つの村では、2011年9月に子どもたちによる選挙を実施して、各村10人程度のメンバーによる「子ども村議会」ができました。子ども村議会では、村の子どもたちとのミーティングを毎月2回開き、不足している教員や教室など、学校や村の問題について話し合っています。また、おとなの村議会にも参加して、子どもが抱える問題が村全体で取り組まれるよう改善策を提案しています。

学校の教育環境の改善が進んでいます

ACEの支援を通じて学校へ通えるようになった子どもたち

高校へ自転車で通えるようになった女の子たち

住民による政府への働きかけを通して、子どもたちが継続的に質のよい教育を受けられるよう、学校の教育環境の改善に取り組んでいます。

3つの村では、学校運営委員会で教員や村長、親、子どもたちが定期的に話し合い、学校の改善について行政に働きかけるようになりました。その結果、村にさまざまな変化がありました。

 

 

  • 新しい教室や給食調理室が作られたり、壊れていたポンプ式井戸やトイレが修理され、また使えるようになりました。(ラグナツプラ村)
  • 老朽化していた教室の壁が改修されたり、これまでなかったトイレが新たに作られました。(タルヴァ村)
  • 小中学校の敷地内に高校が新設され、タルヴァ村を含む周辺の村から進学できる子どもたちが増えました。(ビハジャール村)
  • 高校へ進学する女の子のための通学用自転車が政府から支給され、遠い村からも通えるようになりました。(ビハジャール村)

また、それぞれの村では制服の支給や校庭の整備、遊び道具やスポーツ用品の支給などに取り組んでいます。ラグナツプラ村の1~8年生を対象にした学校には、教員が4人しかおらず、あと3人補充できるよう学校と村議会が行政へ要請しています。

住民グループによる子どもの就学の徹底や村の改善、収入向上の取り組みが行われています

住民を組織し、行政制度についての訓練や職業訓練を実施して、生活向上のためのノウハウを指導しています。3つの村では、村のリーダーによる諮問委員会、青年グループ、女性グループが設立され、子どもの就学や子ども村議会の活動のサポートを行っています。子どもの通学状況を確認したり、就学の障害となる児童労働や幼児婚の習慣をなくすよう住民への呼びかけなどをしてきました。

青年グループは、村のインフラ整備や、貧困家庭が雇用・社会保障に関わる行政サービスを受けられるよう活動しています。女性グループは、行政が行う幼児の予防接種のサービスを受けたり、自助グループを作って貯金し、少額融資による収入向上のために活動も行うようになりました。女性たちは、「以前は教育について何も意識しなかったし、子どもが働けば家計の助けになると考えていました。でも今は考えが全く変わりました。教育の大切さを理解しているし、親がもっと一生懸命働けば、子どもを学校へ行かせることは何の問題もないと分かるようになりました。」と話してくれました。住民たちの間には「村を変えよう」という気持ちが高まっています。

プロジェクトを通じておとなたちの組織化も進めています 青年グループのメンバー(左)、諮問委員会(右)のメンバー
「子どもにやさしい村」プロジェクトでは女性たちのエンパワーメントにも取り組んでいます 女性グループのメンバーたち

支援している3つの村の今後の活動計画

「子どもにやさしい村」プロジェクトでは、約3年間の支援活動を予定しています。1年目の活動が終わり、2年目、3年目へと活動を進めて、「子どもにやさしい村」づくりを進めていきます。

【2年目の活動】2011年4月~2012年3月まで

  • 子どもの就学を徹底する啓発活動や教育環境の改善などを徹底して行い、就学した子どもたちが継続的に学校へ通い、質のよい教育を受けられるよう目指します。
  • 子ども村議会の活動サポートを行い、子ども参加による問題解決の仕組みを定着化させます。
  • 住民グループの行政制度に関する訓練を継続し、収入向上のための職業訓練や小規模ビジネス支援など必要に応じた支援を行い、村の自立を図ります。

【3年目の活動】2012年4月~2013年3月まで

  • 住民自身が児童労働をなくし、子どもの就学を徹底していけるよう活動をサポート・指導し、「子どもにやさしい村」のための持続的な仕組みを確立させます。
  • 住民による村の改善や収入向上のための活動を必要に応じてサポート・指導し、貧困の悪循環を断ち切れるよう住民の自主を図ります。
  • プロジェクト終了に向け、活動を住民へ引き渡していきます。

インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2010年度報告

インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2010年度報告 Vol.1

インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2010年度報告 Vol.2

インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2010年度報告 Vol.3

  • Pocket

  • カテゴリー:子ども支援
  • 投稿日:2011.12.06