TICADに合わせてアフリカ・ガーナをもっと身近に感じる4つのキーワード

TICADに合わせてアフリカ・ガーナをもっと身近に感じる4つのキーワード

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2013年6月1日から3日にかけて、横浜で「第5回アフリカ開発会議(TICAD V)」が開催されます。アフリカ各国から首脳や政府関係者が来日するこのTICAD Vに合わせて、アフリカに関するニュースがテレビやラジオ、新聞などの各メディアで報じられる回数も増えています。この機会にアフリカの今と、もっとアフリカを身近に感じるキーワードをご紹介します。

1「チョコレート」~日本製チョコレートの約8割はガーナ産!?

スイスやベルギーなど、ヨーロッパ諸国で作られているイメージがある「チョコレート」ですが、原材料となるカカオはどこで生産されているか知っていますか?実は、カカオの多くはガーナ・コートジボワール・ナイジェリア・カメルーンなどの西アフリカ諸国で生産されています。西アフリカ諸国の生産量は、世界全体の約6割を占めるほどの一大カカオ産地なのです。日本はこのカカオをほぼすべて海外から輸入しており、日本が輸入するカカオの約83%がガーナ産です。

出所:日本の主要カカオ豆国別輸入量推移 (日本チョコレート・ココア協会)出所:日本の主要カカオ豆国別輸入量推移 | 統計・レポート | 日本チョコレート・ココア協会

カカオは産地によって味わいや風味が異なり、さまざまな産地のカカオをブレンドして作られています。中でも、ガーナ産のカカオは日本人の舌に合うと言われ、チョコレートを作る際のベースカカオとして使われているのです。

2「1000円札」~日本の顔は世界を代表する細菌学者

「1000円札の人」と言えば、日本の誰もが知っている「野口英世」さん。ノーベル生理学・医学賞に三度もノミネートされたことのある日本を代表する学者です。そんな野口さんは黄熱病の研究のため晩年をガーナで過ごされたことも知られています。現在もガーナには「野口英世記念館」があり、アフリカ開発会議(TICAD Ⅳ)が開催された2008年に「野口英世アフリカ賞」が創設されました。5年ごとに開催されるアフリカ開発会議(TICAD)に合わせて、アフリカでの感染症対策などの研究や医療活動において顕著な功績を遂げた人物が表彰されます。日本の紙幣に印刷されるほどの人物がアフリカ・ガーナと馴染みがあるのも、意外なつながりですね。

3「ゲイシャ」~100年前からガーナで大人気

西アフリカのナイジェリアとガーナでは「ゲイシャ」と呼ばれるサバのトマト漬け缶詰が国民食として親しまれています。ゲイシャは100年の歴史をもつ缶詰ブランドですが、アフリカへの注目度が世界的に高まるのとは裏腹に、「ゲイシャ」の緑色と魚のデザインをまねた安価な類似品が増えたり、缶詰を製造する中国工場での人件費の高騰や原料費の値上がりなどで、出荷量はピーク時の約1割程度に減ってきているそうです。

昔は誰でも買えたのに、いまは販売価格(1缶70円程度)が上がって中間層以上の人しか買えなくなってしまった。この「ゲイシャ」の缶詰を販売する食品商社「川商フーズ」は、ガーナの学校給食へ缶詰を提供するなど、新しいBOP(低所得層)ビジネスの試みを始め、注目を集めています。

4「石油」~ガーナの経済成長率は14.4%

アフリカは「開発が遅れている」とか「貧困が深刻」など暗いイメージがあるかもしれませんが、最近は新たなビジネスの場として注目されはじめています。ガーナでは油田が採掘され、2010年には原油生産が開始されました。それにともない2011年の経済成長率は14.4%を記録し、1人当たり所得が1,400ドル(約14万4000円)超と「中所得国」の仲間入りを果たすほど急速に経済発展を遂げています。経済成長により中間層が増えることで、投資先としてはもちろん、マーケット(市場)としての価値も高まり、近年、先進各国の企業進出が相次いでいます。

出所:時事通信「躍進するガーナ経済=日系企業も期待、インフラに課題」

アフリカの光と影:経済成長の影に隠れた貧富の格差

「中所得国」の仲間入りをしたガーナの都市部では、写真のような巨大なショッピングモールなどがオープンしています。

ガーナの首都アクラにあるショッピングモール ガーナの首都アクラの巨大ショッピングモール

ガーナの首都アクラにあるショッピングモール 店内にはたくさんの商品が

しかし、あくまでも経済成長を遂げているのは、ガーナの首都アクラなどの都市部のサービス業に限られます。ガーナ人口の大半が従事している第一産業、農業分野が成長しているわけではないのです。経済成長の恩恵を受けられているのは都市部だけで、農村部は住民の収入は変わらないまま物価が上昇し、貧困が悪化しているという声もあります。

参考:時事通信「地方に届かぬ成長の恩恵=貧富の格差も拡大-ガーナ」

カカオ畑での収穫風景

ガーナ・カカオ畑で下草刈りをする子ども

ACEが活動しているガーナのアシャンティ州アチュマ・ンプニュア郡の奥地では、住民の大半がカカオ生産で生計を立てています。交通の便が非常に悪く、行政サービスが届きにくい地域です。村には病院もなければ医者もいない。学校の教室は足りず、学用品を買うことができない子どもたちの多くがカカオ農園で働いています。

TICAD VでもエネルギーやIT、金融など経済成長に必要なインフラに注目が集まっていますが、労働人口の大半を占める農業分野や貧困対策などにはなかなか目が向けられていません。

ガーナで児童労働と出会い、悩み、闘った、日本の女の子たち。
映画『バレンタイン一揆』を全国各地で上映中

ACEは、アフリカ・ガーナのカカオ生産地域で、子どもたちを危険で有害な労働から守り、教育を支援する活動を行なっています。ACEは2012年にガーナを訪ねた日本の女の子たちのドキュメンタリー映画『バレンタイン一揆』を製作しました。2013年1月から映画館で公開され、現在も全国各地で自主上映会が開催されています。

ぜひこの機会に、映画を通じて、アフリカをもっと身近に感じてみてください。

【横浜】[TICAD公式サイドイベント] 映画『バレンタイン一揆』上映&トーク

日時:2013年6月1日(土)10:00~11:30(開場 9:40頃)
場所:パシフィコ横浜 アネックスホール A会場

【沖縄】映画『バレンタイン一揆』上映会 「いのちをつなぐアースハーモニー」

日時:2013年6月2日(日)9:00~19:00(※全4回上映)
場所:沖縄キリスト教学院大学シャローム会館

【福岡】映画『バレンタイン一揆』上映会&トーク

日時:2013年6月8日(土)11:00~16:15(※全2回上映)
場所:アクロス福岡(福岡市中央区天神町1-1-1)

【札幌】映画『バレンタイン一揆』上映会&トーク

日時:2013年6月15日(土)
場所:天使大学3号館3階 3301教室(北海道札幌市東区北13条東3丁目1-30)

【東京】映画『バレンタイン一揆』上映会&トーク

日時:2013年6月22日(土)14:00~16:00
場所:富士国際旅行社(東京都新宿区新宿2丁目11-7 第33宮庭ビル4F)

アフリカの未来を支える子どもたちを1日30円から支援

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  • カテゴリー:お知らせ
  • 投稿日:2013.05.28