【開催報告】10/26 米国労働省国際労働局副次官招聘セミナー

【開催報告】10/26 米国労働省国際労働局副次官招聘セミナー

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米国労働省国際労働局副次官招聘セミナー「サプライチェーン上の人権リスク軽減に向けた取り組み」を2018年10月26日に参議院議員会館で開催しました。

副次官来日の連絡が急きょ入り、みなさまには直前のご案内となってしまいました。それにもかかわらず、国会議員、関係省庁、企業、研究者の方々など42名にご参加をいただき、サプライチェーン上の児童労働問題への関心の高さが感じられました。

米国は先進国の中で児童労働撤廃に積極的に取り組んでいる国です。このセミナーでは、米国の取り組みについて学び、日本でも政官民が連携してどのようにして児童労働を削減・撤廃していくのかを考える場となりました。

米国労働省セミナー(USDOL)

「ACEの児童労働削減に対する取り組みと世界の潮流」

米国労働省セミナー(USDOL)まず初めに、認定NPO法人ACE代表岩附由香より、ACEの児童労働削減に対する取り組みのひとつとして「児童労働に加担しないビジネスと消費モデルづくり」を紹介しました。

ガーナのプロジェクト地では、カカオ生産にかかわる児童労働をなくし、「児童労働のないカカオ」を使用したチョコレート製品の開発・商品化を日本企業と協働で行っています。ガーナ政府に対しては、ガーナを「児童労働のないカカオ生産国」にしようと、労働組合と連携して働きかけ、会議を重ねています。

企業が早急に児童労働問題に取り組む必要性は、投資家による児童労働撤廃への要請が相次いでいることからも裏付けられます。2017年にはチョコレート業界に、2018年には宝飾品企業に投資家が要請を行いました。

持続可能な開発目標(SDGs)に含まれている「2025年までに児童労働を撤廃する」という目標達成のために、各国政府・機関・企業の動きが加速しています。日本もこの潮流に乗り遅れることのないようにしなければなりません。

「米国労働省国際労働局の取り組み」

米国労働省セミナー(USDOL)続いて、米国労働省国際労働局副次官 マーク・ミッテルハウサー氏より、米国労働省国際労働局の取り組みについてお話いただきました。

米国労働省国際労働局は、米国政府の労働や雇用の問題に関する国際的な取り組みを所管する部署です。児童労働・強制労働・人身売買をなくすこと、通商協定における労働条項の順守徹底、貿易における労働基準の強化に主に取り組んでいます。児童労働への取り組みを開始してから25年の間に、世界で200万人の子どもを児童労働から救いました。

ミッテルハウサー氏は、長年労働分野で仕事をされており、アジアにおける児童労働プログラムも担当されていました。現在は、労働者の権利の促進および生活の向上にグローバルに取り組まれています。

国際労働局の事業の一部をご紹介いただきました。

    1. 「児童労働・強制労働によって生産された商品リスト」
      児童労働・強制労働によって生産された商品を多くの人に知ってもらうために、2年ごとにリストを作っています。最新の報告書では、76か国における148品目が掲載されています。
    2. 「最悪の形態の児童労働報告書」
      世界各国の児童労働への取り組みを評価した報告書を2002年から毎年発表しています。最新の報告書では、132の国と地域を対象に進捗状況を評価し、各国の状況に合わせて1400の対策を提案しています。
    3. スマートフォン用アプリ Sweat & Toil(汗と労苦)
       国・地域、産品ごとに分析した人権リスク情報を提供するツールで、150か国以上において児童労働と強制労働に関して調査した1000ページ以上の研究成果が、スマートフォンで簡単に見ることができます。
      ILAB Sweat&Toil ILAB Sweat&ToilのQRコード

      アプリの詳細、ダウンロードはこちら(英語)

    4. スマートフォン用アプリ Comply Chain(コンプライ・チェーン)
      企業がサプライチェーンにおいて児童労働と強制労働を削減するという社会責任を果たすソーシャル・コンプライアンス・システムをつくるためのアプリです。ステークホルダー・エンゲイジメント、行動指針の策定、モニタリング、報告書開示など8つのステップが含まれています。さまざまな取り組み事例も見ることができます。
      ILAB Comply Chain ILAB Comply ChainのQRコード

      アプリの詳細、ダウンロードはこちら(英語)

米国政府は公共調達に規制を設けることで、税金が児童労働や強制労働を行っている企業に使われることを防いでいます。大統領令によって、児童労働や強制労働によって作られた物を連邦政府が調達することを禁止しています。また、連邦政府との契約者に対して労働者の賃金、適切な苦情処理体制、人身取引をした場合の罰則などを含むコンプライアンス計画を策定するように命じています。

2019年 G20に向けて

来年は、日本が議長国として大阪でG20(金融世界経済に関する首脳会合)が開催されます。ミッテルハウサー氏は、これを機会にグローバル経済における児童労働撤廃への取り組みが加速化されることを期待しているとともに、市民社会組織との協働を楽しみにしていると締めくくられました。ちなみに、G20サミットに対して市民社会組織として提言を行うC20(市民社会20)の共同代表にACE代表の岩附由香が就任しています。
 
企業のサプライチェーンから児童労働をなくすために、ACEはこれからもしっかりと活動を続けていきます。引き続き、みなさまのご支援・ご協力をよろしくお願いします。

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2018.12.26