G20 労働雇用大臣宣言にも「児童労働撤廃」が盛り込まれました

G20 労働雇用大臣宣言にも「児童労働撤廃」が盛り込まれました

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G20大阪サミット

G20大阪サミット(金融・世界経済に関する首脳会合)において、首脳会議のほかに開催される8つの関係閣僚会合のひとつ、「労働雇用大臣会合」が2019年9月1~2日に愛媛県松山市で開催されました。この会合で採択された「労働雇用大臣宣言」にも「児童労働の撤廃」が盛り込まれ、さらに2021年が「児童労働撤廃国際年」と宣言する国連総会決議が全会一致で採決されたことを歓迎する、という文章も入りました。

36. 我々は、持続可能なグローバル・サプライ・チェーンのためにディーセント・ワークを促進することに引き続きコミットし、児童労働、強制労働、人身取引、仕事の世界における現代の奴隷制を根絶することへの我々のコミットメントを再確認する。これに関して、ドイツの G20 議長国下で我々の要請に応えて作成された有益な報告書について、国際機関に感謝の意を表明する。我々は、2021 年を児童労働撤廃国際年と宣言する国連総会決議が全会一致で採決されたことを歓迎しつつ、我々の進捗のレビューを継続する。 

 →全文は、こちらをご覧ください

日本で初めて2019年6月28~29日にG20サミットが大阪で開催され、成果文書として発表された「G20大阪首脳宣言」に「児童労働撤廃」が盛り込まれたこと、そして、そのためにACEが2回のSDG 8.7 Dialogueを開催するなどの活動を実施してきました。
→報告は、こちらをご覧ください
https://acejapan.org/info/2019/07/27060

 

第3回SDG 8.7 Dialogueを松山市で開催

G20サミットに関連したACEの活動の締めくくりとして、9月2日に松山市で第3回SDG 8.7 Dialogueを開催しました。

第3回SDG 8.7 Dialogueの様子

「労働雇用大臣会合」とそれに先立って行われた「第4回雇用作業部会」(2019年8月29~31日)に出席したアメリカ、ドイツ、フランス、EUの政府代表者8名とジュネーブからテレビ会議でILOの職員2名、計10名が参加してくださいました。多くの国の政府代表者は、労働雇用大臣会合終了後すぐの飛行機で松山市を出発することになっていたようで、他の国などからは、「参加できなくて、残念」という連絡をもらっていました。

第3回SDG 8.7 Dialogueでは、「G20大阪首脳宣言」と「労働雇用大臣宣言」を受けて、児童労働を撤廃するための政府と市民社会組織との連携について話し合いました。また、ILOが来る11月にパリで開催する児童労働会議で発表が予定されている「グローバル・サプライ・チェーンにおける児童労働、強制労働、人身取引撤廃に関する報告書」(仮訳)の一部をILOから共有していただき、質疑応答の時間も設けました。この報告書は、2017年のG20ハンブルグ(ドイツ)サミットの「労働雇用大臣宣言」で要請されて、ILO、UNICEFなどが作成しています。

次に、2グループに分かれて、児童労働を無くすうえでの課題と機会について話し合い、全員で話し合ったことを共有しました。課題としては、「グローバル・サプライ・チェーンにおける児童労働、強制労働、人身取引撤廃に関する報告書」でデータが示されているが、それをどのように活用して企業などに働きかけていくか、など。機会としては、2021年の「児童労働撤廃国際年」が挙げられました。政府と市民社会組織の連携としては、「ACEが3回のSDG 8.7 Dialogueを開催し、政府代表者との対話を図った取り組みはすばらしい。この活動を、世界の他の市民社会組織に伝えて、次回以降のG20サミットでも行われるといい」というコメントがありました。

SDG 8.7 Dialogueの様子
SDG 8.7 Dialogueの様子
SDG 8.7 Dialogueの様子

 ACEは昨年後半から「G20大阪首脳宣言」と「労働雇用大臣宣言」に「児童労働撤廃」へのコミットメントが示されることを目標に活動をしてきました。ここに、みなさまにうれしいご報告ができ、今後も一層がんばっていこうと思います。

引き続き、皆様のご支援・ご協力をよろしくお願いします。

なお、会場はサイボウズ松山オフィスさんに無料でご提供いただいたうえ、スタッフのみなさんが「忍者」スタイルや着物で歓迎のごあいさつをしてくださいました。たいへんお世話になり、ありがとうございました。 

サイボウズ 松山オフィス
サイボウズ 松山オフィス
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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2019.09.17