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【ガーナ便り】学校が再開、子ども達が学校に戻ってきました!

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みなさん、いつもACEの活動への温かいご支援をいただき、ありがとうございます。新しくガーナ担当スタッフとしてACEに入職しました、赤堀友希です。今後、みなさんにスマイル・ガーナ プロジェクトの支援地の様子を、分かりやすくお伝えできればと思います!どうぞよろしくお願いいたします。

世界中での新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ACEスタッフはガーナへの渡航ができない状況が続いていますが、現地パートナーNGOのCRADAと遠隔で連携を取りながら、プロジェクト支援地の2つの村で活動を続けています。今回は、支援地の子どもたちと学校の様子をお伝えします。

感染者数は減少傾向、ワクチン接種が始まりました

ガーナでの新型コロナウイルスの感染者数は減少傾向で、2021年4月18日時点で、1日平均57人の新規感染者が報告されています。これは、1日の平均感染者がピークだった2020年7月末の7%です。現在までの感染者は約9.1万人、亡くなった方は771人で、アフリカや世界の中では最低水準ですが、ウイルス検査の実施率が低いので、実際の人数はこれより多いとみられています。

2月末には、新型コロナウイルスのワクチンの公平な配分を目指す国際的な枠組み「COVAX」から、60万回分のワクチンが共有され、3月からワクチン接種が始まっています。まずは医療従事者、その後、60歳以上の人や基礎疾患のある人、政府高官などが優先的に接種を受けています。

小学校が再開され、高い出席率が確認されました

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2020年3月末から全ての教育機関が閉鎖されていましたが、高校・中学校は同年6月以降徐々に再開され、2021年1月中旬には、9か月ぶりに小学校が再開されました。

学校の再開に先んじて、支援地の村の子ども保護委員会(Community Child Protection Committee:CCPC)と首長を含むオピニオン・リーダー達は、学校再開と学校での感染対策について、村の全ての保護者に伝えることを約束してくれました。また、9か月間使われていなかった学校には沢山の雑草が生えてしまっていて、蜘蛛の巣がかかっている教室や、物が壊れている教室もありました。このため、村のリーダー達の呼びかけで、村の人たちが集まり、子どもたちが安心して学校を利用できるように、小学校の大掃除が行われました。

支援地の2つの村では、小学校の閉鎖期間中に62人の子どもが児童労働に従事していることが確認されていました。このため、子ども達が学校に戻ってきてくれるか心配でしたが、小学校の再開後、子ども達の出席率は、2つの村それぞれで、1月末で100%・95%、2月末で96%・98%と、高い水準が確認されました!小学校の再開日に10人の子どもにインタビューしたところ、全員が、学校再開の決断をしたガーナ政府への感謝の気持ちを述べていました。

子どもたちの高い出席率の要因としては、上に述べたような、児童労働の撤廃や学校再開に向けた村の住民の協力があり、これまで村で実施してきた、児童労働の危険性についての意識啓発が大きな効果を発揮したのではないかと考えています。

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学校開校日の授業(低学年のクラス)

学校開校日に校庭で遊ぶ子どもたち

学校開校日に校庭で遊ぶ子どもたち

保護者の協力のもと、給食支援も始まりました

小学校の再開と同時に、学校給食の支援を始めました。

新型コロナウイルスの感染拡大により、困窮家庭が増加し、食事を十分にとれない子どもが増えることや、学校が再開しても家の仕事をやめられずに学校に来なくなってしまう子どもが増えることが懸念されます。このため、子どもたちに十分な食事を提供するのと同時に、「給食が食べられる」ことが学校に来るきっかけになることを狙いとしています。
予算の関係で、プロジェクトで支援しているのは週3回分なのですが、給食支援を知った保護者達が緊急でPTA集会を開き、残り週2回分は保護者がお金を出し合って実施することとなりました!また、新型コロナウイルス感染対策として、保護者が寄付を募り、学校に手洗い用品(バケツ、石鹸、ティッシュなど)を支給することも決まりました!

給食支援の物資を受け取る校長先生(右)

給食支援の物資を受け取る校長先生(右)

給食を楽しむ生徒たち

給食を楽しむ生徒たち

40人の子どもに学用品の支援を行います

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う青空市場の一時的な閉鎖や交通手段の減少により、農家が現金収入を得る機会が減少しています。現金収入が減った家庭や、職を探して移住してきた困窮家庭が村に増えていることから、コロナ禍で特に経済的に困窮し、最も児童労働に陥りやすいと思われる家庭の子どもを選定し、学用品を支給することとしました。選定には経済的状況や家族構成など複数の基準を設け、40人(1つの村で20人ずつ)の子どもが学用品の支給を必要としていると特定しました。学用品の支給は、4月以降、徐々に行われる予定です。

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(学用品の支給対象となった各村の子どもたち)

今後の課題:補習授業

学校の閉鎖期間中、ガーナ教育局は、テレビやラジオ、オンラインで授業を配信していましたが、支援地では電気やインターネットが行き届いておらず、これらの授業配信にアクセスできませんでした。このため、プロジェクトでは地域のおとなを一時的に雇用して、補習授業することを計画しましたが、残念ながら学校などとの合意が得られず、実施には至りませんでした。

一方で、村の中学生や高校生が小学生の家を訪問して、ボランティアで勉強を教えているケースも一部で見られました。ただ、9か月間学校で学べなかったことは、子どもたちの学習に大きく影響していると思われます。

前述の通り1月から学校が再開されましたが、学校での滞在時間を4時間以内とする規制があり、補習授業の実施には至っておらず、代替策を検討中です。

ここまで、支援地の子どもたちと学校の様子をお伝えしました。次回は、村の住民への収入向上支援についてご報告させていただく予定です。

引き続き応援いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

ガーナ担当 赤堀 友希

ガーナの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2021.04.21