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ニュース・お知らせ


2011年1月17日

ゴッドフレッドくん(ガーナ:15歳) ※2010年来日

2010年11月、ACEのNPO法人5周年記念事業の一環として、スマイル・ガーナ プロジェクトを実施しているガーナのアシャンティ州クワベナ・アクワ村から、中学2年生のオティ・ゴッドフレッドくんが来日しました。

およそ10日間の滞在期間中に、東京や大阪でのシンポジウム、子ども交流会のほか、都内や三重県での学校訪問、森永製菓のチョコレート工場見学、参議院議員会館での意見交換会など、多くの場で児童労働をしていた自分の経験を話してくれました。

2年前までまともに学校に通うことができなかったゴッドフレッドくん。以前は、人前で話すこともまったくできなかったそうですが、どこへ行ってもとても堂々と話をしてくれました。ゴッドフレッドくんが日本の私たちに話してくれたことをご紹介します。

事業詳細 >> 特定非営利活動法人ACE NPO法人化5周年・認定NPO法人化 記念事業


オティ・ゴッドフレッドくん
 
 

「ぼくの名前は、オティ・ゴッドフレッドです。三人兄妹の長男で、弟と妹がひとりずついます。ガーナのアシャンティ州アチュマ・ンプニュア郡にあるクワベナ・アクワ村の出身です。1995年生まれの15歳です。

ぼくの家はカカオ農家でした。ぼくが7歳の時に父が亡くなりました。そのために9歳の時からカカオ畑で働き始めました。7歳の時に小学校に入学しま したが、ほとんど行けず、学用品などを何も持っていなかったので、学校があまり好きではありませんでした。母も字の読み書きはできませんでした。貧しい母 がたった一人でぼくたち兄妹を養うために働いていたので申し訳ないと思い、ぼくの弟妹たちも学校に行っていませんでした。

その後、同じ村に住む祖父母が、ぼくを養子として迎えてくれました。それで学校に通えるようになると思ったのですが、実際はもっと厳しい状況になりました。祖父母の農園で働きながら、自分の学用品を買うお金を稼ぐために、他の農園でも働きました。

ガーナから来日したゴッドフレッドくん

ガーナから来日したオティ・ゴッドフレッドくん

 

カカオ農園での仕事はとても骨が折れます。朝は、誰よりも早く、5時から農園へ行き、カカオの実を収穫しました。収穫したカカオの実を一箇所に集め たり、カカオの実を農園から家まで運んだり、本当に大変な仕事です。おとなたちはぼくよりもずっとあと、10時ごろに農園にきて、ぼくよりも先に仕事を終 えて帰っていきました。朝ごはんを食べられなかったので、お腹が空くとカカオの果実を食べて空腹をまぎらわしていました。

カカオは頭に乗せて運びます。とても重くて、頭から首、背中、腰、脚まで全身が痛くなりました。道の溝に足がはまって、足の骨を折ることもありま す。毒をもったヘビやサソリにかまれて亡くなる人もいます。カカオ農園での仕事は作業が大変なだけでなく、危険がたくさんあります。

まるで強制労働のようでした。しかし、ぼくには家族を支えるために仕事をする以外に他に選択肢がなかったのです。病気になったりしても、農園に働き にいかなければ、ごはんを食べさせてもらえなかったり、外で寝させられたり、体罰を受けたりしました。疲れたとか、休みたいと思っても、それを口に出すこ とさえできませんでした。ほかの子どもたちが学校へ通っているのに、自分は働かなければならないことを、とても悲しく思っていました。

赤い手形は「子ども兵士反対」の意思表示
「子ども兵士反対」の意思表示をする授業にも参加
 

さいわい、ぼくが暮らしているクワベナ・アクワ村は、ACEによってスマイル・ガーナ プロジェクトが実施されるようになりました。この活動によって、親や住民が児童労働の悪影響や教育の重要性について知るようになり、意識が変わりました。 親は子どもを働かせるのではなく、学校に行かせるようになりました。ぼくの祖父母も考え方が変わり、ぼくも毎日学校に通えるようになりました。

スマイル・ガーナ プロジェクトでは、子ども権利クラブという、子どもたち自身が話し合い、物事を決める場ができました。そのクラブでぼくたちは、子どもには子どもの権利が あって、自分たちに必要なことを要求できることを学びました。例えば、学校に壁がなくて、雨が降ると授業ができなかったのですが、今では壁ができて学べる ようになりました。それから先生の数も足りなかったのですが増えました。

私はスマイル・ガーナ プロジェクトがクワベナ・アクワ村に来てくれて、子どもたちが毎日学校へ行くことができるようになって、うれしいです。もうクワベナ・アクワ村には児童労 働している子どもたちはいません。ぼく自身も毎日学校へ通い、中学2年生になりました。最後の期末試験では一番を取りました。今は学校が大好きです。

シンポジウムで講演するゴッドフレッドくん

シンポジウムで自らの経験を語るゴッドフレッド

 

ぼくの将来の夢は医者になることです。幼い頃から村でたくさんの問題があることを見てきました。カカオ農園はとても遠くにあるので、ヘビやサソリに かまれたりして、病院にたどり着く前に人が亡くなってしまったり、妊婦さんが赤ちゃんを産む前に亡くなったり、悲しい思いをしてきました。だから自分が医 者になって村の人たちを助けたい、そう思っています。

スマイル・ガーナ プロジェクトがなかったら、ぼくは今でもカカオ農園で働いていたと思います。学校に行けることもなかったと思います。だからぼくはスマイル・ガーナ プロジェクト、ACE、そして日本のみなさんに心から感謝しています。でも、まだガーナのほかの村では、子どもたちがカカオ農園で働いています。他の村の 子どもたちも労働ではなく、学校に通えるよう、ぜひとも今後ともスマイル・ガーナ プロジェクトを応援してください。」

三重県五十鈴中学校の生徒たち
日本の中学生たちとの集合写真
 
 

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ACEが支援してきた「子どものエピソード」

  1. エバンスくん(ガーナ:14歳)
  2. カビタちゃん(インド:11歳)
  3. マンジュちゃん(インド:13歳)、プジャちゃん(17歳)
  4. プリンシラちゃん(ガーナ:12歳)
  5. エマヌエルくん(ガーナ:11歳)、ステファンくん(14歳)
  6. ジェイラクシュミちゃん(インド:13歳)
  7. ソニアさん(インド:15歳)
  8. バービーちゃん(インド:12歳)
  9. ゴッドフレッドくん(ガーナ:15歳)