書籍「ビジネスと人権―国際人権からみた規範の形成・実施のダイナミズム」
2026年4月30日(木)に日本評論社より刊行される本書は、国際人権法の視点から「ビジネスと人権」を多角的に分析した、日本でも数少ない本格的な学術書です。
国連「ビジネスと人権に関する指導原則」から15年。「国家の人権保護義務」「企業の人権尊重責任」「救済へのアクセス」を定式化したこの国連原則の影響力は大きく、多くの国で実施のための行動計画が策定され、企業の取り組みの法制化も進むなど、さまざまな展開が進んでいます。児童労働問題についても、「ビジネスと人権」を背景に高い関心を持つ企業、取り組みを強化する企業が増えています。
この間、大阪経済法科大学教授である菅原絵美先生が代表を務める研究会で交わされてきた議論を踏まえて、国際社会・国内社会・当事者という3つの視点から、多角的に分析・検討し、執筆されたのが本書です。日本学術振興会(JSPS)の科学研究費助成事業(科研費)による研究成果として刊行されるもので、国際人権法の視点から、ビジネスと人権をめぐる規範の形成と実施の過程を、同分野を専門とする研究者らが学術的に論じています。
本書は全4部で構成されており、ACE代表・岩附由香は、第Ⅳ部のひとつの章(第3章)を執筆しています。「ビジネスと子どもの権利―児童労働、人権デュー・ディリジェンス法規制等の国際公共政策からの考察」と題し、子どもの権利の視点から捉えたビジネスと人権や、児童労働に対する具体的な取り組みを紹介しています。
本書の特徴
- 国際人権法・国際政治・企業行動・公共政策など、複数分野の専門家が執筆
- 国際社会の潮流から国内政策、当事者の視点までを一冊で俯瞰
- 企業の人権デュー・ディリジェンスや法規制の動向を体系的に理解できる
- 子どもの権利、女性、LGBTI、障害者、先住民族など、多様な当事者の視点を収録
書籍概要
ビジネスと人権―国際人権からみた規範の形成・実施のダイナミズム
出版社:日本評論社
定 価:5,500円+税
著 者:菅原 絵美、山崎 公士、田中 竜介、川口 智恵、金子 匡良、菅原 真、細田 孝一、松岡 秀紀、川島 聡、近江 美保、谷口 洋幸、岩附 由香、小坂田 裕子
詳細・購入はこちら:https://www.nippyo.co.jp/shop/book/9237.html
構成
第Ⅰ部 「ビジネスと人権」総論
第1章 国際社会 社会における「ビジネスと人権」規範の形成と課題―国連ビジネスと人権に関する指導原則とは何か(菅原絵美)
第2章 「ビジネスと人権」規範の日本における内面化―企業・ステークホルダーの視点から(菅原絵美)
第Ⅱ部 国際社会における「ビジネスと人権」の展開
第1章 国際法による企業活動の規律― 「ビジネスと人権条約」の制定に向けた国連における作業経過と主要論点(山崎公士)
第2章 労働と「ビジネスと人権」―企業に対する行為規範性とILO基準の展開(田中竜介)
第3章 国連の「持続的な平和」における「ビジネスと平和」の統合―BHRとB4Pをめぐって(川口智恵)
第Ⅲ部 国内社会における「ビジネスと人権」の受容
第1章 立憲主義から見た「ビジネスと人権」(金子匡良)
第2章 ビジネスと人権――競争法の視点から(序論)(細田孝一)
第3章 フランスにおける2017年「人権デューディリジェンス法」の成立と展開(菅原 真)
第4章 労働分野に関する地域および国内レベルでの「ビジネスと人権」政策の国際比較―なぜ、取り組みが広がっているのか(菅原絵美・田中竜介)
第5章 日本における「ビジネスと人権」に関する行動計画(NAP)の策定と今後の課題(松岡秀紀)
第Ⅳ部 「ビジネスと人権」に対する当事者別の国際人権法の視点からの問題提起
第1章 ビジネスと「女性の」人権―ジェンダー変革的な「ビジネスと人権」に向けて(近江美保)
第2章 企業向け『LGBTI行動基準』の意義と限界(谷口洋幸)
第3章 ビジネスと子どもの権利―児童労働、人権デューディリジェンス法規制等の国際公共政策からの考察(岩附由香)
第4章 ビジネスと人権における行為規範の揺らぎの一断面―障害者の福祉的就労を中心に(川島 聡)
第5章 東京2020大会木材調達基準における先住民族の権利―森林認証制度の可能性と限界(小坂田裕子)
出版記念イベントについて
2026年2月20日、刊行に先立ち出版記念イベント「ビジネスと人権~政府・企業・ステークホルダーにとっての実効性~」が開催されました。
岩附は、子どもの保護の観点から日本版DBSなどの政策課題や、企業が主体的に人権尊重へ取り組む動きについて発言しました。
イベント開催報告はこちら:https://acejapan.org/info/2026/04/355937
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