企業とNGOとの連携
より大きなインパクトのあるCSRの実現
パラダイムシフトの時代、必要なのはセクターを越えた協働
サプライチェーンには、児童労働、強制労働、人身取引、長時間労働等、解決されるべき様々な人権課題が潜んでおり、地球規模での解決が必要だとして、SDGsでも取り上げられています。いまや企業はサプライチェーン上の人権課題に無関心ではいられません。
企業の社会的責任(CSR)
企業が人権を尊重することは、国際規格ISO26000や国連グローバル・コンパクトなどで明記されているとおり、「企業の社会的責任(CSR)」の重要テーマのひとつです。国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」においては、その責任範囲が「企業活動による影響力の範囲すべて」とされ、人権デュー・ディリジェンスを実行し、人権状況を把握し公表することが、あらゆる企業に求められています。原料生産過程で起きる人権問題も多く、資源の多くを海外の輸入に頼る日本においては、どんな企業も無関係とはいえません。
リスクと企業価値
サプライチェーンの隅々まで人権状況を把握することは容易なことではありません。しかし、ひとたび商品の生産過程に人権侵害の事実が発覚し広く知られることになれば、ブランド価値の毀損につながるだけでなく、売り上げの減少やコストの増加といったネガティブインパクトが発生します。ESG投資がグローバルに拡大する中、投資への影響も避けられません。企業はサプライチェーン上の人権に配慮した活動を行わなければ市場から排除されかねません。日本の製造現場おける、外国人技能実習制度の問題は、米国国務省の人身取引報告書でも課題として指摘されており、海外のサプライチェーンと同様に、国内にも配慮することが重要です。
サステナビリティ
2015年国連で「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されました。地球規模の課題解決において企業の積極的な取り組みが期待されています。早いスピードで変化する不確実な時代において、社会全体のサステナビリティとビジネスのサステナビリティを同時に実現する企業活動が一層求められています。人権課題への対応についても、社会的責任やコストとして捉えるだけでなく、競争力の強化や新たな市場拡大のためのCSV(Created Shared Value)戦略として位置付ける新しい考え方が必要となっています。
ACEはビジネスと人権に関する企業の課題解決をお手伝いし、協働することでより大きな社会的インパクトを生み出し、企業と一緒に持続可能な社会を実現することに貢献します。
最新情報
2019年10月9日
日本規格協会主催「標準化と品質管理全国大会2019」登壇
認証規格を管理する日本規格協会は毎年10月に「産業標準化推進月間事業」として「標準化と品質管理全国大会」を開催しており、2019年度のテーマは「未来を拓く価値創造と標準化‐新時代の品質を考える」でした。この大会に事務局長の白木朋子が招聘され「サステナブル社会の実現に企業ができること~新たな品質としての人権を考える~」のテーマで講演しました。今大会の4つのサブテーマ「標準」「品質(サービス)」「品質(モノ)」「未来づくり」のうち、白木は「未来づくり」の観点から、児童労働撤廃に向けたACEの取組みや最新動向、戦略などについて説明し、これまでACEとはあまり接点がなかった分野で活躍する人たちに向け貴重な情報発信の機会になりました。
2019年3月15日
ルール形成戦略セミナー~社会課題を市場にする方策~ 登壇
JETRO、多摩大学共催でアークヒルズクラブにて行われた「ルール形成戦略セミナー ~社会課題を市場にする方策~」にACE事務局長白木が登壇し、ガーナのカカオ産地で村単位のプロジェクトとして始まった取り組みが、ガーナ政府と連携した国レベルでの制度作りに進展し、さらに世界の貿易ルールを形成し経済合理性を与えることで児童労働をなくしていくことを目指していることを紹介しました。
2019年3月6日
サステナブル・ブランド国際会議2019 登壇
「企業とNGOの連携最前線!児童労働撤廃から世界を変える挑戦」に事務局長の白木朋子がデロイトトーマツコンサルティング合同会社の羽生田慶介氏と一緒に登壇し、企業とNGOがそれぞれの強みを活かしながら、児童労働をしないことが経済合理性につながる世界を作るためのルールを形成する取り組みについて説明。また、「地域を持続可能にする。企業が国際支援で取り組むこと。」にも事務局長白木が登壇し、ガーナのカカオ産地でメーカーや商社と連携を続けることで、支援地産のチャイルドレイバー・フリー(児童労働によらない)のカカオを原料としたチョコレートが市場に広がってきたことを話しました。
コンサルティング・監査
サプライチェーンの人権リスクの特定や工場等の実態調査、調達や人権にかかわる方針策定、CSRレビュー、ステークホルダーダイアログなどニーズに合わせたお手伝いをいたします。