映画『バレンタイン一揆』トークショー報告~藤田志穂さん

映画『バレンタイン一揆』トークショー報告~藤田志穂さん

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藤田志穂さんと電通ソーシャルデザインエンジンの並河さんによるトークショー
藤田志穂さんと映画企画者の並河さん

2013年1月15日(火)、渋谷アップリンクでの映画『バレンタイン一揆』の上映後、ギャルの特性を活かしてマーケットを開拓する文化起業家として活躍されている藤田志穂さんにトークショーに登壇いただきました。

映画館には12人の方が足を運んでくださり、映画を企画された並河進さんから藤田志穂さんにお話しを伺いました。

伝えたいことがうまく伝わらないもどかしさ

藤田さんご自身の活動経験を紹介してくださいました
自身の活動経験を語ってくださった藤田さん

並河さん「藤田さんは『ギャル革命』を掲げ19歳で起業。その後若者が職や農業に関心を持つきっかけを作るため『ノギャルプロジェクト』をスタートさせ、様々な活動をされています。まずは映画の感想を聞かせてください。」

藤田さん「児童労働は聞いたことがあったけど、よく知りませんでした。この映画を通して知れました。当たり前のことの裏の現実も知らないと、と思いました。チョコレートを自分は喜んで食べているのに、(ガーナでは)作る人が食べたことがないなんて感じたことがなかったですね。」

並河さん「農業の問題も児童労働の問題も、若い人たちからすると関係ないと思われがちですが、どうやったら振り向いてもらえるのでしょうか?ノギャルプロジェクトの苦労話などありますか?」

藤田さん「現地に行って分かることがたくさんあった。でもイベントをやって、伝えたいのにうまく伝わらない。思った反応が来なかった時に、チグハグになると自分も感じました。ノギャルプロジェクトでは、若い人に食や農業について関心を持ってもらいたくて『渋谷米』というのを作り、ハチ公前で配ったんです。たくさん人が来てくれたのは良かったけど、もっと伝えたいのに話を聞いてもらえないというもどかしい気持ちがあった。映画でも、まほちゃんは、(フェアトレードチョコレートについて話す時)ガーナに行ってきた時のことも本当は伝えたかったと思うんです。でも予想外の反応になると頭が真っ白になるんですよね。」

関心を持ってもらうためのきっかけが大切、入り口は広く

映画『バレンタイン一揆』を企画した並河さん
映画『バレンタイン一揆』を企画した並河さん

並河さん「関心を持ってもらうには、続けることが大切なんですかね?何がポイントでしょう?」

藤田さん「一般の女の子を畑に連れていくために、影響力のありそうなモデルさんと一緒に行きました。それで反響があればと思って。実際に来た人の100%はモデルに会いたい人たちでした。でも、きっかけが大切で入り口を広くすることが大事だと思います。実際に自分で田植えに来た人は稲刈りにも来てくれたんです。3年目には畑に来てくれた人の100%は農業に興味がある人でした。これも続けてきたことによるものだと思います。」

若い人の変える力を信じる

映画に出演した3人の女の子たちにエールを送る藤田さん
映画に出演した3人の女の子たちにエールを送る藤田さん

並河さん「映画に登場した女の子3人の表情がどんどん変わっていくんですよね。映画上映初日のトークでは、彼女たちは『若い人には世の中を変えていく力がある』って言うんですよ(笑)。まっすぐなんですよね。」

藤田さん「私も若い人の変える力を信じています。古き良きものを大切にしながら新しい可能性を信じて、あきらめない、ということ。人にいろいろ言われることもあるけど、変えられることを信じながら、耐えることも大事だと思います。」

夢を持つということ

映画ポスターと前でACEの支援地区のカカオを使ったチョコを持って記念写真を撮る藤田志穂さん
映画『バレンタイン一揆』のポスター前で記念写真

並河さん「この映画は、児童労働について社会に目を向けるきっかけになればよいと思うんです。映画に出てくるガーナのゴッドフレッドくんの詩は、心をうつんですよね。児童労働をしていたときは未来を選べなかったんだと思います。」

藤田さん「ガーナでは子どもたちの夢がたくさん出てきて、びっくりしました。自分は学校に行きたくなかったし、そう考えるとガーナの子たちに申し訳ないと思いました。日本だったら夢を語るって馬鹿にされそうなことだけど、すごい。」

並河さん「夢を持ってていいんだってことですよね」

藤田さん「そうですよね。日本ではこないだの成人式で、若者が『これから将来のこと考えます』って言ってました。」

並河さん「ガーナのことを見て、日本は何を持っていて、何を持っていないか、というのをお互いに知れる関係になるといいですね」

藤田さん「そうですね」

 

藤田志穂さんご自身のブログでも映画『バレンタイン一揆』を紹介いただきました!

1チョコfor1スマイル♪|藤田志穂オフィシャルブログ Powered by Ameba

 

映画&トークショー参加者の感想

  • 未熟ながら頑張る姿がとても良い。彼女たちの今後の成長が楽しみです。(会社員、50代)
  • 「児童労働」は、日本では聞きなれない言葉で、本当の意味を理解できていなかったと思う。今回の映画で、追体験できたことでより理解でき、今後チョコレート製品を見るたび「このカカオは・・・」と考えるきっかけになると思いました。(ファンドレイザー、30代)
  • 何気なく手にしているものがどうやって生まれたのか再度考えるきっかけになりました。「児童労働」の具体的な内容は知らなかったので、学校へ通えるようになった子どもたちの姿を見て「知る」ことができて良かったです。楽しく発信していけるようにがんばります。(30代)
  • 児童労働の実態についてみることができたこともとても為になりましたが、問題意識を持たない人にどのように伝えるべきか、彼女たちの努力やもどかしい気持ちがリアルで、そこが一番難しいと改めて思い知らされると共に、とても元気になれました。(30代)
  • 児童労働は聞いたことがあったが、実際どのようなものが知らなかったため、とても興味深く見ることができた。児童労働に対する問題、自分たちが何ができるのかと考えることが多かった。フェアトレードは大切で、広く広めていかなければならないと思った。児童労働に対する問題に、どうすれば人が耳を傾けてくれるのか、様々なアイディアを出していくことが大切だと知った。実際の(藤田さんの)渋谷米の例を聞いて、やれないことではないと感じた。(学生、20代)

アップリンクでの映画上映&トークショー予定

毎日トークショーを開催します。ぜひお友達とお誘い合わせの上、映画館までお越しください!

  • 1月12日(土)映画出演者&製作者
  • 1月13日(日)小栗謙一(映画監督・プロデューサー)
  • 1月14日(祝)白木夏子(株式会社HASUNA)※悪天候のため中止
  • 1月15日(火)藤田志穂(文化起業家)
  • 1月16日(水)1チョコfor1スマイル学生サポーターズ
  • 1月17日(木)胤森なお子(People Tree/フェアトレードカンパニー株式会社)
  • 1月18日(金)矢野デイビッド(タレント)
  • 1月19日(土)中島佳織(フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長)
  • 1月20日(日)八木格(森永製菓株式会社)
           竹井 善昭(株式会社ソーシャルプランニング)
  • 1月21日(月)鈴木菜央(greenz.jp発行人/NPO法人グリーンズ代表理事)
  • 1月22日(火)秋山映美(株式会社ラッシュジャパン チャリティ・キャンペーン担当)
  • 1月23日(水)関口詩織(映画『沈黙しない春』出演:大学生)
           藤田琴子(映画『バレンタイン一揆』出演:大学生)
  • 1月24日(木)伊井哲朗(コモンズ投信株式会社代表取締役社長)
  • 1月25日(金)谷崎テトラ(構成作家・音楽家)

アップリンクでの上映&トークゲスト登壇スケジュール詳細

映画『バレンタイン一揆』アップリンク上映&トークショー予定

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2013.01.19