コットンのやさしい気持ち

3/8 今日は国際女性デー 女の子に自信と笑顔を!

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私たちが普段なにげなく使っている綿のタオルや衣服。 その原材料であるコットンが世界で1番多く生産されている国はインドです。

コットンが栽培されるインドの広い畑には、強い日差しが遮るものなく降り注ぎ、立っているだけでもめまいを感じます。

そんな広い畑の中、腰をかがめながら手作業で受粉のための交配作業や、ワタの収穫作業を黙々と行う、日に焼けた顔の人々の姿が見えます。 その険しい表情の中には、まだ幼さが残る女の子たちの顔もあります。

コットン畑で働く子ども

インドでは、コットン生産に48万人もの子どもたちが児童労働者として関わっています。男の子も働いていますが、7~8割が女の子であると言われています。

その理由の1つは、「女の子には教育は必要がない」というおとなたちの考えです。 18歳未満で結婚する児童婚は法律では禁じられていますが、慣習としては根強く村に残っているため、すぐにお嫁にいって家庭に入る女性には教育は不要だと考える親が多くいます。 また、インドでは結婚の時に女性側の家が多額の結婚持参金を用意しなくてはいけないため、そのお金を本人が稼ぐべきと言い聞かされ、学校に行かずに働く女の子たちがいます。

女性差別を問題提起するポスター

女性差別を問題提起するポスター

 

児童労働者ではない学校に通う女の子たちも、朝晩の家事のために学校に遅刻したり、十分に勉強する時間が確保できない状況に直面します。

10代後半になっても、男の子たちは友達同士でバイクに乗って自由に村の外にでかけられるのに、女の子は他の村に住む友達にバスで会いに行く許可を親から得ることもなかなかできません。

女の子たちは、社会からの「女の子としての当たり前」を押し付けられ、どうしたいか、という自分の意思を発することもできない状況にいます。

ACEと現地NGO団体は、インドのコットン生産地域で、義務教育の機会を逃してしまった女の子向けに職業訓練センターを運営し、仕立て屋になるための技術や、読み書きや算数などの基礎学習の指導を行っています。

畑で働いている女の子を職業訓練センターに誘うと、「私にはできない」と返されることもあります。 センターに通うようになっても、小さな声で控えめにしか話すことができなかったり、最初はその女の子がどんな性格なのかもわかりません。

ですが、勉強をするうちに少しずつできることが増えてくると、表情や話し方に変化が起き、新しい技術を習うことにも楽しそうに、意欲的に取り組むようになります。父親や母親からも、自分の思っていることを言ってくるようになったという声が聞こえます。

そして、それまでは見えなかったその人らしさ、もともと持つ魅力が見えてくるようになります。 そんな彼女たちと接していると、学ぶことが自信を生み出していると強く感じます。

訓練を受けた女の子たち

訓練を受けた女の子たち

 

職業訓練センターで学んだ後は、ミシンを使って仕立て屋として安全な環境下で収入を得られるようになります。

生活に必要な収入を自分の力で得られるようになるだけでなく、収入手段を持っていることは将来嫁ぎ先で女性を守ることにもつながります。また、女性は母親になったときに自分の子どもに教育を受けさせようとする傾向が強く、次の世代の教育にもつながります。

女の子たちが少しでも自分らしさや自分のやりたいことを表していけるようにするため、これからも支援を行っていきます。

子ども支援事業インド担当 田柳優子

 

インドの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!

コットン募金

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  • カテゴリー:子ども・若者支援
  • 投稿日:2018.03.08