報道を受けて。その子に、こう声をかけられる社会へ
報道を受けて。その子に、こう声をかけられる社会へ
- 投稿日:2026.06.01
ある出来事の報道が、私たちに問いを投げかけています。
「子どもが助けを求めたとき、社会はどう応えるのか」と。
2026年5月、プロ野球チームの監督による娘への暴行疑いが報じられました。
この中で、一人の子どもが「どうしたらいいかわからない」と悩み、生成AIを通じて調べ、自ら児童相談所につながりました。
その後、警察介入という大きな展開の中で、本人は「意向を聞かれなかった」「驚いた」と語っています。
さらに「殴る・蹴るはなかった」「普段は良い関係だ」という思いも示しており、出来事の受け止めには揺れや複雑さがあることも見えてきます。
※今回のケースは18歳という制度の境界にありますが、子どもの権利条約では18歳未満を子どもとしています。そのため、このケースも子どもの権利の問題として考えたいと思います。
こうした制度の狭間にある若者ほど、声が届きにくくなることがあり、社会としてより丁寧に向き合う必要があります。
この出来事を前に、私たちは立ち止まりたいのです。
家庭の中のことだから。
しつけの範囲だから。
そうやって受け止めてしまっていないでしょうか。
けれど本来、暴力はどこであっても正当化されない権利侵害です。
しつけは子どもを支え育てるもの。
恐怖や力で従わせる体罰とは、本質的に異なります。
もし社会が暴力に目をつぶるなら、
子どもはどうやって「助けて」と言えばいいのでしょうか。
同時に、この出来事はもう一つの大切なことを教えてくれます。
それは、子どもはただ守られる存在ではなく、
考え、迷い、伝えようとする主体であるということです。
子どもの権利条約でも、
・暴力から守られること
・自分の意見を伝えること
・その意見が尊重されること
が大切な権利として位置づけられています。
今回、その子は声をあげました。
関係性への思いや迷いを抱えながらも、
「どうしたらいいか」を外に求めた。
その一歩には、大きな勇気が必要だったはずです。
だからこそ、私たちはまずこう伝えたいのです。
「怖かったよね。よく調べて相談したね。あなたは悪くないよ」
たとえその後に迷いや揺れがあったとしても、
声をあげたという事実の価値は変わりません。
そして、もう一歩踏み込んで考える必要があります。
子どもが声をあげたあと、
その声は十分に聴かれていたのか。
本人の意向は大切にされていたのか。
子どもへの対応は、ただ守るだけではなく、
その思いや考えを丁寧に聴くプロセスそのものが権利保障です。
また、私たちの社会に問われているのは、
「相談してもいい」と思える空気があるかどうかです。
通報や相談は、誰かを責めるためのものではなく、
命と安全を守るための行動です。
ACEは、日本でこうした課題に向き合っています。
【子どもの権利を伝えるワークショップや研修】
私らしさを大切にする子どもの権利ワークショップ、支援者向け子どもの権利研修、講演
【子どもの声が政策に反映されるための提言】
広げよう!子どもの権利条約キャンペーン、児童労働などに関する提言活動
【子ども若者のセーフガーディング(子どもへの虐待などの権利侵害について予防対応する取り組み) の仕組みづくり】
組織向けセーフガーディング(子どもが活動に参加することによって虐待や搾取などの権利侵害が起きないよう組織の責任として予防・対応に取り組むアプローチ)の普及
これらは、
子どもが声をあげても大丈夫な社会、
そして「声をあげてよかった」と思える社会をつくるための取り組みです。
今回の出来事は、
子どもが声をあげられるようになってきたことと、
その声をどう受け止めるかという課題を同時に示しています。
子どもが助けを求めたとき、
安心して受け止められる社会へ。
その子に、
「あなたは悪くない」と伝えられる社会へ。
どうか、この取り組みを支えてください。
あなたのご寄付が、次に声をあげる子どもの「安心」になります。
ACE副代表 成田 由香子
子どもの権利の普及推進のために
応援よろしくお願いします!
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- 投稿日:2026.06.01




