【沖縄便り】静かな教室は、安心できる教室?子どもの権利のメガネで見る教室

【沖縄便り】静かな教室は、安心できる教室?子どもの権利のメガネで見る教室

  • 投稿日:2026.08.24

こんにちは。ACEで沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクトを担当している田柳です。 2026年7月に南城市立大里南小学校で実施した職員向け「子どもの権利の視点で考える対話ワークショップ」についてご報告します。 

「これでいいのかな?」 

子どもたちと関わる中で、そう立ち止まることはないでしょうか。 

1人ひとりの子どもの意見を大切にしたい。でも、クラス全体の学びを考えると、すべての希望を聞くことは難しい。 

今回の研修では、子どもの権利やこども基本法について学ぶだけでなく、先生たち自身が日々の実践で感じている「これでいいのかな?」という葛藤や難しさを持ち寄っていただき、対話しました。 

 

先生から見た教室、子どもから見た教室 

最初のアイスブレイクは子どもの頃の気持ちを思い出す「うきうき・もやもやトーク」。

くじで引いた「夏休み」「運動会」などのお題でグループで話してもらいました。沖縄在住の職員のアドバイスで加えた「台風」のお題が盛り上がったりしているところに沖縄らしさを感じつつ、和やかに研修が始まりました。

グループワークでは、5つの学級の様子を描いた事例を読み、「気になる学級」を一つ選んで、その理由を話し合いました。 

たとえば、子どもたちが自由に立ち歩き、友達同士で活発に学び合っている学級。 

「子ども同士の学び合いが生まれている」と感じる一方で、「遊んでいる子が出てきそう」という心配も出ました。 

反対に、全員が静かに着席し、先生の質問に挙手して答える学級には、「授業がスムーズに進む」と感じるという意見。一方で、「機械的ではないか」「教師主体になっていないか」という声もありました。 

さらに、誰も発言せず、つぶやきもない、とても静かな学級については、「何を考えているかわからない」「子どもの主体性が見えない」「安心しているのか、それとも自信がないのか」という疑問が出ました。 

そこで、もう一つ問いを重ねます。 

「もし自分が子どもなら、『安心して学べる』『自分の意見を言える』『失敗しても大丈夫』と思えるのは、どの学級でしょうか?」 

「先生から見て良い学級」と「子どもにとって安心できる学級」は、同じなのだろうか。 

そんな視点から、先生たちに普段の教室を見つめていただきました。 

 

「本当はこうしたい。でも、実際には難しい」 

子どもの権利や子どもの意見の捉え方などの解説をはさんだ後のグループワークでは、先生たち自身が日々の実践の中で感じている「モヤモヤ」を話していただきました。 

「自分が守って欲しい規律があるけど、それと子どもの権利とのバランスが難しいと感じる。」 

「『やりたい』『やりたくない』という子どもの気持ちを、どこまで受け止めたらいい?わがままにならない?」 

「本当は穏やかに会話して過ごしたい。でも、子どもが自分の想いを乱暴な言葉で表現すると、こちらもつられてしまう」 

一つひとつのエピソードから感じたのは、先生たちが子どものことを考えているからこそ、簡単には答えを出せずにいる様子でした。 

先生の願いもある。 
クラス全体の安心もある。 
一人ひとりの気持ちや意見、権利も尊重したい。 

そのすべてを大切にしようとすると、現場には「どちらが正しい」と簡単には言えない場面がたくさんあります。 

そこで、子どもの権利を「こうすれば正解」という答えではなく、迷ったときに立ち戻るための視点として捉えてみました。 

この対応では、子どものどんな権利が守られているだろう?、おとなから見た『気になる行動』の背景にはどんな思いや困りごとがあるのだろう?というように、子どもの権利の視点で見る「メガネ」をかけることでいつもの出来事が少し違う角度から見えてくる、そんなヒントになったらいいなと思います。 

 

答えではなく、「明日からの一歩」 

最後に、一人ひとりが「学校で子どもの権利を守るためのアクション」を考えました。 

  • とりあえず聞く「どうした?」「なんで?」一緒に考える「どうしたい?」「どうやったらできそう?」
  • 子どもの発言だけでなく行動からも子どもの意見を読み取る!
  • 「自分の考えを言ってもいい」土台づくり 

一方で、「わがままと権利の線引きはどうするのか」「30人規模のクラスで一人ひとりの権利の尊重が難しい」といった問いも残りました。 

研修が終わったあとも、会場の端に用意していた子どもの権利に関する資料を囲みながら、質問したり、意見を交わしたり。研修中に生まれた疑問について、話はなかなか尽きませんでした。 

今回の研修で、すべての「モヤモヤ」が解消されるわけではありません。むしろ対話を通じて新たな問いが生まれたかもしれません。でも、私たちはそこに大きな意味があると考えています。 

私たちにとっても、今回の対話は学校で子どもの権利を大切にするとはどういうことなのかを改めて考える機会になりました。「これでいいのかな?」という問いを持ちながら、子どもとの関わり方を考え続けていくことを私たちも大切にしたいと思います。 

 

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