映画『バレンタイン一揆』トークショー報告~小栗謙一さん

映画『バレンタイン一揆』トークショー報告~小栗謙一さん

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2013年1月13日(日)、渋谷アップリンクでの映画『バレンタイン一揆の上映後、映画監督として活躍されている小栗謙一さんにトークショーにご登壇いただきました。

初日のトークショーに引き続き、34人の方々が劇場まで足を運んでくださいました。2日目のトークショーはACE事務局長の白木から「ドキュメンタリーをつくるということ」をテーマに小栗謙一さんにお話しをお聞きしました。

映画にかぎらず伝えることは難しい

映画監督の小栗謙一さんとACE事務局長白木によるトークショー
映画監督の小栗謙一さんとACE事務局長白木

トークショーの冒頭、小栗監督は「子どもが働くこと自体が悪なのではない」とおっしゃいました。小栗監督自身、同級生が学校に来なくなることを体験して、子どもが学校へ来なくなることを身近に感じたそうです。

小栗さん「アフリカでは、弟や妹を守るために働く子どももいるだろうし、気がついたら気がついたら子どもが労働力として使われている現実がある。人身売買で連れてこられて働いている子どもの実態を撮影することは難しいが、そういう現実が確かにある。「

白木「私たちも生きるために誇りを持って働いている子どもたちにたくさん会ってきました。子どもが働くことがいけないのではなく、搾取されることがダメなんですね。」

企業がなくし、それを消費者が支えていく

森永製菓から発売された支援地区のカカオを使ったダース(ミルク)
森永製菓から発売された支援地区のカカオを使ったダース

小栗さんから「ガーナのカカオ生産地の人たちがチョコレートを知らないことは、搾取する側の陰謀ではないのか」という指摘がありました。先進国から途上国にはいろいろモノが入ってきますが、いままで必要なかったモノを買うための不必要なお金が生まれている実態があります。

映画の中で、子どもたちに将来の夢を聞くシーンがあるのですが、誰一人「農業をやりたい」と言った子はいませんでした。農業はつらくて大変、都市に出た方がよいのではないかという漠然とした幻想があるのかもしれません。

フェアトレードなどを通じて、生産者の暮らしが良くなるよう取引することで、児童労働はなくしていけます。それを実現するには、企業によるモノづくりの活動の中で児童労働をなくす取り組みが必要。それを支えるのは消費者です。作る人のことも考えた商品を選ぶことが大事だと思う人が増えなければいけません。

映画を見て感じたことを伝えてドキュメンタリーを楽しんで

ドキュメンタリーの楽しみ方を教えていただきました
ドキュメンタリーの楽しみ方を教えていただきました

最後に小栗さんからメッセージをいただきました。

1つの映画がいますぐ社会を変えることはできないけど、10年、15年と時間をかけて世の中が変わっていくもの。映画の内容だけでなく、それを見て感じたことや考えたこともぜひ伝えてほしい。そうやってドキュメンタリーを楽しんでください。

ご登壇くださった小栗監督、トークショーにご参加くださったみなさん、まことにありがとうございました!

映画&トークショー参加者の感想

  • 始まってすぐ胸がいっぱいになりました。大切な人におくるチョコに愛があるか?私の大切な人たちみんなに知ってほしいと思いました。映像で観ることで感じたこと、家に持ちかえって、自分の中で整理して、周りに伝えていきたいです。(20代 公務員)
  • イラストのかわいさと、女の子3人の日本の若者らしいノーテンキで、でもマジメで、観ている私たちと一緒に学んでいくかんじがあって、ムズかしく思うことなく観ることができた。(20代 会社員)
  • ことばは知っていたものの、あまり理解できていなかったフェアトレードや農園の現状を知れました。フェアトレードの製品をどんどん買っていきたいですし、広めることもがんばろうとおもえました。(20代 学生)
  • 動き出すと困難に直面しますが、それでも動き出したことがすばらしいと思います。しかも若い世代が動いたことがすばらしい。小栗さん、素敵な方でした。映画で感じたことを伝えていこうと思いました。(30代 高校教師)
  • 自分で経験したこと、想いを日本で伝えることの難しさをとても感じました。私自身も学生の頃に似たような活動をしていたので、社会人になった今でも、積極的に応援したいと改めて思いました(20代 大学職員)
  • 「伝える」ことは難しいですが、周りの人たちとチョコを買ったときや食べたときの「想いを共有する」ということが、小さなようで大きな一歩になるのではないかと思いました。(20代、会社員)
  • 出来ることからという視点に共感しました。フェアトレードのチョコレート、いつもより少し高いけれど、少しのふんぱつが結局企業を、そして社会を動かす投票行動になるということが伝わっていくといいですね。本当を言うと財力を持つ大人を動かすことが重要だと思うのですが、まだまだ道のりは始まったばかりなのでしょうね(20代 コンサルタント)

アップリンクでの映画上映&トークショー予定

毎日トークショーを開催します。ぜひお友達とお誘い合わせの上、映画館までお越しください!

  • 1月12日(土)映画出演者&製作者
  • 1月13日(日)小栗謙一(映画監督・プロデューサー)
  • 1月14日(祝)白木夏子(株式会社HASUNA)※悪天候のため中止
  • 1月15日(火)藤田志穂(文化起業家)
  • 1月16日(水)1チョコfor1スマイル学生サポーターズ
  • 1月17日(木)胤森なお子(People Tree/フェアトレードカンパニー株式会社)
  • 1月18日(金)矢野デイビッド(タレント)
  • 1月19日(土)中島佳織(フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長)
  • 1月20日(日)八木格(森永製菓株式会社)
           竹井 善昭(株式会社ソーシャルプランニング)
  • 1月21日(月)鈴木菜央(greenz.jp発行人/NPO法人グリーンズ代表理事)
  • 1月22日(火)秋山映美(株式会社ラッシュジャパン チャリティ・キャンペーン担当)
  • 1月23日(水)関口詩織(映画『沈黙しない春』出演:大学生)
           藤田琴子(映画『バレンタイン一揆』出演:大学生)
  • 1月24日(木)伊井哲朗(コモンズ投信株式会社代表取締役社長)
  • 1月25日(金)谷崎テトラ(構成作家・音楽家)

アップリンクでの上映&トークゲスト登壇スケジュール詳細

映画『バレンタイン一揆』アップリンク上映&トークショー予定

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2013.01.15