コットンのやさしい気持ち

【インド便り】「まだ結婚したくない」望まない児童婚を訴えた女の子

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こんにちは。2015年2月からACEスタッフの一員になった田柳(タヤナギ)です。いつもACEをご支援いただき、ありがとうございます。「ピース・インド プロジェクト」の進捗確認のため、2015年10月21日からインドに来ています。

現地のパートナーNGO・SPEEDと共に支援を行っているタティクンタ村とマッデラバンダ村での活動も、支援開始から1年半が過ぎ、児童労働をなくし教育を支援するプロジェクトに理解を示し、積極的に関わる村の住民がじょじょに増えてきました。今回は村の女の子に焦点を当て、活動の様子を報告させていただきます。

インド・コットン生産地域で、正規の学校への編入を支援するブリッジスクールに通う子どもたち

妹も労働から解放されるよう職業訓練に取り組む女の子

村では、9月から職業訓練センターの運営が始まりました。学校に行けずにコットン畑などで働き、義務教育年齢を過ぎてしまった女の子たちを対象に、基礎教育を提供したり、ミシンや刺繍の技術を教えたり、仕立ての仕事で生計を立てられるよう支援をしています。職業訓練センターを開設したことにより、労働をやめて基礎教育を受けられるようになった子どもは100人を超えました。

職業訓練センターで学ぶ刺繍の技術を学んでいる女の子たち

職業訓練センターで学ぶ刺繍の技術を学んでいる女の子たち

 

タティクンタ村のサロージャさん(15歳)は、職業訓練センターに通うようになるまで学校に行ったことがなく、コットン畑で働いていました。

「働いていた時は仕事がきつくて頭も痛く、身なりを気にする余裕がなかったので、今考えると自分は汚かった。自由時間もなく、友達もいなかった。今はここにいるみんなが友達。作業中におしゃべりをすることがとても楽しい」

友達とお互いの練習成果を見せ合って、褒め合っているそうです。

職業訓練センターに通うようになったサロージャさん(中央)

職業訓練センターに通うようになったサロージャさん(中央)

 

サロージャさんは4人兄弟で、2人の弟は学校へ通っていますが、1つ年下の妹はまだ畑で働いています。職業訓練センターへ来ることを父親は賛同してくれましたが、母親はまだ完全に許してくれていません。それでもサロージャさんは「自分の変化を見せて、早く妹もここに来られるようにしたい」と言います。引き続き、両親の理解を得られるようサポートを続けます。

「まだ結婚したくない」望まない児童婚を訴えた女の子

マッデラバンダ村で2015年10月25日に開かれた「子どもクラブ」のミーティングに参加してきました。「保健係」「掲示係」などに分かれて活動を行っている子どもたちが、自分たちの役割を共有するミーティングです。

「子どもクラブ」のミーティングに真剣な表情で参加する子どもたち

「子どもクラブ」のミーティングに真剣な表情で参加する子どもたち

 

ミーティングが終わった後、1人の女の子が話しかけてくれました。彼女の名前はベンカタンマさん。村の公立学校に通う13歳で、はにかみ笑顔がかわいい女の子です。

ベンカタンマさんは来月、親に決められた相手と結婚をする予定だと話し始めました。「まだ結婚はしたくない、もっと勉強を続けたい」と話してくれました。

望まない児童婚
18歳未満の子どもが親に強制的に結婚させられてしまう「児童婚」の習慣は法律で禁止されていますが、インドで根強く残っている問題です。安全な出産方法を学ぶ機会を逃し、女性が未熟な体で出産してしまうことで、母親や乳幼児が死亡してしまうリスクがあります。児童婚は子どもから教育の機会を奪う大きな要因のひとつでもあります。

望まない児童婚から子どもたちを守るための方法

村には、日常的に現地パートナーNGOのスタッフが訪れていますが、ベンカタンマさんが結婚することは把握できていませんでした。今回は、ベンカタンマさんが勇気を出して話してくれたおかげで、児童婚を止めるための行動ができました。

ベンカタンマさんの両親には、適齢期になるまで結婚を延期するよう説得し、再発を防止するため本人の希望を確認しました。ベンカタンマさんはまだ勉強したいと希望していたので、村から離れた宿舎制の公立学校への編入を提案し、受け入れ先を探し始めました。

今回、本人が望まない児童婚を止めることができたことはもちろんですが、ベンカタンマさんが子どもの権利を理解し、自分の気持ちや考えを発信する力を持つようになったことを嬉しく感じました。

子どもの労働に頼らず収入を向上させるために畜産ビジネスを支援

村のおとなと、子どもの両方が意識を変えないと、子どもが働いたり、結婚しなければならない状況は変わりません。ACEの支援を通じて「児童労働のない村」となったナガルドーディ村での経験を活かし、今後もタティクンタ村とマッデラバンダ村の住民と協力して、児童労働や児童婚の問題を解決できるよう働きかけていきます。

ブリッジスクールの算数の授業風景

ブリッジスクールでの算数の授業風景

 

2015年11月からは、貧困家庭の親を対象にした畜産ビジネス支援が始まります。親が子どもの労働に頼らず、子どもが教育を受けられるようにするためです。2015年は熱波や雨量不足などの影響で、コットンの収穫量が十分でなく、親が子どもを連れて出稼ぎに行くため、中途退学をしなければいけなくなった子どもが多くいました。

ピース・インド プロジェクト」の活動で1人でも多くの子どもが継続して学校へ通えるよう、ACEへのご支援を通じ、サポートしていただけましたら幸いです。

報告:ACE「コットンのやさしい気持ち」インドプロジェクト担当 田柳 優子

1,000円で子ども1人の給食1カ月分を支援できます

インド・コットン生産地の子どもたちに教育を

インドのコットン生産地域の子どもたちを支援「コットン募金」

インドのコットン生産地域の子どもたちを支援する「コットン募金」にご協力お願いします!子どもたちを危険な労働から守るための活動に活用させていただきます。クレジットカードでいますぐご寄付いただけます。

詳しくはこちら

今後とも、子どもたちへのご関心をお寄せいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

         

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  • カテゴリー:子ども支援
  • 投稿日:2015.11.03

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