コットンのやさしい気持ち

【インド便り】同じ村に住む、同い年の2人のレヌカさん

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こんにちは。子ども・若者支援事業インド担当の田柳です。

インド・テランガナ州のコットン生産地で、子どもの児童労働からの保護と就学、住民による児童労働の予防・撤廃活動の実施を目指す「ピース・インド プロジェクト」を実施しています。

現在活動を行う村ではプロジェクト終了を予定する2019年3月が近づき、多くの子どもたちが学校に通うようになりました。また、近所の子どもが学校に通っているか確認したり、畑で働いている子どもがいれば保護者や雇い主に指摘をする習慣が、多くの住民に定着しています。

ですが、まだ子ども全員が学校に通うようになったわけではありません。村には、学校に行けない理由が「児童労働」ではない子どもたちもいます。

その1人であるレヌカさん(仮名)は、支援する村に住む10歳の女の子です。 2018年8月に私が家庭訪問した時は、父親が持つコットン畑で働いていました。以前は村の学校に通っていましたが約3年前、小学2年生にあたる学年の時に学校に行くことをやめ、昼間おとなと一緒に畑に行くようになるうちに毎日レヌカさんも働くようになってしまいました。

その後プロジェクトが進行する中で、現地スタッフとの話し合いにより、両親はレヌカさんを学校に通わせようと考えるようになりましたが、レヌカさん本人が「学校に行きたくない」と、学校に行くことを拒みます。両親も学校に行ったことがないこともあり、娘を説得することはできなかったようです。安全面から家にレヌカさん1人を置いておくことはできないため、引き続き一緒に畑で働いたり、弟の面倒をみさせていました。

レヌカさんと家族

レヌカさんと家族(2018年8月)

 

時間をかけて少しずつレヌカさんから話を聞かせてもらうと、「学校には行きたくないけど、畑で働くことも大変だからしたくない」ということ、それから、学校に通っていた当時「学校で先生に叩かれた」経験があることがわかってきました。その頃から、学校に通うことをやめてしまったそうです。

その先生はすでに他の学校に転任していましたが、そのことを伝えても学校に対する不安は消えないようでした。

そこで、もともとお互い顔見知りであるという近所に住む、偶然同じ名前のレヌカさんに来てもらい、今の学校の様子を話してもらいました。彼女も以前はコットン畑で働いていましたが、プロジェクトで運営していた補習学校「ブリッジスクール」を経て公立の学校に通うようになっていました。

レヌカさん(左)と、学校に通うようになったレヌカさん(右)

レヌカさん(左)と、学校に通うようになったレヌカさん(右)

 

学校に通うようになったレヌカさんは、今いる先生はみんな優しくて誰も叩いたり子ども自身が悪い時以外は怒ったりしないこと、休み時間に友達と話をしたり、カバディ(インドの国技であるスポーツ)をして遊ぶのが楽しいこと、学校の給食がおいしくて、毎週水曜日はゆで卵が出ることなど、学校のことを教えてくれました。

レヌカさんは、黙ってもう1人のレヌカさんの話を聞いていましたが、最後に、「試しに一緒に学校に行ってみようよ」という誘いに「うん」と答えました。

おとなが学校に行くよう勧められても動かなかったレヌカさんの気持ちが、この時少し動いたようでした。

 

その後、久しぶりに学校を訪れたレヌカさんの学校に行く日数は徐々に増え、今では毎日通学するようになりました。

その間もおとながレヌカさんを促すだけでなく、近所の子どもたちもレヌカさんを朝学校に誘いに来たりしてきました。村で結成した「子どもクラブ」というグループでも、参加する子どもたちは、子ども同士で近所で誰が学校に来ていないのか、どのように学校に誘うのがいいか相談したりしています。

子どもたちから話を聞いていると、このような活動1つひとつが、児童労働のない村や未来につながっていると感じます。

「子どもクラブ」に集まった子どもたち

「子どもクラブ」に集まった子どもたち

 

プロジェクトでは、今後も子どもたちが児童労働から抜け出すだけでなく、安心して毎日を過ごすことができる環境の実現を目指し、活動を続けていきます。

レヌカさんと家族

ACE インド・プロジェクトマネージャー 田柳優子

 

「コットン募金」にご支援をお願いします!

2019年4月からは新しい村でのプロジェクト実施を計画し、現在村の選定調査を行っています。児童労働のない村を地域で広げるため、「ピース・インド プロジェクト」の活動を支える「コットン募金」にご協力をお願いいたします。

インドの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!

コットン募金

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  • カテゴリー:子ども支援
  • 投稿日:2019.01.30

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