沖縄県での活動「沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクト」 | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

活動内容

沖縄県での活動「沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクト」

沖縄県で子どものウェルビーイング向上をめざし、地域単位でその実践の輪を広げる取り組みとして、「沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクト」を2022年から行っています。

NPO法⼈沖縄⻘少年⾃⽴援助センターちゅらゆい、⼀般社団法⼈URUFULL、認定NPO法⼈ACEの3者が協働し、現在は那覇市とうるま市を中心に活動しています。

めざすのは、子ども・若者の「ウェルビーイング」向上

ウェルビーイングとは、心も体も社会的にも満たされた状態をいいます。私たちは、子どもの権利があたりまえに守られていることが、子どものウェルビーイングを高めると考えています。

「うまんちゅ」とは、沖縄の言葉で「みんな」を意味し、子ども・若者の声が大切にされ、ひとりひとりが尊重される社会の実現を、 「うまんちゅ(みんな)」で推進していくことをめざしています。

活動の背景:貧困率の高さと、支援現場からの声

2016年に公表された調査では、沖縄県の子どもの貧困率は29.9%。その割合は全国で最も高く、全国平均の1.8倍であることがわかりました(「沖縄県子どもの貧困実態調査事業・報告書」(2016年3月沖縄県)より)。

子どもの貧困率の高さは児童労働のリスクを高めるということもあり、ACEは沖縄県の子どもに関する情報収集を開始しました。それにより、沖縄県内の子ども支援活動が急速に増えた一方で、支援の現場からは「その支援は、本当に “子どもにとってよい” 支援なのだろうか?」「子どもの権利はきちんと守られているだろうか?」という声が挙がっていることが分かりました。こうした声をきっかけに、子どもの権利の考え方を広めていきたいと2022年よりうまんちゅプロジェクトをスタートしました。

プロジェクトがめざす3つの成果(アウトカム)

  • 子どもの権利の考え方を取り入れた子ども支援方法が沖縄県で広がっている​。
  • 子どもたち自身が子どもの権利の存在を知り、自己理解、自己肯定感を高め、自己を表現し、意見を表明することができるようになる​。
  • 子どもの権利条約・こども基本法に根差した活動が沖縄県内の各地域で活発化し、定常化する​。

活動内容

<おとな向け>子どもの権利実践研修

子どもの権利条約やこども基本法について自分事として理解すること、子どもとのよりよいコミュニケーションを考えること、子どもの権利が守られた社会をつくるための行動を実践していくことを目的とした研修を、子どもに関わるおとなを対象に実施しています。

対象者の例
  • 子ども支援に携わる子どもの居場所などの運営者・スタッフ
  • 行政職員
  • 地域の方 ほか
研修プログラム例
  • ⼦どもの権利条約とこども基本法
  • ⼦どもの権利条例と⾃治体の取り組みについて
  • ⼦どもとのコミュニケーション
  • ⼦どものセーフガーディング
  • わたしのアクション

実施例:【沖縄便り】子どもの権利実践研修「ここからはじめる、子ども支援 ~改めて知っておきたい、子どもの権利と子どもとのコミュニケーションのこと~」

 

<子ども向け>子どもの権利ワークショップ

子ども自身が子どもの権利を知り、自己肯定感を高め、自己表現・意見表明できるようになることを目的にしたワークショップです。日常の出来事を題材にして、「気持ち」とその奥にある「願い(ニーズ)」への気づきを得ながら、子どもの権利について学びます。

これまでうるま市の小学校で実施し、高学年、低学年、特別支援学級・自立支援教室の子どもたちが参加しました。

参加した子どもの感想
  • 子どもの権利があると知って安心する
  • 自由でいいんだよという権利があってうれしかった
先生の感想
  • 自分たちにも権利があることを知ると、力がでてくる感じがする。また、自分の大切なこと(ニーズ)が権利と繋がっていることでより自分ごととして捉えることができたと思う。
  • (授業で使った)こころのコップのワークシートでは、自分の心や気持ちを置き換えて考えることができた。気持ちを言語化することの大切さ、気持ちの言葉の種類を子どもたちは知ることができた。

実施例:【沖縄便り】「自由でいいんだよという権利があってうれしかった」小学校で子どもの権利ワークショップ

 

NVC(共感的コミュニケーション)研修

上記2つの研修・ワークショップでも取り入れている「NVC」(※)を体感し学ぶ研修です。

自分や相手の気持ちとその奥にある大切なこと(願い、ニーズ)を知り共感的なコミュニケーションをとることは、自分や相手をより理解し、子ども同士、子どもとおとな、おとな同士のいずれの場合でもお互いを尊重する助けになります。子どもの声を聴く上でもとても大切だと考えています。

(※)NVC:「共感的コミュニケーション」とも呼ばれています。アメリカの心理学マーシャル・ローゼンバーグ博⼠によって体系化されたコミュニケーション⼿法で、⾃らの内⾯に意識を向けながら、お互いを尊重し、つながりを深める関係性への変容を⽬指します。⽇常⽣活から社会問題、ビジネス、⺠族間紛争など世界中で幅広いジャンルで活⽤されています。

 

うるま市での活動「うるびー」

那覇市とうるま市での活動のうち、うるま市での活動を「うるびー」と名付け、ユースサポーターと共に子どもとおとなの遊び場づくり、子ども・若者とおとなの対話型ワークショップなどの活動を展開しています。

詳しくは冊子「ASOBO」をご覧ください。

【沖縄便り】沖縄県うるま市での活動をまとめた冊子「ASOBO」が完成しました

 

うまんちゅプロジェクトの活動紹介リーフレットはこちら

「沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクト」プロジェクト・研修のご案内


研修やワークショップは沖縄県以外の地域でも講師派遣として実施することが可能です。ご関心がある方は以下からお問い合わせください。

講師派遣の詳細・お問い合わせはこちら:学校/市民向け講師派遣・出前授業


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