インド・コットン生産地の児童労働 | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

コットンのやさしい気持ち

インド・コットン生産地の児童労働

炎天下の中一日中働いている子どもの7~8割が女の子私たちが普段見につけている衣服の代表的な原料の一つ、コットン。世界生産量の約80%がインドや中国、ウズベキスタンなどの発展途上国の人々によって生産されています。中でもインドは世界最大のコットン耕地面積を持ち、コットン生産量世界第2位(約20%)を誇ります。そして同時に、インドのコットンやその種子の生産地で、多くの子どもたちが劣悪な労働条件で働かされています。

わたしたちと見えない糸でつながっているコットン生産地

インドのコットン畑で撮影した綿(コットンボール)コットンがどこで、どのように、誰が作っているかご存知ですか?綿製品は、原料となるコットンの種子とワタの栽培から、製糸、生地づくり、加工・染色、製品化(デザイン・縫製など)など様々なプロセスを経て、私たち消費者のもとへ届くのです。

コットンがほとんど栽培されない日本は、工程のほとんどが海外で行われ、製品化されたモノを輸入しています。綿製品は生産・製造プロセスが複雑かつ複数の国境を超えるため、だれが、どのように関わっているのかを知るのはとても難しいのです。

インドのコットン生産地における問題

多くのコットン生産国では、畑で使用する有害な農薬による土壌劣化や地下水の汚染、健康被害をはじめ、低賃金労働、児童労働の使用などさまざまな問題があります。中でも、コットン生産地での児童労働がとても深刻な状況にあると国際労働機関(ILO)や各国のNGOから多く報告されています。コットン畑で働く子どもたちは学校へ通えず、受粉作業や収穫作業のため長時間働き、おとなよりも安い労働力として使われています。

インドのコットン生産地における児童労働の現状

強い日差しの中、農薬まみれのコットン畑で作業する女の子インドでは、国内外で使用されるコットンの種子が多く栽培されています。そこでは、35万人以上の子どもたちが働いており、その6~7割は女の子と言われています。(出典:2020年、Davuluri Venkateswarlu, Glocal Research)

親の借金を返すため、家計を助けるために働いている子どもがほとんどです。 畑で長時間働かなければならないため、学校に通えず、おとなよりも安い賃金で働いていることもあります。

コットン生産地で児童労働が起きてしまう理由と問題点

どうしてインドのコットン生産地で、子どもたちがこのような過酷な児童労働を強いられているのでしょうか?

問題の背景には、さまざまな問題が複雑に絡み合っています。

  • 【コットン生産地の家庭の問題】親の失業や低い賃金水準による家庭の貧困
  • 【親や地域のおとなの問題】教育の重要性や児童労働に関する認識の不足
  • 【雇用問題】安い労働力として子どもが利用されてしまう
  • 【学校・教育環境】学校や教室、教員の不足
  • 【社会的慣習】女性の社会的地位が低く幼児婚や結婚持参金制度などの慣習のため、女の子への教育機会が充分ではない
  • 【環境・健康面への影響】畑で使われる農薬による健康被害
  • 【政府の取り組み不足】教育の普及や児童労働をなくすための政策が実施されていない

コットン畑で働いた女の子の声「仕事をするのが嫌だった」

農薬で皮膚病にかかった女の子の腕シャンティさん(仮名/13歳)は8歳から5年間、コットンの種子畑で働いていました。賃金は日給30ルピー(約75円)程度。畑で使用される農薬の影響で体が弱って貧血体質になってしまい、手を強く握ることすらできません。親はシャンティさんのために借金をして50,000ルピー(家族の約1年分の収入相当)の治療費を費やし7キロ先の病院まで通わせていますが、それでも回復していません。体調が悪い日は家で寝ていることが多く、時々しか学校へ行けません。(※賃金・年収の金額は2009年当時のもの。)

 

コットン畑で長い時間ずっと働かされた。殺虫剤を直接吸い込んだり、仕事をするのが嫌だった。

インドのコットン生産地で児童労働の実態調査

インド地図(アンドラ・プラデシュ州)ACEは、2007年からインド南部のアンドラ・プラデシュ州にあるコットン種子生産地域で、児童労働の現状について調査しました。子どもたちの教育や健康状態、現地のNGOや国際機関、行政が行っている対策の状況、支援が必要な地域の特定やニーズの確認などを行いました。

調査の結果、現地では児童労働が深刻な状況にあり、改善に向けた取り組みが必要であることがわかりました。そのため、ACEは現地のNGOとともに、2010年からピース・インド プロジェクトを開始しました。

コットン生産地で児童労働をなくすための取り組み

ACEはインドのコットン生産地で児童労働をなくし、子どもの教育を支援する「ピース・インド プロジェクト」を2010年1月から行っています。

1,000円で子どもたちに1年分の学用品を提供

現地のNGOと協力して子どもたちを支援

ACEは現地のNGOと協力して、インドのコットン生産地域で働く子どもたちを危険な労働から守り教育を支援する「ピース・インド プロジェクト」を行っています。

インドでの支援活動「ピース・インド プロジェクト」

日本で子どもを児童労働から守るためにできること

私たちと見えない糸でつながっているインドの人たちが、安心して暮らせるようになるために、日本に住んでいる私たちにもいますぐできることがあります。

オーガニックコットン製品を選らぶ・買う

オーガニックコットンには、地球にも、子どもにもやさしくなければいけないという基準が盛り込まれています。そんなオーガニックコットンの製品を選び、買うことで、商品を作る人たちの労働環境にも配慮している意思を表明することができます。

ACEオリジナルオーガニックコットンのタオルハンカチ

オーガニックコットン100%のタオルハンカチを販売

ACEが販売しているオーガニックコットンのタオルハンカチは、基準が守られているだけでなく、インドのコットン生産地の子どもを支援するための寄付にもなります。

※おかげさまで、この商品は完売いたしました。

詳しくはこちら

コットン募金でインドの子どもを直接支援

ACEがインドのコットン生産地で行っている「ピース・インド プロジェクト」を実施するため、募金を通じて支援いただくこともできます。忙しく銀行へ振り込みにいけない方も、クレジットカードがあればインターネットを通じて寄付をすることができます。

インドのコットン生産地域の子どもたち

インドのコットン生産地域の子どもたちを支援「コットン募金」

インドのコットン生産地域の子どもたちを支援する「コットン募金」にご協力お願いします!「ピース・インド プロジェクト」を通じて、子どもたちを危険な労働から守るための活動に活用させていただきます。インターネット上でクレジットカードを使っていますぐ寄付ができます。

詳しくはこちら

インドのコットン生産地での活動を企業・法人単位でご支援

ピース・インド プロジェクトの活動を応援してくださる企業・法人を募集しています。ご関心のある方は「お問い合わせフォーム」からお問い合わせください。

グンゼが販売するインナーウェアの売上の一部を寄付いただきました

企業・法人ができること

寄付つき商品の販売(コーズ・リレーテッド・マーケティング)や従業員参加によるマッチング寄付、募金箱の設置、現地プロジェクトへのご寄付など、さまざまな形でACEの活動を応援いただけます。

詳しくはこちら

インドの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!

コットン募金