バングラデシュ:児童労働問題

バングラデシュ:児童労働問題

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バングラデシュ(2010年6月30日)ー バングラデシュの児童が危険で有害な労働に従事していることはたびたび問題となっているが、児童労働に従事している弱い立場に置かれている子どもたちを保護する解決策がない。しかし、現在は警鐘をならすべき段階にきている。

バングラデシュでは産業化が進み、正規および非正規産業部門で児童労働に従事している子どもたちが、この需要にあわせるかのように増加している。

この国では児童労働者数を把握するための調査はされてこなかったが、政府統計局は過去に2002~2003年にかけて「第1回全国児童労働調査(NCLS)」を行い、その結果、児童労働者数は490万人であることが明らかとなった。

その後、政府およびNGOもこの国の児童労働の状況を把握するいかなる調査も行っていないため、最新の統計がない。ある専門家によると「有害・危険な仕事に従事している児童は700万人にのぼる」と推定している。

これらの児童は、主に[1]都市部の工場、[2]運輸、[3]バッテリー・リサイクリング、[4]零細事業所、[5]製靴、[6]家事手伝いなどの仕事に従事している。

国際労働機関(ILO)・在バングラデシュ担当官は、「ILOは2016年までに世界から最悪の形態の児童労働をなくすための計画がある」と述べているが、しかし、このILO目標を達成することは極めて困難と予測されている。

この問題の解決には総合的な対策とアプローチが重要であり、[1]政府、[2]事業関係者、[3]国際諸団体などの協力があって実現されるものである。しかし、「ILO182号条約」に盛り込まれている「最悪の形態の児童労働をなくす」には障害も多く、[1]信頼すべき統計がないこと、[2]中央や地方政府、事業関係者、NGOなどの協力、[3]有害な児童労働とは何かの政府による定義がないことなどが指摘されている。

政府は2010年3月に「全国児童労働政策」を発表しており、この政策が児童労働問題解決のさらなる前進となることを期待されているが、積年の根深いこの問題は政府が主導してあらゆる関係機関や組織、団体などの結集なしにはこの行動計画が無意味なものとなってしまうかもしれない。

出所:国際労働財団(JILAF)メールマガジンNo.39より一部抜粋

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  • カテゴリー:児童労働ニュース
  • 投稿日:2010.07.22