「学校へ行きたくない理由」シャラダちゃん(インド) | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

コットンのやさしい気持ち

「学校へ行きたくない理由」シャラダちゃん(インド)

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インド南部のコットン生産地では、たくさんの子どもたちが低賃金、炎天下での長時間での労働をして、学校へ通うことができません。特に女の子は、畑仕事以外にも水くみや食事の手伝いなど家事労働をして働いている状況が多く見られます。

勉強したいけど学校へ行きたくない理由

ピース・インド プロジェクトで支援しているアンドラ・プラデシュ州(2014年6月~テランガナ州)の村に住むシャラダちゃん(仮名/15歳)は、コットン畑など日雇い労働で働き、家では家事の手伝いをして暮らしていました。両親は日雇労働者で、毎日仕事を探して働いていました。家庭は貧しくても、両親は「シャラダを勉強させたい」と思っていました。

家事労働をしている様子-インド家事労働をしている様子

スタッフと親がブリッジスクールに通うよう説得している様子スタッフと親が学校へ通うよう説得

プロジェクト開始後、スタッフの協力を得て、妹のヴァサンタちゃん(10歳)は、他の村の無料宿舎に入ることができ、近くの学校に通うようになりました。弟のラジュくん(7歳)も、働いていた子どもたちが基礎教育を学べるブリッジスクールに通いはじめ、村の公立学校へ編入することができました。

一方シャラダちゃんは、ブリッジスクールに入学したものの、馴染むことが出来ず、すぐに来なくなってしまいました。なぜ学校へ来なくなったのか尋ねると「恥ずかしい」と答えました。

「年下の子たちと一緒のクラスで勉強するのは恥ずかしい。
 もし同い年の友だちがいるクラスがあれば勉強できるのに。」

教育の機会を失った女の子たちに職業訓練を

インドだけでなく途上国では、小学校へ入学する年齢になっても児童労働などの理由で入学できない子どもたちがたくさんいます。あとから入学しても、年下の子どもたちに混ざって授業を受けることを嫌がって、学校へ来なくなってしまうことが少なくありません。

シャラダちゃんの家にスタッフが何度も訪問し説得しましたが「もう年齢が高くなってしまって勉強できない」と言って働き続けていました。シャラダちゃんは、いつも伏し目がちで、あまり話そうとしてくれず、将来の夢を描くことができず、自ら諦めているような様子でした。

ACEは、ピース・インド プロジェクトを通じて2011年9月から、教育の機会を失った14~17歳の女の子を対象に将来の自立を支援するための基礎教育クラスと、縫製・仕立ての職業訓練を行ってきました。その結果、約20人の女の子たちが朝9時から1時間を基礎教育クラスで勉強し、午後3時まで技術訓練を受けるようになりました。シャラダちゃんは、友達の通う職業訓練センターを見に行き、「これなら自分も通いたい」と思い、通い始めたのです。

職業訓練センターで勉強するシャラダちゃん職業訓練センターで勉強するシャラダちゃん

自分で作ったサリーを着て見せてくれました自分で作ったサリーを着て見せてくれました

教育・職業訓練を通じて子どもたちが自信を持てるように

シャラダちゃんは、職業訓練に参加してから、見違えるほど表情や態度が変わっていました。

「前は勉強するのをあきらめていたけど、今は勉強して、友達もできてとてもうれしい。今まで5人分の服を作って、その人の名前も書いたよ。」

自分で作った服を着て見せてくれ、またまっすぐ人の顔を見て、笑顔で話すようになりました。今は職業訓練を修了して、家で仕立て屋をして収入を得られるようになりました。

「前は畑に出て働くのは大変だったけど、今は家で仕事ができるようになってうれしい。自分でできることがわかり、自信を持てるようになりました。」

家で仕立て屋を始めたシャラダちゃんと両親家で仕立て屋を始めたシャラダちゃんと両親

縫製作業をするシャラダちゃん縫製作業をするシャラダちゃん

 

世界中にいる「そのこ」のことをまずは知ってほしい

児童労働がなくならない一つの原因は、児童労働を知らない人が多いから。だから解決に向けた活動や支援もなかなか広がらない。これを解決するため、詩人 谷川俊太郎さんの詩「そのこ」を10万人に伝えたいと、ACEは「そのこ」の未来キャンペーンをはじめました。

知って、伝えることが、世界の子どもの笑顔につながります。キャンペーンでは「そのこ」を伝えてくれる「アンバサダー」を募集しています。ぜひあなたの身近な人へ「そのこ」を伝えるのにご協力お願いします。

「そのこ」の未来キャンペーン特設ページ

シャラダちゃんのように、親を粘り強く説得することで、教育を受け、イキイキとした表情になれる子どもがまだまだたくさんいます。一人でも多くの子どもたちが笑顔になるよう、ピース・インド プロジェクトへの応援をよろしくお願いいたします!

インドの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!

コットン募金

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  • カテゴリー:子どものエピソード
  • 投稿日:2013.08.06