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【インド便り】住民と子どもたちによる取り組み

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こんにちは。ACEインド・プロジェクトマネージャーの成田です。

前回、136人の子どもが教育を受けられるようになったとご報告しましたが、今回は「住民グループ」と「子どもグループ」による取り組みをご紹介します。

住民グループや子どもグループが活動を開始

2014年4月から活動を始めた2つの村では、約15人の住民によるボランティアグループ「子ども権利保護フォーラム」ができ、畑で働いている子どもたちの見回りや、学校へ通えない子どもの親への説得、定期的に会合を行うようになりました。住民グループと現地のパートナーNGOのスタッフたちが協力して家庭訪問などを行い、働いていた子ども100人が労働をやめブリッジスクールへ通いはじめ、36人が村の公立学校に通うようになりました。

住民グループのメンバー

住民グループ「子ども権利保護フォーラム」のメンバーたち

 

住民グループに参加した住民ボランティアの声

「村には教育を受けられる子どもと、教育を受けられず過酷な状況で働いている子どもがいる。同じ子どもなのになぜこんなに違うのでしょうか。訓練ワークショップに参加して、子どもの問題について学び、またプロジェクトの活動に感銘を受けました。住民グループに参加して改善のために協力したいと思いました」

また実際に活動に参加してみて感じた疑問や要望なども聞くことができました。

  • 親がいない子どもがいますが、どうしたらよいですか?
  • 経済的に貧しい家庭に子どもを学校に通わせるよう説得できますか?
  • 村に縫製・刺繍の訓練センターを開くと聞いたが早く始めてほしい。

などの声を聞き、現地スタッフと一緒に課題解決のための考え方や今後の活動などについて話し合いました。住民がプロジェクトに強い関心を持っていることが伺え、一緒に考え活動していく仲間ができたうれしく思いました。

「子どもクラブ」で子どもたちも活動を開始

各村では、子どもたちのグループ「子どもクラブ」もできました。学校に通う子どもと、児童労働をやめ教育を受けられるようになった子どもたち約30人が参加しています。子どもたち同士で就学を呼びかける活動や、子どもの教育に関するニュース、健康、スポーツや遊び、読書など5つの分野の委員会に分かれて活動を行っています。

村の子どもグループのメンバー

子どもたちからも様々な声を聞くことができました。

  • 「子どもクラブ」の目的は村の子どもがみんな学校に通えるようになること
  • 「子どもクラブ」での活動を通して、学校の問題を解決したい
  • 学校へ通っていない子には、一緒に遊んで友達になってから、学校に行くように誘おうと話し合いました。

「ピース・インド プロジェクト」が子どものための活動であることを喜んでおり、グループ活動に楽しんで参加していることが分かりました。

「子どもクラブ」で話し合う子どもたち

「子どもクラブ」で話し合う子どもたち

 

親の死やネグレストなど山積みの課題

2014年4月から活動をはじめた村では、大きな進展がみられた一方、まだまだ多くの課題があることが分かりました。

コットン畑などで働き義務教育を受けられない子どもが、まだ約100人近くいることが分かりました。子どもたちは、発達段階の未熟な体にも関わらず、長時間炎天下で働き、また散布される農薬の影響で病気にかかるなど健康を害しているケースが多く見られます。

また、親の死、ネグレクト(育児放棄)、収入源がない困窮家庭など、家庭環境が厳しいために親が子どもの労働に頼ってしまうケースが多く、親の経済的・社会的な支援が必要であることも分かりました。

村では、小学校に教員が1人しかおらず、教育環境が整っているとは言えません。そのため、子どもが中途退学して働いてしまうことも多いことが分かっています。

これらの課題に取り組むため、今後2年目には、より多くの子どもの労働から保護し、また支援困窮家庭のための行政支援の活用や、親の収入向上支援、学校環境の改善などの活動を行う予定です。また今後も、出会った子どもとその家族の状況、活動の様子などについて随時報告していきます。

報告:ACE インド・プロジェクトマネージャー 成田 由香子

ピース・インド プロジェクト

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  • カテゴリー:子ども・若者支援
  • 投稿日:2015.03.18