【インド便り】自分の権利を守るために、自分の権利を知る | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

コットンのやさしい気持ち

【インド便り】自分の権利を守るために、自分の権利を知る

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ACEと現地パートナーNGO「SPEED」が実施する「ピース・インド プロジェクト」では、インド・テランガナ州の2つの村で、コットン畑などで働く子どもたちを守り、教育を支援する活動を行っています。

「息子は学校に行かせてもいいけど、娘は…」

以前コットン畑で子どもを働かせている親と話し合いを行っている時に、父親に言われた言葉です。

インドでは、結婚の際に女性側の家が高額の結婚持参金を用意する慣習や、法律で禁じられているにも関わらず18歳未満の女子が親に結婚をさせられる児童婚の問題があります。そのため、すぐに結婚してしまうから女子に教育を受けさせても意味がない、自分の持参金を稼ぐために女子は学校に行かずに働かなくてはいけないという考えを持つ親が多くいます。

そのこともあり畑では、男子より多い人数の女子が働いています。

コットン畑では身体に有害な化学的な農薬や殺虫剤がまかれ、働く子どものほとんどが身体の不調を訴えます。

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そんな状況を変えるため、プロジェクトでは、義務教育年齢の子どもが学校に通えるようになるための活動の他、教育を受けられずに義務教育年齢を過ぎてしまった女子向けに「職業訓練センター」を運営しています。

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学校ではなく「職業訓練センター」であるため通うことを許される女子もいますが、ミシンを使った縫製、刺繍、ペイントなど仕立て屋になるための技術を伝えると共に、現地の公用語であるテルグ語や算数を教え、基礎教育を学べるようにしています。

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訓練を終えた女子にはミシンを渡し、自分の家や将来の嫁ぎ先でも仕立て屋として安全な環境で収入を支えることができるようにしています。

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(
訓練を終え、家で仕立て屋として収入を支えるチッティーさん)

 また、プロジェクトでは女子のグループを結成し、お互いの抱えている悩みを共有できるようにしたり、子どもの権利や保健衛生、母子教育を伝えています。

2017年2月で訓練を終える女の子たちに会ってきました。今回、訓練を始めた9ヶ月前には伏し目がちで、なかなか自分のことも話すことができなかった女の子たちの、大きな変化を感じることができました。

まるで女子高校生のように元気におしゃべりをする彼女たちですが、畑で働いている時は朝から晩までわずかな休みで長時間働かなくてはならず、そういったことも当たり前にできることではありませんでした

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彼女たちに「女性が結婚してもいい年齢は?」という質問をすると、自信満々に「18歳!」という答えが返ってきました。

自分の権利を知らなければ、自分で権利を守ることもできません。

子どもや女性の権利や教育の大切さを知った彼女たちは、将来母親になった時に自分の子どもは学校に通わせる、とも語ってくれました。

これまでに2つの村で80人の女子が職業訓練を終えました。3月からは新しく第3期生がセンターに通い始めます。

冒頭の言葉を発した父親ですが、スタッフの継続的な働きかけと、娘本人が訓練センターに通いたいと訴えたことにより、娘がセンターに通うことを許可してくれました。少しずつですが、村のおとなたちの考えにも変化が起きてきています。

今後も女の子たちが権利を守り、自立して生活ができるよう支援を行っていきます。

子ども支援事業「ピース・インド プロジェクト」担当 
田柳優子 

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インドの子どもたちを笑顔にするために
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コットン募金

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  • カテゴリー:子ども・若者支援
  • 投稿日:2017.03.08