「児童労働反対世界デー」のピース・インド プロジェクト地の様子をお届けします! | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

コットンのやさしい気持ち

「児童労働反対世界デー」のピース・インド プロジェクト地の様子をお届けします!

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みなさん、こんにちは!代表の岩附です。 いつもACEの活動への温かいご支援をいただき、ありがとうございます。

ACEは、インド・テランガナ州のコットン生産がさかんな農村地域で、現地パートナー団体SPEEDとともに、児童労働から子どもを守り教育を支援する「ピース・インド プロジェクト」を行っています。

今回のインド便りは、6月に私が訪問したプロジェクト地の様子をお届けします!

6月12日は児童労働反対世界デー

2023年6月12日、テランガナ州のガドワル県のプロジェクト地を訪問しました。今回の主な目的は、児童労働反対世界デーであるこの日にインドのプロジェクト地と日本を中継でつなぎ、オンラインイベント(*)を通じて日本のみなさんに現地の人たちの生の声を届け、現地を訪問して関係者からお話を聴くこと。ちょうどこの日、テランガナ州知事がガドワル県を訪ねるタイミングと重なり、道路が封鎖されるなどのハプニングもあって辿りつけるのか心配になりましたが、なんとか無事に到着し、村の人たちも温かく迎えてくれました。村の入り口には、大きな看板が立てられています。

村の入り口にかけられた看板(セーフガーディングの観点から、村名は見えないよう加工しています)

ブリッジスクールに集うプロジェクト関係者の様子

 

プロジェクトで運営するブリッジスクール(児童労働から解放された子どもの公立学校への就学を支援する補習学校)には、子どもたち、住民ボランティアメンバー、職業訓練センターの教員、現地パートナー団体SPEEDのスタッフなどが集まり、そこからオンラインで繋いで日本への中継を行いました。

ちょっと緊張気味に、ブリッジスクールや職業訓練校に通っている子どもや、家計向上支援を受けている保護者など、それぞれの方々が話をしてくれたのですが、予定していた人数以上に話したい方が多く、自分の経験を語りたい!という気持ちを感じました。

中継の終盤には、緊張がやわらいできた子どもたちが立ち上がって笑顔を見せてくれたり、大きな声で答えてくれたり、中継を終わらせるのがもったいないほどに和やかな時間となりました。

子どもたちの声をオンラインイベント(*)でお伝えしました

ブリッジスクールの建物は壁で遮られていて、一方がブリッジスクールに、もう一方が職業訓練センターとなっています。

特に15歳以上の女の子たちが、危険な労働に就くかわりに、職業訓練センターで縫製の訓練を受け、基本的なライフスキルを学び、さらに手に職をつけることで将来的にも収入を確保できるようにすることがねらいです。カラフルな布やビーズが整理されて置かれた棚の横には大きめの台があり、採寸などに使われている様子でした。

女の子たちがミシン台で縫っている様子の写真をよく見ていただくと、足を踏みながら動かすタイプのミシンであることがおわかりいただけるかと思います。こうしたミシンはこの職業訓練の終了時に本人に貸し出され、自分で小さなビジネスをはじめることができます。

ミシンに向かって作業をする職業訓練生

 

ブリッジスクールのある場所は、学校の周辺が広場のようになっていて、子どもたちが大縄跳びをして遊んでいました。ACEのキャッチフレーズである、遊ぶ、学ぶ、笑う、そんなあたりまえがあるスペースが、ここでは確保されています。

タイミングをあわせて、ジャンプ!

 

この日は児童労働反対世界デーということで、それを記念したマーチが行われました。村の中を、ドンドンと太鼓をならし注目をあびながら、横断幕を持って歩いていくと「何だろう?」と家から出てくる人も。

ACEは児童労働に反対するグローバルマーチというマーチを行う団体としてはじまったこともあり、以前は日本でもマーチを行っていたのですが、最近はかなりご無沙汰していましたので、久々のマーチ。この様子は、現地の新聞でも取り上げられましたので、児童労働について地域の人たちに考えてもらう広報効果もありました。

ブリッジスクール前からスタート

太鼓を鳴らして知らせます

踊り子の女性たちと踊りながら

みんなで村の中を練り歩きました

 

マーチを終えると、ブリッジスクールにまた戻り、みなでThums up!というインドのコーラを飲んでちょっと休憩したら、もう夕暮れが近くなっていました。今回のプロジェクトは3つの村が対象ですが、このブリッジスクールがあるのはB村で、D村とM村は少し離れています。それぞれの村から通ってくる子どもたちは、一般的な街でみかけるオート(インド版3輪自動車、普通は2-3人乗り)よりも倍以上の人が乗れる大き目のオートにぎゅっと詰めて乗り、手を振りながら帰っていきました。

今回の訪問は短く、イベント中継からのマーチとあわただしかったので、子どもたちとじっくりゆっくり話すことはままならなかったのですが、ブリッジスクールと職業訓練センターの訪問を通じて普段の様子を垣間見ることができました。私自身もテランガナ州のガドワル県を訪ねるのは14年ぶりとなり、私がはじめて来た時にはなかったホテルが出来ていたり、街並みがかなり発展していたり、大きく変化していることを感じました。

この次の日、ガドワル県の労働監督を行っている行政組織を訪れたのですが、この地域では児童労働はかなり減ってきており、テランガナ州の中でも一目置かれているとのこと。そこにはSPEEDをはじめとしたNGOが大きく貢献しているとのことでした。もちろん、まだ問題はなくなっているわけではありませんが、ACEが支援してきたプロジェクトを通じそのような変化が起きたのであれば、私たちが2010年からこの地域で行ってきた活動が実を結んでいると言えるのかもしれません。

代表 岩附 由香

参考

(*)6月12日にインドと日本をつないでオンラインイベントを開催しました。イベントの報告記事はこちらから:
 【開催報告】6/12 児童労働と子どもの権利~児童労働反対世界デーは、ACEと一緒に未来へのアクションを! ~

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2023.07.18