カイラシュ・サティヤルティ氏ドキュメンタリー映画 “The Price of Free” YouTubeで公開中
『The Price of Free』は、ノーベル平和賞受賞者、カイラシュ・サティヤルティ氏がどのように子どもたちを児童労働から救出し、グローバルなムーブメントを起こしたかを追ったドキュメンタリー映画で、2018年サンダンス映画祭において「ドキュメンタリー部門グランプリ」を受賞し、世界中から注目を集めています。
その映画が、現在YouTubeにて無料配信されています!ぜひ、この機会に、学校・職場・地域などで上映会を開催し、児童労働の撤廃に向けて何ができるのかを、あなたの周りの人々と一緒に考える日にしてみませんか?
インターネットに接続でき、YouTubeにアクセスできる環境であれば、どなたでも無料で上映会を開催していただけます。
「The Price of Free」について
映画「The Price of Free」のご視聴はこちらから↓
世界には、1億6000万人の児童労働者がいます。みなさんが毎日飲んでいるコーヒー、毎日使っているスマートフォンなどに、児童労働がかかわっているのです。
この映画は、安価な物への需要が世界的に高まっていることから、低賃金で雇える子どもが「奴隷」のような状況で働かされている現実を教えてくれます。カイラシュさんと仲間たちは、命懸けでこのような子どもたちを救い、リハビリを行っています。
ソヌーという男の子が行方不明になって8か月。お父さんは、毎日帰りを待っています。ソヌーは、故郷から遠く離れたデリーに連れてこられ、工場で働かされていました。カイラシュさんたちがソヌーを救出する様子を隠しカメラを使って撮影したシーンは、心打たれます。
原題:THE PRICE OF FREE
制作:アメリカ
監督:Derek Doneen
上映時間:1時間32分(※日本語字幕付き)
上映会開催のヒント
こんな上映会ができます!
上映会サンプルプラン
① 映画上映(92分)
② 感想共有(10分)
③ 児童労働をなくすためにできること(10分)
世界から児童労働をなくし、1 億人の子どもが安全・安心に暮らし、学校へ通えるように、5つのメッセージをあなたの周りの人に伝えてください!
Child Labour 5×5=児童労働について5つのメッセージを5人に伝えよう!
※映画の背景や内容、また児童労働についてご説明できるACEスタッフを上映会に派遣することもできます。
上映会開催について Q&A
■ どうやって映画を上映するのですか?
映画はYouTubeで無料配信されておりますので、インターネットからご覧いただく形になります。以下のURLよりご覧下さい。
https://acejapan.org/the_price_of_free
■ いつでも上映できますか?
無料配信期間中は、24時間、ご都合のいい時間にいつでも上映できます。
■ 上映会を開催するには、どうしたらいいですか?
上記のURLにアクセスすることでどなたでも上映会を開催していただけます。
■ 暴力的なシーンはありますか?
性描写や極度に暴力的なシーンは含まれていません。一部、子どもを救出するシーンで雇用主がカイラシュさんたちを攻撃するシーンがあります。
■ 日本語字幕はついていますか?
はい、日本語字幕はついています。YouTubeの字幕設定で日本語字幕を選択してください。
YouTubeでの字幕設定方法については下記のファイルをご参照ください。
YouTubeでの字幕設定方法
■参加費をとってもいいのですか?
今回は、多くの子ども・若者に観ていただきたいため、映画を無料で公開しています。無料で借りられる会場などを探して、参加費はとらないようにお願いします。
これまでに上映会を実施していただいた団体
・湘南学園中学校高等学校(神奈川県)
・広島文教女子大学(広島県)
・横浜商業高等学校(神奈川県)
・カサコ/casaco (神奈川県)
・独立行政法人 国際協力機構(JICA)
映画を観て「何かしたい!」と思ったら
■ 100ミリオン・キャンペーンに参加して、世界を変えよう!
この映画の中でカイラシュさんも紹介している「100ミリオン・キャンペーン」にぜひ参加してください!「100ミリオン・キャンペーン」は、「世界の子ども・若者に『自由』『安全』『教育を!』をスローガンに、子どもが安全・安心に暮らし、学校へ通えるような世界を創るためにアクションを起こそうという世界的なキャンペーンです。1億人の子ども・若者(13歳~25歳)が、社会から疎外された1億人の子どものために立ち上がり、社会を変革するための活動を行います。
■児童労働について5つのメッセージを5人に伝えよう!
100ミリオン・キャンペーンの日本事務局を務めるACEは、このキャンペーンの一環として「Child Labour 5×5」という活動を日本で始めました。世界から児童労働をなくし、1 億人の子どもが安全・安心に暮らし、学校へ通えるように、児童労働について5つのメッセージをあなたの周りの5人に伝えましょう!
■ 私たちにできること
私たちにできることには、上記以外にもさまざまなアクションがあります。あなたの関心やライフスタイルに合わせて、ぜひはじめの一歩を踏み出してみてください。
続々と感動の声が届いています!
- 今まで知らなかった生々しい映像はとてもショッキングでした。
- 自分たちも間接的に児童労働にかかわっていることを知り、驚いた。
- 児童労働はチョコレートやコーヒーなどというイメージを勝手にもっていたのですが、それより何倍も過酷な状況で驚きました。
- このビデオを周りの人たちにも伝えて、まずは我われ一人ひとりの意識を変えていきたい。
- 子どもの時間をとても過酷な労働で過ごすというのはとても辛いことだと思います。また、子どもが親の元へ戻っても辛い生活であったり、決して幸せになれないという事も悲しいことだと思います。今日学んだことや衝撃を受けたことを学校の人にたくさん伝えたいと思います。
- とてもとても、言葉にし難い感情がわき上がり、複雑な心境です。誰もがこの世に分け隔てなく、誕生してきたいのちなのに、遊びも学びもパンも希望も無い日々をうつろに身体を壊して生きている現実に慄然としました。これは大人の生み出した状況であり、様々な事が複雑にからまりあっており、一筋縄では行かない課題、にもかかわらず、カイラシュさんはいのちをかけて、とりくんでいる、終わりの無い闘いを挫折することなく、希望を持ってすすめている、ありがたいです。このことを胸に刻む事はまずはとても大きなことでした。子どもの権利条約を絵に描いた餅にせず、食べられる餅として子どもたちの眩しく輝く笑顔と希望と誰もがなりたいものになれる可能性を信じて努力していける世界であれかしと日々祈ります。
映画を観たみなさんからのご質問にお答えします!
■ 児童労働から保護された子どもたちについて
Q:アシュラムには男の子ばかりでしたが、女の子のアシュラムもあるのかな?
Q:保護の後の経済的支援や教育はどうなっているのか気になった。
A:児童労働を強いられていた子どもたちが、カイラシュさんたちに救出されて「アシュラム」という保護施設で過ごし、それぞれ家族の元に帰ります。同じ敷地内の別の建物に女の子のアシュラムもあります。
親が見つからない、家に戻ったが学校に通っていない、などの場合は、子どもたちが長期間生活し、学校に通ったり、職業訓練を受けられる施設が別の場所にあります。BBA (Bachpan Bachao Andolan)は、子どもたちが家に帰った後も、親や子どもと連絡をとって、就学状況や家庭状況を確認しています。親に対して経済的な支援は特に行っていませんが、子どもたちが学校で学べるようにすることで、貧困のサイクルを断ち切れることになるのではないでしょうか。
■ 子どもを雇っている人たちについて
Q:リクルーターは、重罪扱いにするとか、方法はないのだろうか。
A:貧しい村の貧しい親たちに話をもちかけ、子どもたちを工場などに斡旋する人がいます。インドでは2018年に「人身取引防止法」が連邦議会下院を通過しました。しかし、まだ不十分な点があるとBBAは指摘しています。
参考:BBAのウェブサイトより
■ 児童労働がない製品の見分け方について
Q:消費者として、児童労働にかかわっていない製品を選ぶというのがとても大切だと思いましたが、現実的にどう選ぶのかが難しく、そこが課題だと思いました。
A:フェアトレードラベルがついている製品を選びましょう。子どもを使用していないという基準が含まれています。
また、日本語版がないのですが、米国労働省国際労働局がスマートフォン用アプリ「Sweat & Toil」(汗と労苦)をつくりました。国・地域、産品ごとに分析した人権リスク情報を提供するツールで、150か国以上において児童労働と強制労働に関して調査した1000ページ以上の研究成果が、スマートフォンで簡単に見ることができます。
そこには、「児童労働・強制労働によって生産された商品リスト」が含まれていて、76か国における148品目が掲載されています。一度ご覧になってはいかがでしょうか。
カイラシュ・サティヤルティ氏について
カイラシュ・サティヤルティ(Kailash Satyarthi)
-「カイラシュ・サティヤルティ子ども財団」創設者
-「児童労働に反対するグローバルマーチ」名誉代表
– 2014年ノーベル平和賞受賞者
カイラシュさんは、約40年にわたって子どもの権利のために活動しています。これまでに過酷な労働から解放した子どもの数は8万7000人以上になります。「子ども・若者への抑圧に対して、およびすべての子どもに教育の権利を保障するための闘い」についての功績が認められ、2014年にノーベル平和賞を受賞しました。その後、カイラシュ・サティヤルティ子ども財団を創設し、「すべての子どもが子どもらしく生きる」ための活動を展開しています。児童労働に反対するグローバルマーチ、教育のためのグローバル・キャンペーン、 グッド・ウィーブ インターナショナルの創始者でもあります。
お申込・お問合せ
認定NPO法人ACE(エース)
TEL:03-3835-7555
Email: study%acejapan.org (%を@に変えて送ってください)