コットンのやさしい気持ち

【インド便り】村の未来を大きく変える、地道な活動

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インド南部のテランガナ州では日中、強い日差しが降り注いでいます。白い砂利がまぶしい道が続くタティクンタ村。その先の、村の少し外れに建つ家に11歳の女の子、バーギャラクシュミさんは住んでいます。

バーギャラクシュミさんは約5年前の小学校1年生の時に数日間だけ学校に通った後、両親に「もう学校に行くのはやめなさい」と言われ、畑に連れていかれるようになりました。彼女がどうしたいかは聞かれず、幼いバーギャラクシュミさんはただそれに従ったそうです。それ以降は学校に行ったり友達と遊んだりせずに、刺すような日差しの中、毎日小さな手で畑でコットンやとうがらしを栽培していました。

コットン畑の様子

コットン畑の様子

 

その一方、お兄さんであるティルマレシュさん (16歳) は、村の外の私立の学校に通っていました。公立の義務教育の学校では制服や教科書が無償で配布されますが、私立の学校は学費や学用品などに多額のお金が必要となります。実は、バーギャラクシュミさんはその学費の工面のためにも学校をやめ、働き始めていたのでした。兄を公立学校に通わせることを選んでいれば、妹も公立学校に通わせることができたかもしれませんが、両親の意向は「男子には良い教育を。女子には教育は不要。」というものでした。

ですが、バーギャラクシュミさんの両親を責めることはできません。お母さんは12歳の時に結婚してこの村に嫁いできたそうです。これまでも児童労働や幼い年齢で結婚させれる児童婚が慣習として行われてきました。しかし、そのために子どもが健康な身体を失ったり、勉強をする機会を逃し、次の世代へ貧困が受け継がれていく負の連鎖が続いてきました。

 

住民の意識を変えるための活動 ①啓発活動

ACEと現地NGOのSPEEDが実施している「ピース・インド プロジェクト」では、そうした住民の考えを変えるために、毎日地道に家庭訪問や畑訪問をし、話し合いを行う啓発活動を行っています。活動が終了して村から撤退した後も村の住民だけで児童労働が起きないようにしていくためには、住民の意識が変わってなくてはいけません。時間をかけて、児童労働をなくす活動に賛同して行動を起こす住民を増やすことは簡単なことではありませんが、そうでないと将来につながりません。

 

住民の意識を変えるための活動 ②補習学校の運営

啓発活動以外に、公立の学校に編入するための基礎学力をつける補習学校「ブリッジスクール」を運営しています。そこに通い始めた子どもの表情や行動の変化を見て、教育の意味、重要性を体感し、意識を変える住民が少なくありません。意識が変わった住民が協力者となり、子どもを雇わないように、学校に通わせるように働きかけを別の住民に行うようになります。こうした地道な働きかけを村全体に広げています。

ブリッジスクールに通っていた頃のバーギャラクシュミさん

ブリッジスクールに通っていた頃のバーギャラクシュミさん

 

学校に行けるようになったバーギャラクシュミさん

バーギャラクシュミさんも、両親とスタッフの繰り返しの話し合いの末、ブリッジスクールに通うようになりました。今まで勉強できなかった分を取り戻すため一生懸命勉強をして、2017年6月から公立の学校に編入しました。

バーギャラクシュミさんは

今は、お父さんとお母さんが学校に行くことを応援してくれるのが嬉しい。 もっと勉強して、学校に通い続けます。

力強いまなざしで、こう話してくれました。

 

現在のバーギャラクシュミさんと家族

現在のバーギャラクシュミさんと家族

 

バーギャラクシュミさんの子どもたちの世代には、子どもが学校に行っていることが普通のことになるように。活動4年目のタティクンタ村では、村の住民たちと一緒にそんな未来を目指して活動を行っています。

 

子ども支援事業インド担当 田柳優子

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  • カテゴリー:子ども支援
  • 投稿日:2018.03.26

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