コットンのやさしい気持ち

女の子の教育を阻害する幼児婚や結婚持参金などの慣習

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2010年3月25日~4月7日の期間、ACEスタッフの白木と成田が、プロジェクトを実施しているアンドラ・プラデーシュ州マハブブナガール県の村を訪問しました。これまでの活動を通じて、村にどんな変化があったのか、今後の課題などについてご報告いたします。

157人の学校に通えない子どもたち

ブリッジスクールに通っている子どもたち

ブリッジスクールに通う子どもたち

村の全434世帯を対象に家庭調査を行った結果、157人の子どもが働いていて学校に通っていないことがわかりました。村の学齢期(6~14歳)の子どもは約600人。そのうち、4分の1の子どもたちが学校へ通っていません。村の子どもの4人1人にあたります。

世界全体の児童労働者の割合は、子どもの7人に1人という統計があります。それと比べてもとても高い割合といえます。まだ活動は始まったばかりですが、18人の子どもがプロジェクトが運営するブリッジスクール(正規の学校への入学する橋渡しとして基礎教育を教える学校)に通うようになりました。

 

幼児婚、結婚持参金などで女の子が教育を受けられない

子どもたちが行う仕事は季節によって異なりますが、主にコットン種子や米、トウガラシ、ピーナッツなどの農業労働、家畜の世話、レンガ造りなどの仕事をしています。ACEスタッフが訪問した3月から4月は農閑期で、コットンの栽培もまだ始まってない時期でした。そのため、土地を持たない家族の多くは、子どもも一緒に他の地域へ移住してレンガ造りの仕事をしていることも分かりました。

また、女の子が若い年齢で結婚させられてしまう幼児婚早婚結婚持参金などの慣習があり、男の子と比べて教育を受けられない女の子が多い傾向があります。女の子は家計を助けるため、また親の借金を返すために働いているのです。

ある10歳の女の子の家を訪ねてお父さんと話をしましたが、「娘を働かせたい」「もうすぐ結婚させたい」と言って、娘が学校に通うことをなかなか承諾してくれませんでした。村の慣習の根深さを感じました。幼児婚や結婚持参金はとても難しい問題もありますが、まずは学校に通っていないとわかった157人の子どもたちが学校に行けるように支援し、教育を妨げる村の問題の改善にも取り組んでいきます。

歌や劇などを通じた啓発プログラムを実施

児童労働をなくすため、これまで児童労働の危険性や子どもの教育の重要性を知らせ、子どもの就学を呼びかける取り組みを行ってきました。親や女性自助グループ、若者、子どもとのミーティングを開き、働いている子どもの親への説得などを行っています。

また、村で児童労働をテーマにした歌や劇などを通じて啓発する文化プログラムも実施しています。その結果、住民自身が教育について話し合い、子どもを学校へ通わせるようになるなど、少しずつ教育への意識が高まってきています。

親への啓発ミーティングの様子親への啓発ミーティングの様子
劇による児童労働の啓発プログラム歌、劇、などによる文化プログラム

現地のパートナーNGOのSPEEDと協力してプロジェクトを実施

ACEスタッフとパートナーNGO「SPEED」のスタッフとの集合写真

現地パートナーNGOのSPEEDスタッフと一緒に

ピース・インド プロジェクト」は、現地NGOの「SPEED(スピード)」とパートナー関係を結んで一緒に実施しています。SPEEDのスタッフも難しい問題に直面しながらも、よいチームワークで仕事をしてくれているので、これからが楽しみです。

今後も現地での活動、日本での活動を継続していけるよう、ACEへのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

報告:国際協力事業担当 成田 由香子

 

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  • カテゴリー:子ども・若者支援
  • 投稿日:2010.04.22