公立学校への編入を橋渡しする「ブリッジスクール」に18人が入学
2010年3月25日から4月7日の期間、ACEスタッフの白木と成田がピース・インド プロジェクトを実施しているアンドラプラデーシュ州マハブブナガール県の村を訪問し、村の課題や今後の活動方法などについて現地パートナー団体SPEEDのスタッフと話し合ってきました。
現地での活動は開始したばかりですが、村では住民の教育に関する意識が徐々に高まってきており、少しずつ変化が出てきたことが分かりました。
プロジェクトの活動の一つとして始まった「ブリッジスクール」には、児童労働をやめた子どもたち18人が通うようになりました。
公立学校への編入を目指したブリッジスクールを運営
村のすべての子どもが公立の学校で学べるようになることを目指して活動しています。しかし、働いていた子どもが仕事をやめてすぐ学校に入学しても勉強についていくことが難しいため、基礎的な読み書きや計算などを教え、正規の学校への編入するための橋渡しをするブリッジスクールを運営しています。
村の空き家を借りて開設したブリッジスクールは、3月25日に8人の子どもからスタートし、4月1日までに、6歳から13歳の子ども18人が入学しました。ブリッジスクールでは、学用品や制服、給食なども提供しています。
まだ始まったばかりで、施設など環境が十分整っていない面はありますが、子どもたちが楽しそうに学び、遊び、給食をおいしそうに食べている姿を見ることができました。
ブリッジスクールではすべてが楽しい(ジェイラクシュミちゃん:13歳)
ブリッジスクールに通うようになったジェイラクシュミちゃん(13歳)を紹介します。
ブリッジスクールに通う前は、コットン種子やピーナッツなどを栽培する農家で農業労働者として働いていました。朝10時~夜6時まで働いて、日給は 20~60ルピー(約40~120円)。勉強をしたがっていたジェイラクシュミちゃんは、お母さんからブリッジスクールのことを聞くと、自分の意思で通うようになりました。ジェイラクシュミちゃんは、「(ブリッジスクールでは)すべてが楽しい」と言います。他の子どもたちと勉強やゲームをして楽しそうにしている笑顔がとても印象的でした。
詳しくは:コットン畑で働いていたジェイラクシュミちゃん(インド)
プロジェクトが始まり、教育に関心を持ち始めた親が子どもたちをブリッジスクールに通わせるようになりました。ジェイラクシュミちゃんのように働いていた子どもたちも「勉強したい」と言ってブリッジスクールに通い始めました。しかし、まだ子どもを働かせようとする親も少なくありません。子どもが毎日ブリッジスクールに通えるようなるため、スタッフやプロジェクトに協力する住民が家庭訪問などを継続して、親の説得を続けています。
村の訪問を通じて、さまざまな村の変化や今後の課題が見つかります。引き続き子どもたちが児童労働をやめて、学校へ通えるように活動してまいります。ぜひ、コットン生産地の子どもたちが学校へ通えるように、ACEの活動の応援、よろしくお願いします。
報告:国際協力事業担当 成田 由香子
世界の子どもの笑顔のため、世界を変える小さな一歩を。
- カテゴリー:子ども・若者支援
- 投稿日:2010.04.22