学習しやすく楽しい学校へ | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

コットンのやさしい気持ち

学習しやすく楽しい学校へ

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ACEがインドのコットン生産地域で行っているピース・インド プロジェクトでは、子どもたちが継続して就学できるよう学校の環境改善にも取り組んでいます。

コットン生産地域の教育環境の課題

プロジェクト開始後、子どもや住民、学校、行政関係者が連携して活動するようになり、子どもたちにとって学習しやすく楽しく過ごせる学校づくりが進んできました。

「学校運営委員会」が学校改善に取り組むようになりました

村の公立学校には、学校の運営について話し合う学校運営委員会がもともとありました。ですが、親や住民が学校に関心を持たず、活動に参加しなかったためあまり機能していませんでした。

しかし、ピース・インド プロジェクトを通じて、村で集会などを行い、住民が子どもの教育や学校について関心を持つようになり、学校運営委員会に村長や学校の教員、親、生徒、村長などが参加するようになりました。今では定期的に会合を開いて、子どもの就学、学校施設、教育の質などの問題について話し合い、地域の教育局に対して改善策を要請するなど学校環境の改善に取り組んでいます。

村の公立学校に先生や教室が増えました

学校運営委員会の活動により、村の公立学校には以下のような変化がありました。

  • 中学1年生のクラスが増設されました
    学校には小学1~7年生までしかありませんでしたが、生徒数も増え、約300名の子どもが通っています。
  • 先生3人が新たに加わり合計で7人に
    政府から新たに先生が配属されました。まだ先生の人数は十分とは言えませんが、複数の授業を同時に行わなければならなかった先生たちの負担は以前より軽くなりました。
  • 教室が新たに2つ建設されました
    これまで教室が足らず、屋外で授業をしなければならない学年がありましたが、今は全学年が屋内で勉強できるようになりました。
  • 学校のトイレが修繕されました
    トイレがないため学校に来たがらない女の子たちがいましたが、女の子も使えるようになりました。
  • 机と椅子を購入しました
    周辺地域の有志で寄付を集め、高学年の子どもたちが椅子に座って勉強できるようになりました。
インドの学校の先生たち新たに3人加わり、7人になった先生たち
プロジェクトを通じて新たにできた学校の校舎新しく建設された学校の校舎

現在は、飲料水施設の設置や無償の制服の支給を行政に要請しています。

「子ども委員会」ができて学校生活がさらに充実するようになりました

学校に子ども委員会ができました。図書委員会や保健委員会など6つの委員会があり、各学年の生徒が1名ずつ参加して活動しています。

  • 壁ポスター委員会
    子どもたちが授業で習ったことの絵や教育についてなどの新聞記事の切り抜きを教室の壁に貼っています。
  • 図書委員会
    毎日午後に読書の時間があるため、生徒たちが借りる本の管理をします。
  • 情報委員会
    毎朝朝礼の後、新聞の記事や本などから学んだことを、全生徒に発表します。
  • 保健委員会
    毎朝登校の時に子どもたちが顔を洗ったり歯を磨いてきたか、爪を切っているかなど身なりや日常の保健衛生についてチェックします。
  • ゲーム・スポーツ委員会
    放課後に行うゲームやスポーツを企画してその準備や実施を担当します。子どもたちに一番人気なのは、カバディやココというインドの遊びです。
壁ポスター委員会の子どもたち壁ポスター委員会のメンバー
新しい机と椅子で勉強するインドの子どもたち新しい机と椅子で勉強する子どもたち

子どもたちは、「子ども委員会の活動はとても楽しい。学校をもっと良くしたい」と言っています。子ども自身の活動によって、学校生活が充実し、学習意欲の向上にも役立っているようです。

今後も住民と共に、学校の環境改善に継続的に取り組み、就学した子どもたちが中途退学せず、学校できちんと学び続けられる環境作りを行っていきます。

報告:国際協力事業担当 成田 由香子

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  • カテゴリー:子ども・若者支援
  • 投稿日:2011.12.14