コットンCSRサミット2012開催報告
「コットンの日」である2012年5月10日、秋葉原UDXギャラリー ホールにて、昨年に引き続き2回目の開催となる「コットンCSRサミット」を開催しました。
平日の日中にも関わらず、109人の方にご参加いただきました。綿づくりから服作りまで、コットンに関わる多彩なゲストにご登壇いただき、会場は大いに盛り上がりました。
「コットンCSRサミット2012」開催概要
日時:2012年5月10日(木)13:30~17:30
会場:秋葉原UDXギャラリー ホール
主催:リー・ジャパン株式会社、認定NPO法人ACE
課題提起:人権に関する世界の動きとアパレル業界の社会的責任
近年、ISO26000や国連のラギー報告書など、社会的責任の中で「人権」を重視する傾向が強まっています。その流れをアパレル業界としてどう受け止めるべきか、ACE事務局長の白木から課題提起をさせていただきました。
登壇者発表資料
セッション1 「コットン生産現場の現状とオーガニックコットンの取り組み」
【登壇者】
- 稲垣 貢哉 興和株式會社/Textile Exchange
- 目崎 梓 筑波大学
- 成田 由香子 特定非営利活動法人ACE
- 小桐 登 株式会社トンボ
- 藤澤 徹 天衣無縫
- 白木 朋子 特定非営利活動法人ACE
企業、NGO、学生と、コットンに様々な形で関わっているみなさんからコットン生産の現状や栽培方法と魅力、コットン生産現場における児童労働や農薬の課題、企業の課題への取り組みなどについてお話しいただきました。現在、オーガニックコットンの占める割合が減少しており、今後の方向性として企業や 消費者への再アピールが必要だというお話がありました。中でも、小桐氏からの「買うという行為はある意味“選挙”なのです。みなさんがどういう企業を応援したいか、どういう生活を望むのか、このようなことに気付く人を増やしていきたい」というお話は、消費者でもある多くの参加者の心に響いたのではないでしょうか。会場からも多くの質問が投げかけられ、活発な議論が交わされました。
100人を超える方々にご参加いただきました
休憩中も盛んに意見交換・議論が交わされました
登壇者発表資料
セッション2 「東北コットンプロジェクト」
セッション2登壇者「東北コットンプロジェクト」関係者
- 江良 慶介 株式会社クルック
- 赤坂 芳則 有限会社イーストファームみやぎ
- 小里 司 全国農業協同組合連合会
- 近藤 健一 大正紡績株式会社
- 新山 浩児 株式会社アーバンリサーチ
- 沼田 真親 株式会社ユナイテッドアローズ
- 細川 秀和 リー・ジャパン株式会社
セッション2では、昨年の「コットンCSRサミット2011」をきっかけに始まった「東北コットンプロジェクト」の活動報告をしていただきました。綿作りから紡績、メーカー、小売まで、作り手から売り手まで服作りの全プロセスに関わる方が参加されています。立場の違う方々が同じ目標や同じブランドに向かっているとても新しいビジネスモデルであり、現在56団体が参加しています。
今年の試験栽培では、種まきの時期が遅かったことや台風の影響、収穫時期の気候などの理由から目標の収穫量を達成することができませんでした。今後は課題の解決を目指し、震災の復興と東北地方の農家の方たちの収益および生活の向上を優先事項として活動されていく方針が共有されました。登壇者のみなさんがこのプロジェクトへかける熱い気持ちが伝わってくるセッションとなりました。
登壇者発表資料
セッション3 昨年のパネリストのみなさんからの進捗報告
セッション3登壇者 コットンCSRサミット2011登壇者
- 渡邊 智恵子 株式会社アバンティ
- 児島 永作 株式会社フェリシモ
- 葛西 龍也 株式会社フェリシモ
- 黒田 茂行 豊島株式会社
- 鈴木 美穂 伊藤忠商事株式会社
- 竹内 貴子 株式会社クルック
- 池内 計司 池内タオル株式会社
最後のセッションでは、昨年のコットンCSRサミットにご登壇いただいた方々に活動の進捗報告をいただきました。それぞれの想いをしっかりと形にされていて、渡邊氏からは「東北グランマ仕事作り」、児島氏からは「花咲かお母さんプロジェクト基金」、黒田氏と葛西氏からは「豊島orgabits & Peace By Peace Cotton Project」、鈴木氏・竹内氏からは「PRE ORGANIC COTTON PROGRAM」、池内氏からは「コットンヌーボー2011」の紹介と、様々な活動の報告がありました。今後のみなさんの更なる活躍に期待が膨らみます。
復興支援に取り組む株式会社アバンティの渡邊社長
昨年のサミットに登壇くださったみなさん
登壇者発表資料
当日上映映像(フェリシモ haco.ピースバイピースコットンプロジェクト)
” 2012_JUNE PBP school development report movie
” 2012_JUNE PBP scholarship report movie
閉会後も会場で議論を交わしあう方が多く、懇親会にも多くの方にご参加いただき活発な交流の場となりました。この日のイベントからまた一つ、二つと 素敵なプロジェクトが生まれていくのではないか、という予感を感じさせる1日となりました。 ご登壇いただいたみなさま、参加者のみなさま、ご参加をいただきまことにありがとうございました。
報告:政策提言・ネットワーク担当インターン 梅村 早紀
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- カテゴリー:イベント
- 投稿日:2012.06.05