夏休みの先生向け「消費者教育授業パワーアップ講座」を開催 | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

コットンのやさしい気持ち

夏休みの先生向け「消費者教育授業パワーアップ講座」を開催

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2015年7月31日、東京都江東区のBumB東京スポーツ文化館で、教員を対象に消費者教育授業パワーアップ講座~「このTシャツはどこからくるの?」を開催しました。夏休みに合わせて、小学校から中学、高校、大学まで、消費者教育に関心のある幅広い世代の先生にご参加いただきました。遠いところからは広島県や八丈島からいらっしゃった先生もいて、一日に渡るセミナーの中で先生たちの様々な意見に触れることができました。

イベント概要:消費者教育授業パワーアップ講座~このTシャツはどこからくるの?

消費者教育授業パワーアップ講座

30人以上の先生と教員志望の学生、教育関係者らが参加しました

 

コットン生産地の課題を学ぶワークショップを先生が体験!

午前中は、日本の子ども、消費者、企業等が、生活に身近なコットン製品を通じて「インドのコットン生産現場の児童労働」について考え、問題解決に向けた行動を起こすきっかけをつくることを目的としたACEオリジナルワークショップ教材「このTシャツはどこからくるの?」を先生たちに体験してもらいました!

消費者教育授業パワーアップ講座

ワークショップ「このTシャツはどこからくるの?」でロールプレイゲームをしている様子

消費者教育授業パワーアップ講座

親子で参加してくれた先生もいらっしゃいました

 

参加型のワークショップを通じて、先生たちが意見を交わし合い、「図書館に児童労働の本を置いたり、掲示する」、「教科書のテーマの一つとして児童労働を取り上げてもらう」、「学校でワークショップを行う」などの先生ならではの意見が数多く生まれました。

消費者教育授業パワーアップ講座

ワークショップの最後に「私たちにできること」を考えて発表してもらいました

 

早速、多くの先生がこのワークショップ教材「このTシャツはどこからくるの?」を購入してくださいました。参加された先生に、児童労働と教育の関連性を身近に感じていただけたと思います。

 

「児童労働」と「消費者教育」には深~い関係が

午後はインドのコットン生産地での児童労働の現状とACEの取り組みについて講義を行いました。

インドのコットン生産地域では、有害な農薬が使われ、健康や成長への影響があるにも関わらず、子どもたちは危険な労働を強いられています。そんなインドのコットン生産地でACEが行っている支援活動「ピース・インド プロジェクト」の成果についてご紹介しました。また、コットン生産地での児童労働を生み出さない仕組みづくりを目指した「コットンのやさしい気持ち」プロジェクトについてお伝えし、児童労働をなくすために消費者としてできることをお話しました。

消費者教育授業パワーアップ講座

インドのコットン生産地での児童労働の現状とACEの取り組みを紹介するACE田柳

 

消費者が世界に与える影響力は大きく、ACEの取り組みを紹介しながら消費者教育の重要性を先生たちに考えてもらいました。参加者からは「児童労働のことや農薬のことなどが詳しく知れてよかった」、「児童労働について初めて現状を知った。言葉だけは知っていたが自分たちの生活と関係していることを知ることができた。」などの声がありました。

 

先生たちが考えた消費者教育の授業案とは?

今回、消費者教育授業パワーアップ講座と題し、消費者教育の授業を円滑に進めるためのファシリテーションの方法や、学校で消費者教育を取り入れた実践事例を紹介しました。ファシリテーションってなに?参加型学習ってなに?という疑問から「気づき」を促し、「学び」を「行動」に変えるファシリテーションのために「すべきこと・すべきでないこと」をお伝えしました。

消費者教育授業パワーアップ講座

ファシリテーションや参加型学習について解説している様子

 

小学生から高校生まで、多くの生徒たちが「学び」を「行動」に移した実践例を紹介すると、先生たちは熱心にメモを取られていました。行動を促すための「気づき」の重要性を知っていただけたかと思います。

最後に行ったグループワークでは、小学校、中学校、高校&大学のグループに別れ、生徒たちを巻き込んでどんな「児童労働」を伝えるためにどんな授業ができるのか考えて発表していただきました。さすが先生!と言わんばかり、白熱した議論が展開しました。

消費者教育授業パワーアップ講座

小学校、中学校、高校&大学のグループに分かれ、授業案・アイディアを考えてもらいました

 

「クラスTシャツを作る際にグループ学習をする」、「若者のグリーン・コンシューマー化を目指し、ロールプレイを行う」、「児童労働に詳しい人に講義をしてもらい、学んだことを学習発表会などで広く伝える」などの授業案が出てきました。身近なところから「児童労働」を伝えることができる素晴らしい提案が数多くありました。参加者からは「最後の授業作りを共有するのが最も良かった。もう少し時間が欲しかった」という声もいただきました。

 

「児童労働」をなくすため、身近なところから私たちにできること

現在、世界には1億6800万人、子どもの9人に1人が児童労働をしているといわれています。私たちが普段何気なく使っている身近なモノの中には、そんな子どもたちが関わっていると報告されているものが少なくありません。そんな中、私たち消費者は商品の裏にある背景を知り、世界の人々を思って行動できる消費者になる必要があります。だからこそ、そのような消費者を育成することを目指す消費者教育は重要です。

生産者の暮らしを支えるためのフェアトレード商品はありますが、フェアトレード商品を購入する消費者がいて初めて「支援」につながります。まずは、児童労働をなくすために「フェアトレード商品を選ぶ」ことから始めてみませんか?

消費者教育授業パワーアップ講座

 

消費者教育の授業にぜひ「児童労働」や「子どもの権利」を

今回の消費者教育授業パワーアップ講座に参加された先生に、消費者教育の重要性を再認識していただき、授業に「消費者教育」や「児童労働」を取り入れ、生徒たちが商品を買う時にその背景を意識して買い物ができる消費者が増えることを願っています。消費者教育の授業を行う際にACEオリジナル教材「このTシャツはどこからくるの?」「チョコっと世界をのぞいてみよう!」を使っていただけたら幸いです。みなさま、ご参加ありがとうございました!

報告:ACE イベント・セミナー担当インターン 川口直人

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2015.08.12