Civil 20（C20）開催～世界の市民社会組織からG20への政策提言～

G20サミット（金融・世界経済に関する首脳会合）が、日本で初めて2019年6月に大阪で開催されます。政府間の会議であるG20にあわせて、経済界、市民社会、労働組合、科学者・学会、シンクタンク、女性、若者のグループがそれぞれサミットを開催し、社会の声を届けるために開催国の首脳との対話を行います。

日本の市民社会組織、71団体から構成された「2019 G20サミット市民社会プラットフォーム」は、世界の市民社会組織と連携しながら「C20サミット」を2019年4月21～23日に東京で開催しました。3日間のサミットには、G20の構成国だけでなくアフリカを含む世界39か国から市民社会組織の関係者など300名以上が参加しました。1日目の「東京民主主義フォーラム」および2・3日目の「C20サミット」において、労働・ビジネスと人権、教育、保健、ジェンダー、環境、反腐敗などの世界的な課題について議論しました。

C20サミットを日本で初めて開催するにあたって、ACEは重要な役割を果たしてきました。代表の岩附がC20の議長を務め、前回のG20サミット開催国のアルゼンチンのC20から引き継ぎ、次回の開催国のサウジアラビアへとバトンを渡しました。「2019 G20サミット市民社会プラットフォーム」の事務局と共に、2019年2月に東京での「C20の準備対面会談」開催や政策提言書の作成など、C20のインターナショナル・リーダーたちとミーティングを重ねて、C20サミットの成功に貢献しました。

世界400の市民社会組織が人びとの声をまとめた政策提言書（C20 Policy Pack 2019）は、会議に先立って4月18日に岩附などが安倍晋三内閣総理大臣に手渡しました。「この声をG20に反映してほしい」という要望に対し、「G20で議論すべきことが込められている。大きな目標に向けて共に取り組んでいきたい」と安倍首相はG20サミットへの決意を述べました。

（左から）バレリア・ミラネスC20運営委員（アルゼンチン代表）、岩附由香C20議長、ノウフ・ビント＝ムハンマド・ビン＝アブドゥッラー王女殿下（サウジアラビア代表、次期C20議長）

C20の政策提言書において、ACEは2つの分野で児童労働への取り組みを提言しました。

労働・ビジネス・人権

「G20ハンブルグ・サミット2017」「G20ブエノスアイレス・サミット2018」の首脳宣言、およびブエノスアイレス・サミットでの労働・雇用大臣宣言において合意されたように、児童労働、強制労働、人身取引、現代的奴隷を撤廃するために、貿易と公共調達を含むグローバル・サプライチェーンにおける透明性とビジネスにおける人権順守を促進する具体的な施策を講じること」

教育

「児童労働、強制労働、現代的奴隷から子どもを守るための法律などについて、家族、教員、使用者、労働組合など主要なステークホルダーを対象とした啓発を行うこと。また、家庭が子どもの教育を優先するような経済的支援を含む政策を実施すること」

（ACE要約）

ACEは、会期中2つの分科会に登壇もしました。

分科会「子どもに対する暴力」

ACE代表の岩附がモデレーターを務め、「子どもに対するあらゆる暴力を絶対に認めない」と決意を新たにし、行動していくことになりました。

分科会「責任ある企業行動」

ACE事務局長の白木とガーナでのプロジェクトのパートナー団体CRADA（Child Research and Action for Development Agency）のナナ・ブレンポン事務局長が、ガーナにおける児童労働の現状、ACEと企業が連携した取り組み、ガーナ政府による「児童労働フリーゾーン」構築などについて発表しました。ACEはカカオ生産地でのプロジェクト実施の経験をもとに、政府を支援しています。　詳しくはこちら

C20サミットが成功裏に終わり、6月にはG20大阪サミット2019が開催されます。同じく6月には、国連での「ハイレベル政治フォーラム」でSDGs目標8「ディーセントワークと経済成長」（児童労働を含む）が議題の一つとなっており、8月には第7回アフリカ開発会議が横浜で開催されるなど、国際社会に働きかける機会が多くあります。

ACEは引き続き、児童労働への取り組みを強化してもらえるようにアドボカシー活動を続けていきます。皆様のご支援・ご協力をよろしくお願いします。

ACE代表の岩附由香がC20の議長として「Japan Times」に掲載されました！
2019.04.10　Japanese group ACE works to end child labor and foster education across developing world