コットンのやさしい気持ち

【インド便り】コロナ禍でも「インドの子どもたちと交流する」オンラインツアーを開催しました!

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みなさん、こんにちは!インド・プロジェクトマネージャーの森です。いつもACEの活動への温かいご支援をいただき、ありがとうございます。

ACEは、インド・テランガナ州のコットン生産がさかんな農村地域で、現地パートナー団体SPEEDとともに、児童労働から子どもを守り教育を支援する「ピース・インド プロジェクト」を行っています。

今回のインド便りは、今年1月に開催した「ACEインド・オンラインツアー(プロジェクト実施地中継・子どもとの交流)」の様子をお届けしたいと思います!

ツアーの参加者は、ACEが過去に実施したクラウドファンディング等でご寄付をいただいた方々です。当初は、インドへ渡航して活動地を訪問するツアーを想定していました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響でインドへの渡航が難しくなってしまったため、オンラインでの開催としました。村の様子や活動の様子のご紹介のほか、ツアー参加者から村の子どもたちへ直接インタビューを行う時間も設け、オンラインでも子どもたちとも交流できる場となるような企画を検討しました。

過去にACEの活動地を訪問するツアーを開催したことはありましたが、オンラインツアーは初めての試みです。現地パートナー団体のSPEEDとの打ち合わせを何度も重ね、活動地の子どもたちとリハーサルをして、ツアー開始直前まで試行錯誤を重ねて臨みました。

 

オンラインツアーのイメージを高める「事前学習会」を実施

2022年1月7日、ツアー参加者のための事前学習会を開催し、インドの児童労働の現状やピース・インド プロジェクトの説明を行うとともに、子どもたちへのインタビュー内容などを話し合い、オンラインツアー当日に向けてイメージを高めてもらいました。

「事前学習会」でプロジェクトへの理解を深めてもらいます

 

子どもにインタビューを行う際の注意事項などについても説明し、「子どもたちへ聞きたいこと」を考えていただくなど、和やかでありながら活発な意見交換を行うことができました。

 

オンラインツアー当日、子どもたちとの交流

そして迎えた2022年1月30日、オンラインツアー当日。
現地との通信状況やプログラムの進行、子どもたちの様子やSPEEDスタッフとの情報共有など、数えればきりがないほどの不安と期待感に包まれる中、現地のブリッジスクールと中継をつなぐと、元気にスタンバイしている子どもたちの姿がありました。

ブリッジスクール側の様子はこんな感じでした

SPEED代表のラヴィさん(左)を紹介するプロジェクト・コーディネーターのマノハルさん(右)

 

ツアーのプログラムは、SPEEDスタッフの紹介と、ブリッジスクールおよび職業訓練センターの施設紹介から始まります。

SPEEDスタッフが、ブリッジスクールの教室内をぐるっと一周したあと、晴天の屋外へとカメラを向け、校庭と給食室を紹介してくれました。そして、そのままブリッジスクールから徒歩1分ほどの距離にある職業訓練センターまで移動する道中では、現地でSPEEDスタッフと一緒に歩いているような臨場感が生まれていました。

ブリッジスクールの校庭にある給食室

ブリッジスクールから職業訓練センターへの道中に設置された洗面所

職業訓練センターに到着です

職業訓練センターでの時間割

ミシンの練習をしている様子も見せてくれました

 

その後、待ちに待った子どもたちへのインタビューの開始です。
ツアー参加者から一人ずつ、ブリッジスクールの子どもたち、職業訓練センターの子どもたち、SPEEDスタッフへ直接質問を投げかけてもらいます。

インタビューは、日本語から英語、英語からテルグ語へと通訳を交えながら行われました。初めは少し緊張した面持ちの子どもたちでしたが、やさしく語りかける参加者の質問に一生懸命に答え、少しずつ緊張がほぐれたように見えました。

「働いていたときは、どのように感じていましたか?」子どもたちの率直な声

ツアー参加者からの質問と子どもたちの答えの一部を紹介します。

Q: ブリッジスクールの勉強で何が一番楽しいですか?

ブリッジスクールでは、健康的で美しい環境で、遊んだり歌ったりしながら勉強することができてとてもうれしいです。ここでは、先生たちが楽しく教えてくれます。

Q: 働いていたときは、どのように感じていましたか?

両親と一緒にコットン畑で仕事をしていたとき、働くのがとても悲しい日がたくさんありました。コットン畑で作業している間、農薬がまかれ、そのにおいのせいで私はひどい頭痛や腹痛に苦しみました。コットンの手摘み仕事をしていたときは、手と足に皮膚アレルギーがでてしまい、激しい痛みを感じ、働くのがとてもつらかったです。私は、なぜこの仕事をしなければならないのか、誰のためにやらなければならないのか、疑問に思っていました。

Q: 子どもなのに働かなければならない状況について、どのように感じていましたか?

子どもの頃、家族が貧しかったので、両親と一緒にコットン畑に働きに行かなければなりませんでした。コットン畑に行っていると、とても悲しくなりましたが、両親は私を学校に通わせることができなかったため、私はいつも仕事から解放されるのはいつだろうと考えていました。今は、仕立て屋になるトレーニングを受けてとても楽しく学んでいます。

日本のみなさんへの質問の時間も

現地の子どもたちから参加者に対する質問もありました。
「どのような食べ物を食べていますか?」
「日本にどのような産業があるか教えてください」
「日本の教育制度について教えてください」

思いもよらない子どもたちからの質問に、日本の食べ物の種類の豊富さや、製造業やマンガについて、日本の義務教育はお金がかからないことなど、参加者のみなさんからひとつひとつ丁寧に答えてくれました。

ここまであっという間の1時間、名残惜しくも現地との接続は終了となりました。予定通りに進行しないハプニングもありましたが、それも文化や価値観の違いを感じられる醍醐味であったように思います。限られた時間でしたが、参加者のみなさんには、現地の様子を感じながら、存分に楽しんでもらえたのではないかと思います。

「肌感覚の交流ができた」参加者の声

オンラインツアー終了後、参加者のみなさんから感想・コメントをいただきました。その一部をご紹介します。

・「直接、子どもたちやスタッフと話ができたことで、映像や資料では伝わらない肌感覚の交流ができた。」「思っていたよりもみんなが明るい。」

・「職業訓練センターの女の子たちが、小さい子たちよりシャイで控えめな様子に見えたのが、性格なのか思春期だからか、女の子に求められる社会的規範によるものか、教育に触れるまでに時間がかかってしまったためなのか、どれも可能性があるような気がして考えさせられました。」

・「新型コロナウイルス感染症の影響により今回の企画ができたと思いますが、時間や経済的な理由で直接現地を訪問できない支援者のために、オンラインツアーを続けていただけると、もっと大きな反響があるのではないか」

また、「もう少し時間がほしかった」「現地とのやりとりに、より多くの時間をかけてほしかった」といった声もいただきましたので、今後に活かしていきたいと思います。

このような形で、支援者の方々と現地の子どもたちを中継し、インタラクティブな時間を過ごすことができ、プロジェクト担当者としても充実した時間でした。

事前準備に多くの時間を費やしたものの(汗)、このような機会を設けることで、現地の様子や子どもたちの日常を身近に感じてもらい、児童労働やコットン生産における問題や課題を、日常的に頭の片隅に置いてもらえるひとつのきっかけとなるのでは、と実感しました。

企画側の私自身、支援者のみなさんからも、現地の子どもたちからも、とても勇気づけられました。今後また、クラウドファンディングのリターン等としてオンラインツアーを企画したいと思いますので、どうぞお楽しみに!

ご支援くださったみなさま、サポートしてくださったみなさま、本当にありがとうございました!引き続き、ピース・インド プロジェクトへのご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

インド・プロジェクト マネージャー 森

インドの子どもたちを笑顔にするために
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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2022.04.15