なぜACEは「組織のあり方」にもこだわるのか
なぜACEは「組織のあり方」にもこだわるのか
- 投稿日:2026.07.16
こんにちは!ACEで組織開発を担当している山下です。
児童労働をなくし、子どもの権利を守る。ACEが向き合っているのは、そう簡単には変わらない社会の構造です。だからこそ実は、私たちは自分たち自身の「組織のあり方」にも、活動と同じくらい本気で向き合ってきました。
今日は、あまり表に出てこないその歩みを少しご紹介させてください。
2014年、頑張っているのに苦しかった頃
今でこそこうして書いていますが、約10年前のACEは正直、しんどい状態でした。
頑張っているのに達成感が得られない。ひと山超えたと思うと、もう次の山が始まっている。ハードワークが当たり前になり、スタッフ同士の関係もすり減っていく。そんな中で、創業メンバーである代表・岩附と副代表・白木の産休育休が同じ年(2015年)に重なるという転機もありました。
「これまでのやり方を変えなければ」という危機感は全員が抱いていたものの、どうしたらいいのか、答えのないまま壁にぶつかっていた時期です。
「結果」ではなく「関係」から変える
そこで2014〜2015年頃から取り入れ始めたのが、経営学者ピーター・センゲ氏が提唱する「学習する組織」というアプローチでした。これは、目まぐるしい変化の中で、組織自体が自ら学び変化し続ける仕組みです。
ポイントは、成果や行動そのものではなく、見落とされがちな「関係の質」にまず着目したことです。関係が変われば対話が変わり、対話が変われば行動が変わり、行動が変われば結果も変わる。この循環を信じて、私たちはまず「関係」から手をつけました。
そのための共通言語として学んだのが、NVC(非暴力コミュニケーション: 自分の感情やその奥にあるニーズ「本当に大切にしたいこと」に気付き、相手を尊重しながら対話するコミュニケーション手法 )です。感情の奥には必ず「大切にしたいこと(ニーズ)」があり、一見理解しがたい誰かの行動も、実はそのニーズを満たそうとする試みである——そう捉えられるようになったとき、すり減りかけていた一人ひとりの心に、もう一度、火が灯ったように思います。
この研修の最後には、スタッフ一人ひとりが「私は◯◯を大切にする〇〇です」という自分の宣言をつくり、当時の共有ビジョンを紡ぎました。そこにはこんな言葉が残っています。
一人ひとりが「ありたい自分」を生き、多様性を認め合い、「イキイキ」と「信頼」と「愛」がある組織。

NVCのニーズカードを使った対話の様子 (2025年の合宿での様子)
「守る」から「信じる」へ
関係の質の変化に取り組む中で、私たちが次に向き合ったのは、チームの中に潜む「ランク(役職や立場、経験の差などから無意識に生まれる 力の差異)」や、繰り返してしまう思考のパターンでした。役職があってもなくても、これまでの経験や働き方に差があっても、一人ひとりの意見の重みは対等でありたい。そう思うほどに、これを実践することは簡単ではないと実感する日々でもありました。
そして今、コロナ禍を経てフルリモート勤務になったACEが実践しているのがホラクラシー®という組織運営の仕組みです。役職ではなく「目的と責任がセットになった役割(ロール)」を単位に、一人ひとりが自ら判断し、動く。特定の誰かのリーダーシップに依存するのではなく、組織全体のリーダーシップの総量を上げていく—それが今、私たちが目指している姿です。

システム図を使って、起きていることをみんなで眺める
振り返ってみると、この10年でACEの組織は「トップダウンで守り、管理する」ありかたから、「一人ひとりの力を信じ、自ら動くことに委ねる」ありかたへと変わってきました。
そしてこれは、実はACEが子どもに対して向けているまなざしと、同じ構造をしています。子どもを弱い存在として一方的に守るのではなく、子どもが自分の権利を知り、自分の声を持ち、自分の人生を選び、社会を変えていく力を持つ存在として見ること。私たちが自分たちの組織で学んできたことは、そのまま私たちが現場で大切にしている姿勢そのものでした。
自己組織化の道のりは、まだ途中です。次回は、26年7月に開催したばかりの合宿の様子をレポートします。 (対象のレポートはこちら:26年7月 3日間の合宿で、ACEの過去・現在・未来を見つめ直しました)
世界の子どもの笑顔のため、世界を変える小さな一歩を。
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- 投稿日:2026.07.16




