コットンのやさしい気持ち

インド出張報告 「大きく改善された子どもの就学と教育環境」

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こんにちは。ACE国際協力事業インド担当の成田由香子です。

2013年2月14日から3月1日かけてインドを訪問し、コットン生産地で児童労働をなくし子どもの教育を支援するピース・インド プロジェクトの実施地を訪問してきました。

ACEは、2009年からインド南部のアンドラ・プラデシュ州にあるナガルドーディ村で、子どもを危険な児童労働から守り、就学を徹底することを目指し、ピース・インド プロジェクトを始めました。プロジェクトを始める前は、就学年齢の子ども約550人のうち、約3割の子どもたちがコットン畑で働き、学校へ通っていませんでした。炎天下での長時間労働や農薬散布によって、子どもの健康に悪影響がでていることが多くありました。村の公立学校も教室や教員が足りないなど教育環境が整っておらず、親が子どもたちを学校に通わせない理由の一つになっていました。

子どもたちの環境を改善するため、4年間の支援計画を立て、様々な活動を行ってきました。2009年から3年間の活動を通じて、村ではたくさんの変化がありました。

 

約160人の子どもが労働をやめ学校へ通えるようになりました

ピース・インド プロジェクトでは、教育の重要性などに関する集会の開催、家庭訪問による働く子どもの親への説得や家庭環境の改善策の話し合い、プロジェクトで結成された住民グループによる畑の見回り、働いていた子どもが公立学校へ就学できるよう支援する「ブリッジスクール」の運営などを行っています。

ブリッジスクールで勉強する子どもたち

ブリッジスクールで勉強する子どもたち

プロジェクトの結果、約160人の子どもが労働をやめ学校へ通うようになり、児童労働はほぼなくなりつつあります。親が子どもを学校へ通わせるにはどうしたらよいか考えるようになり、出稼ぎに子どもと一緒に村を出るのをやめるようになったり、 政府が運営する無料宿舎から近くの学校へ通えるようにするようになりました。

畑で働く農民に聞くと「子どもではなく、おとなだけで働くようになった」と話してくれました。

学校へ通えるようになったマヘーシュくん(13歳)

マヘーシュくんは一度も学校に通ったことはなく、両親と一緒にコットン畑などで働いていました。コットンの受粉作業などをして、1日にもらえる賃金は100ルピー(約200円)でした。おとなだと賃金は150ルピー(約300円)です。この状況を知った住民グループが親と話し合い、マヘーシュくんはブリッジスクール(基礎的な教育を通じて正規の学校への入学を橋渡しをする学校)へ通えるようになりました。

ブリッジスクールへ通えるようになったマヘーシュくんとお母さん

マヘーシュくんとお母さん

マヘーシュくんはこれまで学校の先生は叩くし、怖いから嫌だと思っていました。でも、ブリッジスクールの先生はとても良く教えてくれ、今では「勉強が楽しい。数学が一番面白い。」と言うようになりました。

「学校の先生になりたいのでブリッジスクールで学力を身につけて(正規の)学校に入ったらもっと勉強したい」と話してくれました。マヘーシュくんの変化に両親も喜んでおり、政府による無料宿舎で勉強させたいと考え、プロジェクトのスタッフが手続きをサポートする予定です。

公立学校の環境が大きく改善されました

学校、住民、行政が連携して、村の学校の改善に取り組んでいます。学校運営委員会では、教員、生徒と親、村のリーダーなどが定期的に集まり、就学状況や学校の改善などについて話し合っています。

公立学校で勉強する子どもたち

公立学校で勉強する子どもたち

学校運営委員会が行政へ要請したことで、1~7年生を対象にした学校の教員が2人から7人に、教室が5つから7つに増え、新しいトイレが4つできました。

これまで親が負担して購入しなければならなった制服の無料支給や、壊れて使えなかった飲料水施設の修理、教員の訓練強化も行われるようになりました。2階建ての校舎も建設中で、教室が2つ増える予定です。さらに8年生のクラスができて、8年生になっても同じ学校で学べるようになりました。

行政へ要請し、自分たちで努力するように

学校建設などカタチのあるモノを支援することが重要なのではなく、学校に関わる人に働きかけ、活動をサポートし、教育政策や行政を活用して取り組むことが大切です。インドの教育政策は、特に農村には十分行き届いていません。学校や住民が行政の仕組みを知り、行政担当者の協力を得れることで、たくさんのことが実現できるということが分かりました。

行政への要請だけでなく、学校や住民自らの努力も見られるようになったことも素晴らしい変化です。校長が有志から資金を集め、全生徒用の机と椅子を整備しました。親も少しずつお金を負担して、制服にネクタイとベルトをつけるようにしました。

驚いたことに、これらの改善が地区の教育局に評価され、パソコン6台が支給されたのです。村では停電が頻繁にあるため、学校と親が有志で資金を集めて発電機を設置したおかげで、パソコン操作の基礎学習や視聴覚教育を行うことができるようになりました。

公立学校に新しく揃えられた赤い机で勉強する子どもたち

新しく揃えられた赤い机で勉強する子どもたち

プロジェクトを始める前のように、教室が足りないから廊下や野外で授業することも、先生が2つ以上の学年に同時に授業を行うことも、生徒が床に座って勉強することもな くなりました。今は全学年に各教室があり、子どもたちは屋内で机と椅子で集中して勉強できるようになりました。

子どもたちは「制服がないから恥ずかしいので学校に来ない」ということはなくなり、立派な制服を着るのを喜んで学校に通っています。 中途退学者の数も減ってきました。

より多くの子どもを守るために

ナガルドーディ村の取り組みは周辺の村の住民にとって、とても良いモデルになりつつあります。今後は周辺地域で支援地域を拡大し、より多くの子どもたちを支援していきたいと考えています。

今回の出張で、周辺の村を訪問しましたが、学校へ通う子どものほぼ全員がコットン畑で働いたことがあり、中途退学や農薬被害などの問題があることが分かりました。これから周辺地域の調査を行い、子どもの状況について把握する活動を計画しています。

ですが、まだまだ支援地を拡大してプロジェクトを実施するための資金は十分集められていません。

ピース・インド プロジェクトの活動が継続的に、さらに多くの地域で行えるよう「コットン募金」への寄付を通じて、ACEの活動をぜひサポートしてください。ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

報告:国際協力事業担当 成田 由香子

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  • カテゴリー:子どものエピソード
  • 投稿日:2013.02.26

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