現代奴隷制と人身売買(「児童労働に反対するグローバルマーチ」発表)

現代奴隷制と人身売買(「児童労働に反対するグローバルマーチ」発表)

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「人身売買反対デー」である7月30日の翌日、「児童労働に反対するグローバルマーチ」は、持続可能な開発目標(SDGs)と、アメリカが発表した人身売買報告書の内容に対してプレスリリースを発表しました。発表されたプレスリリースの内容を翻訳したので、グローバルな取り組みについて、ぜひ参考にしてみてください。

“Modern Slavery And Human Trafficking”

2000年に世界で採択された「ミレニアム開発目標(MDGs)」は、各国政府には政策を打ち立てるための軸を、またNGO団体には活動の起点を示した一方で、目標範囲が狭いと批判されてきました。当時採択された8つのミレニアム開発目標は、人権や奴隷制、また児童労働や経済的発展に関する言及がなかったためです。

「ミレニアム開発目標(MDGs)」の達成期限が間近を迎えている今も、約10億人が貧困の中で暮らしており、毎年120万人の子どもが人身売買され、小学生に相当する年齢の子ども5,900万人が学校に通っておらず、1億6,800万人の子どもが児童労働に従事し、550万人の子どもが奴隷状態にあります。

2015年9月、世界では再び、「ポスト2015年開発アジェンダ」や「持続可能な開発目標(SDGs)」と呼ばれる、新たな目標とターゲット、指標が採択されようとしています。国連加盟国にはこれらを枠組みとして、今後15年間の国内政策や開発目標を策定していくことが期待されています。

2014年、国連が「持続可能な開発目標(SDGs)」に盛り込む内容について世界的規模での意見調整を行っていた際、グローバルマーチは協力団体とともに、目標4の教育に関する文言を強化し、最も困難な状況にある子どもたちが教育を受けられるという内容を盛り込むように強く唱えてきました。グローバルマーチではさらに他のステークホルダーと、持続可能な開発目標(SDGs)のサブ目標8.7に「児童奴隷制(child slavery)」の文言を入れるための年間キャンペーンを立ち上げました。これは児童労働に関わるもので、ミレニアム開発目標(MDGs)では十分な内容ではありませんでした。(これまでのお知らせで)皆さんもすでにご存知かもしれませんが、「子ども奴隷を終わらせようキャンペーン(ECSW Campaign)」は幅広い支持を得、55万人の署名が集まりました。つまり1人あたりの署名で奴隷状態の子ども10人を支える計算になり、この署名は今年初めに国連事務総長に提出されています。同キャンペーンでは、様々な奴隷状態にある子どもたち550万人を開発目標の中に入れて、優先的に扱うべきであると強く訴えてきました。

(先週初めに)「持続可能な開発目標(SDGs)」の最新案が発表されましたが、喜ばしいことに私たちの努力の末、サブ目標8.7に「現代奴隷制と人身売買(modern slavery and human trafficking)」という文言が加えられました。グローバルマーチでは、この新たな展開をさらなる大きな成功とみなしています。そこにはグローバルマーチや他の団体が主唱してきた、児童奴隷を含むさらに広い意味での奴隷制の問題が含まれるからです。世界中で毎年推定250万人と子ども120万人が人身売買の犠牲になっていることを考えると、サブ目標8.7に人身売買が加えられたのは賞賛されるべきことでもあります。さらに、注目に値する内容は、女性と少女に対する暴力を終わらせることに言及する目標5で、児童婚や強制結婚、少女の人身売買の文言が盛り込まれたこと、目標16にサブ目標として、子どもへのあらゆる形態の暴力や虐待行為を終わらせることが掲げられていることです。

よって私たちはこの機会をとらえて、署名してくれた支援者、共にキャンペーンに協力してくれた協力団体、そして画期的な成果達成に向けてさまざまに支えてくださった人々に対して感謝の意を表したいと思います。

(今週)発表された「米国2015年人身売買報告書」は、「人身取引反対世界デー」を記念すると共に、他と無関係に起きるわけではない現代奴隷制問題を再度訴えています。報告書にある現代奴隷制には、強制的児童労働、性目的の児童売買や人身売買、強制労働、奴隷労働、家事奴隷、違法な求人や子ども兵士の利用が含まれています。

この報告書はこう何度も繰り返しています。「どの国も現代奴隷制を単独で終わらせることはできません。こうした地球上の社会悪を撲滅するには、世界全体での解決が必要です。政府だけで解決できるものでもありません。民間セクター、学術機関、市民社会、法律家業界、消費者が、人身売買がはびこる要因に対処することが助けになるのです。 ただし政府には法律のルールを徹底し、情報を共有し、司法における人材投資、あらゆる個人の権利と尊厳を尊重するための政策を支持するという特別な責任があります。人身売買は、なんとか対処するという問題ではなく、止めさせるべき犯罪なのです」と。

また誇らしいことに、「米国人身売買報告書」は2014年ノーベル平和賞受賞者であり、グローバルマーチの名誉会長のカイラーシュ・サティヤルティ氏の業績にもスポットをあてて言及しています。「40年以上にわたって、サティヤルティ氏は子どもの権利のために絶え間なく活動し、子どもたちを労働ではなく学校に通わせようと平和的に闘いを行ってきました。・・・債務労働の罠におとされた子どもたちを解放し、職業訓練や教育を受けられるよう支援し、児童労働や子どもの人身売買に関する公開討論をインドで行ってきました。・・・彼の貢献は、インドに影響を及ぼしただけでなく、世界をも変えたのです。

2015年7月30日の「人身取引反対世界デー」に、グローバルマーチは、新たな「持続可能な開発目標(SDGs)」の内容に沿って、人身売買という重大な問題に闘い、そして子どもの権利のためにさらに働きかけることを改めて誓います。人身売買され奴隷にされたすべての人たちの尊厳を取り戻すために。

原文:Modern Slavery and Human Trafficking | Global March Against Child Labour

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  • カテゴリー:児童労働ニュース
  • 投稿日:2015.07.31