「子どもの貧困対策に関する大綱」へ パブリックコメントを提出

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「子どもの貧困対策に関する大綱」へパブリックコメントを提出「子どもの貧困対策に関する大綱~日本の将来を担う子どもたちを誰一人取り残すことがない社会に向けて~」(令和元年11月)が閣議決定され、内閣府は2019年11月29日に公表しました。これは、2014年8月に閣議決定された「子どもの貧困対策に関する大綱」が5年を目途に見直しを検討することになっており、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が2019年6月に改正されたことを踏まえて行われました。

この大綱改訂にあたっては、10月末にパブリックコメントが公募され、199件が提出されました。ACEは、次の2点に絞って意見を提出しました。

ACEが提出したパブリックコメントはこちら(PDF)

1. 子どもの就労支援

大綱案には、高校を中退した子どもや児童福祉施設に入所している子どもなどへの支援が書かれていましたが、中学卒業時に就職および進路未決定の子どもについては触れられていませんでした。

平成30年度の学校基本調査によりますと、中学校卒業後の生徒の状況は、就職者等2,510名、進路未決定者7,298名と報告されています。このような子どもたちが働ける場は限られており、男子の場合は建築業、女子の場合は接客業が多い傾向があります。これらの仕事には、労働基準法で禁止されている危険有害労働、つまり児童労働が含まれています。

子どもたちを児童労働から守り、貧困の連鎖を防ぐために、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に従事できるようにしなければなりません。そこで、中卒の子どもが自立した生活を確立できるための就労支援や生活支援を行うこと、そして学校とのつながりがなくなった子どもに対して、公的機関や地域などが支援する仕組みの構築を提案しました。

2. 子どもの貧困に関する調査研究

大綱案には、子どもの貧困の実態把握や指標に関する調査が書かれていましたが、子どもの就労には触れられていませんでした。

ACEが国勢調査から推計したところ、学校に通いながら働いている子どもを含め高校就学年齢の子ども約23万人が就労しています。ところが、この年代の子どものアルバイトに関する調査は、全国規模で実施されていません。ひとつの理由として、全日制の多くの高校が、アルバイトを原則禁止していることが考えられます。

しかし実際には、学校には報告しないで、アルバイトをしている高校生が多くいます。沖縄県の調査では、アルバイトをしている県立高校生は25.8%で、労働基準法違反となる午後10時以降に働いている定時制高校生は26.7%となっています。

そこで、高校就学年齢の子どもの就労・アルバイト状況を把握するための調査、ブラックバイトと考えられる労働環境などの問題への対応、貧困による過剰なアルバイトが及ぼす学業への悪影響などの実態把握のための調査を提案しました。

 

内閣府は、パブリックコメントをまとめた結果を公開しています。
詳しくはこちら:パブリックコメント 結果公示案件詳細

そのなかには、ACEが提出した意見も記載されていました。
【生活の安定に資するための支援に関すること】
・就職や中退などで学校を出た後の子ども、若者への支援体制を強化してほしい。
【その他】
・高校就学年齢の子どもの就労・アルバイトを把握するための調査をしてはどうか。

しかし、最終的にまとめられた「子どもの貧困対策に関する大綱」には、どちらも反映されていませんでした。

ACEは、これからもパブリックコメントや他の機会を通じて、子どもの貧困に取り組むにあたって子どもの就労という視点を盛り込み、子どもの就労に潜む児童労働のリスクについて対応するように政府に求めていきます。日本の児童労働問題に対して、きちんとした対策がとられるように、みなさんからも行政への働きかけをお願いします。

引き続き、ご支援、ご協力よろしくお願いします。

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2019.12.21