寄付月間、シンポジウムで考えたこと振り返り | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

児童労働のない未来へ-NPO 法人ACE代表 岩附由香のブログ(single-blog)

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2015年12月17日

寄付月間、シンポジウムで考えたこと振り返り

今年から12月は寄付月間!ということで、寄付月間推進委員会主催のシンポジウムに12月7日に登壇して、お話ししてきました!

私が話した時間はとても短かったのですが、何名かの方が「とっても印象に残った」「一生懸命メモした」「あのフレーズ、もう一回確認させてください」と終わった後に来てくれたり、Facebookでコメントをいただいたりしたので、もう一度ここに書いておこうと思います。

この日に考えたことも含めて、3点。1)寄付をお願いする側のマインド2)日本の寄付文化3)著名人と隠匿の美について、です。

寄付月間のシンポジウムの登壇者は古田敦也さん(野球解説者)、小宮山宏さん(三菱総合研究所理事長/元東京大学学長/寄付月間推進委員長)、佐藤大吾さん(ジャパンギビング代表理事/寄付月間推進委員)。テーマは「欲しい未来に、寄付を贈ろう」でした。 

4人の役割分担があり、私は「寄付の受け手として」という立場での発言を期待されて登壇しました。この日は約半数がNPOやソーシャルビジネスなどの、つまりまぁ寄付をいただく側の「ギョーカイ」の人が多いと聞いていました。

そこで、アメリカでファンドレイジングの研修を受けた時に衝撃だったフレーズを紹介しました。

「寄付のお願いは誰にでもしなさい。学生だから無理だろうとか、あなたが勝手に判断してはいけません。それは相手が決めることです。寄付をお願いしないことは、その相手から、あなたが取り組む社会課題の解決に参画する機会を奪うことです。」

寄付をお願いしない=機会を奪う????

なんちゅー、アメリカ的スーパーポジティブ発想!日本人的には、そこまで開き直れないよ!と初めて聞いたとき思いました、正直。

でも、そう思いつつも、2006年の9か月間のアメリカ研修でもっとも「まじか!」と目から鱗だった瞬間がそれだったと思います。

私がその時受けたのと同じような衝撃を、この日私の話を聞いて受けた人がいたようでした。

また、寄付をしてもらったらそこで関係が出来て、情報発信をするので、それがまた相手にとっては学習の機会になるのでは、ということについても、そうか!と思った人がいたようでした。というのが、寄付をお願いする側のマインドについての話。

 

もうひとつは、日本の寄付文化について。
寄付文化が浸透していないと言われる日本社会においても、東日本大震災では8割が寄付したという調査もあります。なので、必要だと感じられれば、寄付をする人たちなんです。ではなぜまだ広がっていないか、それは「きっかけ」が少ないこと、NPO/NGOなどへの信頼度が低いこと、街頭募金のイメージが強くて「何に使われるかわからない感」を持っているひとが多いことだと思います。

日本での寄付経験が、街頭募金やコンビニの箱への小銭に多いことも、その「何に使われるんだろう感」を持つ人が多いことと関係していると思います。

ACEに寄付をしてくれている私の友達なんかも「由香ちゃんがやっているところだから安心」と言ってくれます。寄付の受け手の顔が見えていることって、やっぱり大事なんだなと思います。

また寄付の集まらない、寄付をしない理由のひとつに「お願いされていないから」というのがあります。この部分も、NPO/NGOが取り組むべきフィールドで、社会課題を自分事化するしかけ、自然に生活の中で寄付を取り入れられるような工夫や提案など、もっとできることがあるように思います。

 

最後にもうひとつ、隠匿の美と著名人の参加について。
今日のパネルトーク、あまり細かい内容打ち合わせしなかったので流れるままに話し、「寄付をもらう側としては、寄付してくださる相手の顔が見えたほうが、その方がどんな想いで寄付してくれているのかもわかるし、対話が生まれて、そこから広がりが出る。

でも、匿名で相手がわからないと、広げられない」という話をしました。

それを受けて、佐藤大吾さんが「隠匿の美」について「寄付月間の仮想の敵」とおっしゃっていました。

バズセッションがあったので、大吾さん、古田さんと話をしていて、私が、「もうひとつ、偽善というのもキーワードではないか。偽善で何が悪い、結果出すほうが大事、というスタンスをもっと取っていいんじゃないか」という話をしたら、古田さんから「偽善とはそもそも何か、というところからはじめたほうがいいんじゃない」、「自己満足といわれることがあっても、自己満足でいいじゃない、とは言えるかもね」といっていただき、そうそう、そういうことなんです!っと思いました。

特に著名人の方が協力をしてくだるときに「売名行為」「偽善」などとネット上などでまくしたてる人がいるのですが「じゃああなたは何かしているの?何かしようとしてくれている人の足をそんな風に引っ張らないで。」と私は言いたくなります。

でもたいていそういう相手は匿名でくるんで対話しづらい。ずるいですよね。
そういうことがあった時、またそんな風にならないように、寄付の受け手は前に立って応援してくれている人たちを守らなくちゃいけないよね、自分たちからこの人はこういう意図で協力してくれてるんですって発信しなきゃいけないよね、って話を、大吾さんとしました。

これまで、本当に多くの方の寄付によって助けられてきました。
とくにピンチの時(ACEはこう見えて常に資金に余裕がないのですが、本当に本当にこのままだとスタッフ雇い続けられないかも…というような局面)や、新しいプロジェクトを始めたいのに資金がない!(今もそうなんですが。。。。)というときに、「出すよ!」っとおっしゃってくださった方々がいたからこそ、また今もいるからこそ、続いています。

 

ここでもう一回寄付月間のキャッチフレーズを。

寄付は意志。寄付は投資。寄付は応援。寄付は願い。

寄付をする人は、その寄付によって自分の欲しい未来に投票しているようなものだと思います。何に使われるかわからない税金と違って、寄付は自分が賛同する団体、関心がある社会課題の解決に、使われます。SDGs達成に向けても、政府の資金だけでは賄えないことがもうわかっています。欲しい未来へ変革するためには、寄付は不可欠です。

 

寄付月間をオーガナイズして下さっている実行委員のみなさん、そしてその中心的な役割を事務局長として担われている鵜尾さん、今日のシンポの統括だった三島さん、ほんとうにお疲れさまでした!貴重な機会に、私をこのような形で混ぜてくださって、本当にありがとうございます!!!来年12月の寄付月間に向けて、ACEとしても何か企画したいな♪と思った、シンポジウムでした。

寄付月間シンポジウム-2015

寄付月間シンポジウム-2015

寄付月間シンポジウム-2015

左から岩附、小宮山さん、古田さん、鵜尾さん(日本ファンドレイジング 協会代表理事/寄付月間共同事務局長)

 

ぜひ、12月の寄付月間に合わせて、寄付について考えていただけると幸いです。そして、児童労働のない未来へ向けて、ACEの活動をご支援・ご協力のほど、よろしくお願いします!

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