インド:人身売買された子どもたち34人を刺しゅう産業から救出
インド:人身売買された子どもたち34人を刺しゅう産業から救出
ニューデリー(2008年10月23日)ー BBA(ACEのインドでのパートナー団体)と警察や行政当局が合同でニューデリーの刺しゅう工場における子どもの救出活動を行い、子どもたち34人が救出された。子どもたちは人身売買され債務労働者として働かされていた。5人は7~8歳で、大半はインド東部のウッタル・プラデシュ州や隣国ネパールの出身であった。3人の雇い主が逮捕された。
子どもたちはみんなぼろぼろの衣服を着て、暗く明かりも窓もない部屋で、朝8時から夜中1時まで働かされていた。7歳のサダム君によると、両親は雇い主から1000~1500ルピー(約2500~3750円)を受け取っていたそうだ。彼は学校に行けるという約束でデリーに連れてこられたという。しかし実際は刺しゅう工場に放り込まれた。時間に間に合わなかったり仕上がりが悪かったりすれば、雇い主は酔って殴ることもあったという。
BBAによれば、政府の政策不足によりこれら産業への子どもの人身売買が増えている。特に洪水被害のあったビハール州の地域で人身売買業者が増加しており、子どもたちが列車やバスで、他の州の大都市などへ売買されている。業者は洪水災害や貧困の窮地を利用して、子どもたちを誘拐し、奴隷や児童買春など最悪の形態の児童労働をさせている。政府と警察による協力なしにはこの事態には対応できない。
デリーの刺しゅう工場で働く子どもたちは5万人以上といわれる。この2年半の間、BBAは1600人以上の子どもたちを救出したが、児童労働は続いている。
救出された子どもたちは、政府による債務労働制(廃止)法に基づいたリハビリ支援と、全国児童労働プロジェクト(NCLP)による学校教育支援を受ける。その法的手続きが整うまで、子どもたちはBBAのリハビリ施設で保護される。
出所:BBA
- カテゴリー:児童労働ニュース
- 投稿日:2008.11.17