ISO26000の今

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2009年7月7日(火)、ISO26000に関するセミナーに参加してきました。2009年7月8日から10日にかけて、幕張でISO26000に関する国際会議の開催に先駆け、午前・午後と別のセミナーが開催されるなど、正に「ISO26000デー」でした。午前中は都道府県会館にて、日本規格協会の主催で、IDTF議長Jonathon Hanks氏の講演会が開かれました。この講演会の様子はACE代表ブログでご報告しています(http://plaza.rakuten.co.jp/acejapan/diary/200907080000/)(ISO26000のごく簡単な概要もこちらをご参照下さい)

午後は国連大学(表参道)で「ISOとこれからの労働面における企業の社会的責任(CSR)-持続可能な社会づくりに向けて-」が開催されました(主催:ILO駐日事務所、日本ILO協会)。

セミナーでは、ISO26000の策定に関わられているEmily SIMS氏(ILO 多国籍企業及び社会政策プログラム上級専門家)と関正雄氏(株式会社損保ジャパン CSR・環境推進室)がご報告くださいました。セミナーの内容を一部ご報告させていただきます。

第7章のタイトルが変更された

旧「社会的責任の実施に関するガイダンス」
新「社会的責任慣行の統合に関するガイダンス」

一見大した違いではないように思えますが、実は大きな意味が隠されています。旧来の「実施(implememt)」は、組織がISO26000のガイドラインに当てはまるような活動を何かやればいい、というニュアンスでした。

一方、変更された「統合(integrate)」は、組織の活動に取り込むことを意味しています。つまり、本業と関わらなくてもなんでもいいからやればいい、ということではなくて、ISO26000は組織の本質的部分に組み込んだ活動をすることを前提とするんですよ、という位置づけが、7章のタイトルとして明確に示されたわけです。

児童労働の位置づけが明確になった

児童労働は「第6章 社会的責任の中核主題(1)」の6.3の中で、「⑧労働における基本的権利」に含まれています。ここでは児童労働の実効的廃止が明確に謳われていて、補足として児童労働に関する囲み説明も掲載されるそうです。

それだけ国際社会は、組織が取り組むべき課題として児童労働を認識していることがわかります。

サプライチェーンも含めた社会的責任の定義

第2章に社会的責任の定義が示されています。社会的責任が求められる行動の中に「組織全体で統合され、組織の関係の中で実践される行動」とあります。

「組織全体で統合され」はコア事業に関わる行動であること、「組織の関係の中で」は「組織の影響圏内の活動」、つまり企業本体だけでなくサプライチェーン(バリューチェーン)も含めた行動であることを指します。この定義づけからも見られるように、ISO26000の発行によりCSR調達に取り組むことの重要性がますます高まっていくことは間違いなさそうです。

ISO26000は2010年9月に発行される予定です。
発行まであと1年。今後の動向が注目されます。

報告:植木 美穂

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2009.07.09