インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2010年度報告 vol.1
インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2010年度報告 vol.1
インドの農村地域で子どもたちを支援している「子どもにやさしい村」プロジェクトでは、2010年4月からインド・ラジャスタン州ジャイプル県の3つの村を支援しています。
「子どもにやさしい村」プロジェクト実施村の基礎情報
j村 | k村 | l村 | |
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総人口 | 約920人 | 約920人 | 約950人 |
就学年齢の 子ども人口 |
約120人 | 約240人 | 約80人 |
児童労働者の数 | 25人 | 27人 | 21人 |
主な産業 | 農業、放牧業 | ||
村の主な問題点 |
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プロジェクトの実施期間: 2010年4月6日~2013年4月5日(3年間)
これまでの活動と村の主な変化
子どもが労働をやめて学校へ通うようになりました
子どもの就学を呼びかけるため村で集会を開いたり、キャンペーンを行ってパンフレットを配布したり、働いている子どもの家庭訪問をして親を説得するなどの活動をしてきました。その結果、3つの村では農作業や放牧などの仕事のために未就学、または中途退学してしまった子ども73人(j村25人、k村27人、l村21人)が、2010年7月の新学期から入学しました。現在、村の全ての子どもが学校に通っています。
学校に通えるようになったスワティちゃん
スワティちゃん(仮名/8歳)は、家畜のヤギとバッファローを放牧につれて行くため、学校を中途退学してしまいました。しかしプロジェクトが始まってから、他の家の女性たちが母親を説得し、家畜の世話は母親がするようになりました。新学期から小学2年生のクラスでまた勉強できるようになりました。
働いていた時は、朝7時に起きて、家の掃除や料理を手伝い、10時から午後5時まで家畜の世話をしていました。スワティちゃんは「学校で勉強したかったから、とても嬉しい」と言います。
子ども村議会をつくるための準備を行っています
子どもや教員、村の人たちは「子ども村議会」を作るための話し合いを行っています。子どもたちの中から代表者を選ぶ選挙を実施して、子ども村議会を村に設置します。村に設置された子ども村議会では、子どもたちが定期的に話し合い、おとなの村議会に参加して、学校の問題などについて子どもたちから改善策を提案していきます。
学校の改善に取り組んでいます
子どもたちが継続的に学校で通えるようにするためには、学校を子どもたちにとって学習しやすい環境に改善することが重要です。村では、学校の教員や子どもたちが、学校の施設や教育の質の改善などに取りくめるよう話し合いをするようになりました。
j村では、学校の教員や村議会が行政に働きかけたことにより、新学期から学校の敷地内に母子保健センターができました。3~5歳の就学前の子どもが読み書きを学べるようになりました。また9学年のクラスが新設され、これまでは8学年を修了後、進学をあきらめていた子どもたちも高等教育へ進級できるようになりました。来年からは10学年も増設される予定です。
j村やl村では、学校に飲み水がない、遊ぶ場所がない、給食の調理場がない、教員が不足しているなどの問題を解決できるよう今後も行政に働きける活動を行っていきます。
住民グループの立ち上げに向けて準備しています
女性や青年たちはグループを立ち上げるための話し合いを続けています。女性グループや青年グループは、子どもの就学や子ども村議会の活動をサポートします。また訓練を受けて、雇用・社会保障などの行政サービスを活用して、自ら村の問題を改善できるよう力を身につけます。
プロジェクトが始まってから、女性同士で集まり、男性たちと村の問題について話し合うようになりました。女性たちからは「村の問題について以前よりも真剣に考えるようになりました」、「この村は他の村や町から遠く離れていて、バスも通っていないし、政府の役人も誰も来ません。自分たちで話し合って解決していくことが大切だと思うようになりました」という声を聞きました。
インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2010年度報告
インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2010年度報告 Vol.1
- カテゴリー:子ども・若者支援
- 投稿日:2010.11.29