インドで子どもに会って考える旅~スタディツアー2011報告(2)
インドで子どもに会って考える旅~スタディツアー2011報告(2)
インド・スタディツアー2011年度報告第二弾は、ACEがパートナー団体のBBAと共に実施している「子どもにやさしい村」プロジェクトについてお伝えします。
「子どもにやさしい村」プロジェクト実施地訪問
「子どもにやさしい村」プロジェクトとは、児童労働をなくし、すべての子どもが学校で質の良い教育が受けられるようにすることを目的としたプロジェクトです。子どもの参加による「子どもにやさしい村」づくりのための持続可能な仕組みをつくります。
「子どもにやさしい村」プロジェクトの主な活動内容
「子どもにやさしい村」プロジェクトでは、住民自身が自ら児童労働をなくし、子どもたちが学校へ通い続けられる環境づくりを支援しています。
- 子どもの就学の徹底
働くために学校へ通えない子どもたちが就学できるよう、家庭訪問を行って親を説得したり、住民との集会などを行って、子どもたちが学校に通えるようにする。 - 「子ども村議会」の設置による子ども参加の仕組みづくり
子どもたちの代表者による「子ども村議会」を作り、子どもがおとなの村議会(自治組織)と共に、学校や村の問題について話し合い解決できるようにする。 - 教育環境の整備
子どもたちが学校できちんと学べるよう、学校の施設や教育の質などについての改善策を「子ども村議会」が村議会に提案し、行政への要請を通して、学校を改善する。 - 住民の組織化と訓練による能力強化
青年グループや女性グループなどの住民組織を作り、村のインフラ整備、雇用・社会保障などのための行政サービスを活用できるよう訓練したり、収入向上に取りくむなど村の自立を図る。
訪問した村でのプロジェクトの成果
村では、プロジェクトが始まってから子どもを学校に行かせるための親の説得やキャンペーンが行われました。説得やキャンペーンを通じ て、親や住民の間で教育の大切さについて理解が深まり、ヤギや牛の放牧業、農作業、家事労働などをしていた子どもが労働をやめて学校へ通うようになりまし た。
また、「子ども村議会」ができたことで、子どもたちは月に2回定期ミーティングを開き、学校や村での問題を話し合うようになりました。また、月1回 はおとなの村議会の会議に参加して、問題を解決できるよう話し合っています。それによって村議会と学校が行政に要請して、これまでに学校のトイレや飲料水 施設の修理、校長室や給食調理室の建設などが行われました。「子どもにやさしい村」プロジェクトでは、子どもたちの意見を届ける活動を通じて、学校や教育 環境の改善が進められています。
子どもだけでなく、住民による女性グループや男性グループも子ども村議会の活動をサポートしたり、子どもの就学徹底に取りくんでいます。女性グルー プは、自助グループを作って貯金したり、融資を受けて牛のミルクを売るなど、女性がビジネスを始めて収入が得られるようになりました。男性グループは、こ れまで村の電気や道路や飲料水施設の整備に取り組んできました。また女の子のための学校を作りたいと考えており、その計画を話し合っていることも分かりました。
「子どもにやさしい村」を訪問したツアー参加者の感想
村に到着した瞬間の人々の歓迎にとても驚きました。時間が許す限り子どもたちと交流をしたところ、言葉が通じなくてもこんなに楽しいのだと思いました。またこのプロジェクトは立場が弱い人々に本当にやさしいプロジェクトだと改めて実感しました。女性グループの方が「昔は布をかぶっていたけど、今では布なんていらない!(女性は家の外で顔を見せてはいけない習慣があったため)」と、笑顔で話してくれたのが印象的でした。そして、子どもたちに将来の夢 を聞いたとき、たくさん素敵な夢が出てきて、その時の子どもたちの恥ずかしそうだけど輝いた目が印象的でした。子どもたちはみな学習意欲に満ち溢れているところなど、逆に見習わなければいけないところもありました。(10代女性)
報告:国際協力事業担当インターン 川崎 桃恵
インドで子どもに会って考える旅~スタディツアー2011報告
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- カテゴリー:子ども・若者支援
- 投稿日:2011.11.28