「学生同士で考える、児童労働問題の未来ゼミナール」開催報告

「学生同士で考える、児童労働問題の未来ゼミナール」開催報告

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報告:インターン 渡辺知世2013年9月20日、桜美林大学四谷キャンパスにてACEインターン企画「学生同士で考える、児童労働問題の未来ゼミナール」を開催しました。ACEに寄せられる児童労働の疑問にお答えし、学生だからできることをみんなで考えたいという思いで始まった今回のイベント。平日の夕方にも関わらず、関東の各都県や静岡県から、22名の高校生・大学生が参加。お忙しい中ご参加いただきありがとうございました。

報告:ACE国際協力事業担当インターン 渡辺 知世

児童労働の現状について

始めにACEインターン原田より、始めの言葉および現在の児童労働の状況について紹介させていただきました。現在、世界には2億1500万人の子どもが児童労働に従事していること(国際労働機関2010年発表)、「児童労働」と「子どもの仕事」の定義の違い、子どもの権利についてなど、児童労働を学ぶ上でかかせない知識を共有しました。児童労働問題を解決するためにはまず「知る」ことが重要であり、学生が児童労働問題を広めていくためには、自分自身が正しい知識を身につける必要があります。

ACEの成り立ちとこれまでの活動、今後の課題

ACE代表の岩附より、ACE誕生のきっかけから現在に至るまで、今後の活動内容についての話がありました。学生5人の力で組織を立ちあげ、子どもたちが笑顔で過ごせるよう活動を続けていることは、今学生であるわたしたちにとっても刺激となりました。質疑応答の時間ではさまざまな質問がありました。

Q.「日本国内での児童労働への関心は高まっているのか」
A.「ACE設立当初と比べるとメディアなどに取り上げられるなどして、関心が高まってきてはいるが、ACEとしては今後さらに知る機会を増やし、知った人がさらに他の人に伝えていけるよう活動を工夫していきたい」
Q.「2013年10月ブラジルで開催される第3回児童労働世界会議とは」
A.「参加者は政府・労働者・使用者という国際労働機関(ILO)を構成する三者に加え、NGOなどの市民社会組織です。ACEは日本の市民社会組織として会議 へ参加する予定です。前回のハーグでの世界会議で話し合われた各アクターの役割と進捗状況、2013年9月23日に発表された児童労働の新しい統計などを 元に、今後必要な取組みが議論されるのではないか」

今後の課題は「社会全体が“意識”と“行動”を変え、児童労働に無自覚に加担するビジネスと消費を見直さなくてはならない」とのことでした。私たち学生でもできることはたくさんあるのだという強いメッセージが込められたセッションでした。

ACEの成り立ちとこれまでの活動、今後の課題を説明するACE代表 岩附由香
ACEの活動について紹介するACE代表 岩附由香
質疑応答の様子
質疑応答の様子

インド・コットン生産地の児童労働の現状とACEの取り組み

次に、ACE国際協力事業インド担当の成田より、インドのコットン生産地における児童労働の現状と、ACEの支援プロジェクトについて紹介しました。コットンの生産量が世界2位であるインド。普段私たちが身につけている衣服は、子どもたちの手によってつくられたものかもしれないという事実や、働く子どもたちのエピソードには胸が痛くなりました。質疑応答の時間ではたくさんのご質問がありました。

Q.「現地パートナーとどのような活動を行っているのか」
A.「ACEは現地で活動しているパートナー団体と連携し、定期的にモニタリングを行い、成果や課題を確認し、日本での活動報告を行っている」
Q.「子どもたちが学校へ通えるよう親をどのように説得しているのか」
A.「家庭訪問をして話し合いをしたり、子どもたちが学校に通うようになった後の変化をみた親が徐々に教育の重要性を認識するようになった」

そして最後に、コットン生産地での児童労働を減らすには現地プロジェクトの成果だけでなく、わたしたち消費者の意識改革も重要であると主張しました。

インド・コットン生産地での児童労働について紹介するACEスタッフの成田
コットン生産地での児童労働について説明する成田
桜美林大学・四谷キャンパス地下ホールで開催
桜美林大学・四谷キャンパス地下ホールで開催

児童労働をなくすためにできるアクションランキング

最後に参加者2人一組になり、児童労働をなくすために学生である私たちができることは何かを考えるワークショップを行いました。アクション例が記入されているカードと、参加者自身が考えて書くカードを使い、優先順位が高い方から並べてランキングを考えてもらいました。

アクションカードには「イベントを企画する」や「フェアトレード商品を買う」といったアクションが書かれています。ランキングをつける際の基準は「効果が大きい順」や「自分たちにできること順」など、各ペアで考えてもらいました。いくつかのペアに完成したランキングを発表してもらい「上映会を企画・実施する」や「NGOへ就職する」といった学生らしいオリジナルなアイディアも多くでました。みなさん楽しみながらも真剣にランキングを考えて下さり、盛り上がった時間となりました。

児童労働をなくすためにできることを考えるワークショップ
児童労働をなくすためにできることを考え中
考えたアクションを全体へ共有
考えたランキングを全体へ向けて発表

参加者の感想

  • 内容が、特に自分たちでランキングをつけるというのが、具体的にどうすればいいのかなどを考えられて良かった。(大学生:女性)
  • 「ACEの成り立ち、児童労働についての説明+ワークショップ」という構成が良かった。ワークショップをすることによって児童労働について考える新しい友達ができた。(大学生:女性)
  • 児童労働についてとても分かりやすかったです。プロジェクトの成果がはっきりと出ていてすごいと思いました。(大学生:女性)

学生同士で考える、児童労働問題の未来ゼミナール

今回のイベントは、企画から運営までインターンが行う初めてのイベントとなりました。開催当日まで、参加者が集まるか、参加者のみなさんに楽しんで学んでもらえるか、多くの不安がありました。無事にイベントを終えることができ、自分にできることって何だろうと同じ思いを持った学生のみなさんと一緒に考えることができ大変嬉しく思います。このイベントがみなさんの新たな一歩を踏み出すきっかけとなることをインターン一同願っています。ご参加、ご協力いただきどうもありがとうございました。

インターン企画チーム:道端健太、渡辺知世、原田真衣

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2013.10.09