カメルーン:サッカー選手を目指す子どもたち
カメルーン:サッカー選手を目指す子どもたち
こんにちは。ACEガーナ担当の近藤光です。
さて、私がとても楽しみにしている、4年に一度の世界の祭典「FIFAサッカーワールドカップ」が近づいてきました!! ACEもチャリティフットサル大会を企画するなど、この祭典に向けて盛り上がっております。もちろん本業である児童労働撤廃とエシカルファッション、フェアトレードに関する活動もしていますよ!!
(念のため・・・)
実は先日、ゴールデンウィーク中にアフリカ有数のサッカー強豪国、カメルーンへ行ってきました。私が世話人を務める「市民ネットワーク for TICAD」の業務の一環で、カメルーンの首都ヤウンデで行われる「TICADフォローアップ閣僚会議」に、日本のNGOとして参加することが目的です。国際会議への参加はいつもの仕事とは勝手が違うことばかりでしたが、これはこれでとても貴重な経験になりました。いやはや、なかなかハードです・・・。
隣国ナイジェリアからカメルーンへ連れて来られる子どもたち
今回の出張では、会議の合間に現地のNGO関係者からカメルーンの子どもの教育、児童労働に関する情報を聞く機会に恵まれました。カメルーンでも児童労働は深刻な問題となっているようです。今回お会いした子どもの保護に取り組む団体「LI 5Internatinal」の代表は、隣国のナイジェリアから連れて来られた子どもたちが農場や市場、家庭の中で働かされていることが問題になっていると言います。
ナイジェリアと言えば、中高一貫教育の女子高がテロ組織「ボコ・ハラム」に襲撃された事件が記憶に新しく、「世界有数の人身売買国家」とも言われています。ナイジェリアの動向は、児童労働問題に取り組む団体としても注視していかなければいけないと改めて思いました。
アフリカのサッカー強豪国「カメルーン」が抱える課題
また、カメルーンは「アフリカのサッカー強豪国」特有の問題も抱えています。多くの有名選手を輩出してきたカメルーンでは、エージェントと呼ばれる人が「ヨーロッパでプレーできるよ」と子どもたちを誘い、渡航費をだまし取ったり、子どもに多額の借金を背負せてヨーロッパに置き去りにするなどの事件が多発しているそうです。
現在、ヨーロッパでは若年齢の選手の契約は厳しく制限され、特にEU域外の少年は18歳以下の選手が契約することは不可能に近いと言われています。子どもたちを保護するための啓発活動も行われているそうですが、「夢をかなえて大金を得る」という夢に付け込まれる少年たちは後を絶ちません。
サッカー選手を夢見てヨーロッパへ渡った子どもたちの現状は、NHK BS世界のドキュメンタリー「世界のサッカー事情-さまようアフリカの少年たちーサッカードリームの光と影」でも取り上げられました。
【参考】カメルーンのサッカー事情と世界遺産: シリーズ「眼」 Series”Eye”
カメルーンを訪れて
初めて訪れた中部アフリカのカメルーン。今回の訪問は「国際会議への参加」が主目的だったため、現地の様子を詳しく見ることはできませんでしたが、それでもいろいろな発見がありました。これからも様々な機会を活かして、アフリカのいろいろな国の事情について、みなさんにお伝えしていきたいと思います。
報告:ACE 子ども支援事業ガーナ担当 近藤 光
- カテゴリー:児童労働ニュース
- 投稿日:2014.05.20