コットン栽培と放牧をしていたナルサンナちゃん(インド)
ナルサンナちゃん(仮名)は現在16歳。学校へ通ったことがありませんでしたが、ACEの「ピース・インド プロジェクト」が運営する職業訓練センターへ2013年から通いはじめました。
7人家族で、お父さんとお母さん、3人の姉と1人の兄がいて、ナルサンナちゃんは末っ子です。お父さんとお母さんは自分の土地で農業をしていましたが、お父さんは高齢でまた足が悪いため、だいぶ前から働けなくなってしまいました。兄夫婦とその子どもたちと一緒に暮らしており、姉2人は結婚して他の村に住んでいます。
畑仕事で体調を崩し病院へ行くことも
ナルサンナちゃんは、家計を助けるために学校へ通わず、家畜の世話をしたり、コットン畑などの農作業をして働いていました。毎日10時~14時の4時間は牛4匹を放牧しにでかけていました。畑作業をするときは10時~18時まで一日働いて100ルピー(約180円)の稼ぎでした。
「仕事は、暑い中での作業が大変でした。畑にまかれる農薬スプレーを吸って腹痛や頭痛、吐き気がしたり、熱がでるときもあって、病院に行ったこともありました。夕方に仕事から戻ると、学校に通う友だちと遊んだり、学校の話を聞いたりして、 私も勉強したいなと思っていました。」
2011年4月に家庭訪問した時のベンカティシュワリちゃん(左)とお父さん(奥)
2011年ベンカティシュワリちゃんとその家族に会いに行ったときは、お父さんは「うちは働き手がいないから娘は働かせなければならないので学校へは行かせられない」と言っていました。現地スタッフが何度も家を訪ねてお父さんを説得しましたが、なかなか聞いてくれません。
やっとお父さんの同意を得て職業訓練センターへ通えるように
村に職業訓練センターができ、村の子どもたちが通い始め、友達から「一緒に行こう」と言われ、ナルサンナちゃんも興味を持つようになりました。職業訓練を受けて仕立て屋のビジネスをするようになった女の子たちの様子を知り、現地スタッフの説得もあって、やっとお父さんも同意して、職業訓練センターに通えるようになりました。
朝の基礎教育クラスで読み書きを習い、その後、手刺繍やミシンの使い方などを学びます。「今は読み書きもできるようになって、計算は少しできるようになりました。今いろいろなことを学べることがとても楽しいです」
職業訓練センターで勉強している様子
お父さんお母さんは今は彼女がセンターに通うようになって、学んだり、いきいきと過ごしているのをとても喜んでいます。お父さんは「自分たち親は学校に行かなかったので読み書きができなくて困ることもある。バスに乗るにも他の人に聞かないと乗れない。教育をうけると他人に頼らなくて済むようになると分かったよ。娘にはこれからも学んでほしい。」と話してくれました。
2014年1月から職業訓練センターに通うようになったベンカティシュワリちゃん(左)と両親
刺繍を依頼したトートバッグが日本へ
2014年、ナルサンナちゃんやACEが支援したインドのコットン生産地域の女の子たちが刺繍してくれたオーガニックコットンのトートバックが日本へ届きました。女の子たちには「仕事」として刺繍を依頼しました。
女の子たちが刺繍してくれたトートバッグは日本に運ばれ、2014年5月10日に開催した「エシカルファッションカレッジ」でお披露目されました。
「そのこ」の未来キャンペーンに参加してください!
ナルサンナちゃんのように、遊んだり、勉強したいと思いながらもそれが叶わず、おとなと同じように働いている子どもがいます。
ACEでは2016年5月から8月末まで、「そのこ」の未来キャンペーンを実施中です。このキャンペーンでは、私たちACEが児童労働のない社会を実現するため活動資金を集めることを目的とし、みなさまからのご寄付を募っています。あなたも「そのこ」の未来キャンペーンに参加し、一緒に児童労働のない未来をつくる一員になってください。
(詳しくは「そのこ」の未来キャンペーン特設ページをご覧ください)
ナルサンナちゃんのように、親への説得を地道に続け、教育を受けられるようになる子どもはまだまだたくさんいます。一人でも多くの子どもたちが笑顔になるよう、ACEによるインドのコットン生産地域での支援活動「ピース・インド プロジェクト」への応援をよろしくお願いいたします!
インドの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!
- カテゴリー:子どものエピソード
- 投稿日:2014.07.29