【インド便り】新たなブリッジスクールがオープンしました! | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

コットンのやさしい気持ち

【インド便り】新たなブリッジスクールがオープンしました!

Pocket
LINEで送る

こんにちは。ACEインド・プロジェクトマネージャーの田柳です。 ACEがインド・テランガナ州が行う「ピース・インド プロジェクト」は、2019年4月から新しく3つの村で活動を開始し、児童労働の状態にある子どもたちをその状況から保護し、年齢により教育や職業訓練を受けられるようにする活動を行っています。

今回は、そのうちの1つの村で運営する「ブリッジスクール」(橋渡しの学校) の様子をご紹介します。

プロジェクトでは、子どもたちが児童労働から抜け出し、義務教育年齢の子どもは全員が公立学校などの正規の学校に就学することを目指しています。ですが、それまで働いていた子どもたちは学力の差、通学習慣、働くよう促す家族などの課題から直接正規の学校に就学することが難しい場合が多くあります。

ブリッジスクールでは、多くの正規学校の教員が行えていない就学が容易ではない子どもやその親へのケアを行い、就学・通学の障壁を減らして子どもの正規学校への編入を促します。ブリッジスクールでは授業実施や給食提供の他、朝の家庭訪問と通学促し、学用品の支給、遊ぶことやグループで活動することに慣れない子どものフォロー等を行います。同時に、ブリッジスクールに来る前の経験から心身に悩みを持つ子どもや、親の問題解決のサポートも行います。

インド ブリッジスクール

ブリッジスクールが開かれるのはプロジェクトが行われる期間のみで、将来的には閉鎖されます。そのため校舎は、村にもともとある建物を借ります。この村では倉庫を借りて整備し、ブリッジスクールをオープンさせました。教員はACEと一緒にプロジェクトを実施する現地NGO・SPEEDのスタッフが務めています。正規の教員免許は持ちませんが教師を目指している地域の若者が働くことが多く、ブリッジスクールでの経験をもとに教師になっていったスタッフが何人もいます。

インド ブリッジスクール 授業の様子

授業は習熟度に合わせ、2つのクラスに分けて行います。
現地テランガナ州の公用語であるテルグ語、英語、ヒンディー語、算数などを学びます。

訪問した時は英語とテルグ語の授業が行われていました。

インド ブリッジスクール 授業の様子

初めてスクールへ来るようになった子どもたちにとっては、最初は授業に集中するのも大変なことです。

それでも、少しずつ周りの子どもたちの様子を伺いながら授業に慣れ、先生にあてられても前に立って問題に答えたり、わからないところは質問したりもできるようになってきます。

インド ブリッジスクール

この時は私がみんなの邪魔をしてしまいました。

ブリッジスクール

多くの親は、子どもがブリッジスクールでの生活に慣れてくると、家庭でも宿題をしっかりとこなしたり、身なりを整えるようになったりと生活態度や姿勢が大きく変わってくると話してくれます。そんな彼ら、彼女たちの様子を見て、その近所のおとなも自分の子どもに教育を受けさせることに興味を持つようになっていきます。子どもたちの変化がおとなにも変化を起こしているのです。

授業が終わると給食の時間です。
この日の献立はカレーです(と言ってもインドなので毎日カレーです)。

インド ブリッジスクール給食を作ってくれる女性たち

彼女たちが月~土曜日の毎日おいしいカレーを作ってくれます。右側の女性は2010年にACEが初めてこの地域でプロジェクトを始めた村のブリッジスクールから給食を作るスタッフをしている、長年子どもたちを見守っているスタッフです。

水曜日はゆで卵がついたり、土曜日には甘いお菓子が用意されたりと、子どもたちはお気に入りの給食の曜日があるようです。

手を洗って、ブリッジスクール 給食前に手を洗う子どもたち

 

並んでご飯がみんなに配り分けられたら給食に並ぶ子どもたち

 

みんなでいただきます。給食を食べる子どもたち

 

この日は一緒に食べようと誘われたので、私も給食をいただいてきました。 子どもたちは美味しいと言って食べますが、この地域のカレーは基本的にとても辛く、私が辛いからいと言いながらなんとか食べきるのを、みんな笑って応援してくれました。

子どもたちを一緒に給食を食べるスタッフ

給食が終わると遊びの時間です。
この村のブリッジスクールは建物の中が広いため、屋外より涼しい室内で遊ぶことができ、子どもたちは暑い時季もしっかり身体を動かして遊ぶことができます。(この日屋外の気温は44℃でした。)

給食後に遊ぶ子どもたち
給食後に遊ぶ先生と子どもたち

このように子どもたちはブリッジスクールでの日々を過ごし、テストや生活の様子などで正規の学校に編入できると判断された子どもから編入していきます。

働いていた時は名前を尋ねられても答えられずうつむいていた子どもが、ブリッジスクールに通う中で元気に遊び大きな声で笑うようになったり、他の子どもにもブリッジスクールに来るよう誘いかけるようになる変化に、私たちスタッフは力をもらっています。

これからも、子どもたちが労働しなくてはいけない状況を変え、全員が学校に就学することを目指し、住民と協力して活動を続けていきます。

村の子どもたちを支えるために、コットン募金へのご支援をお願いいたします。

IMG_2367

 

インドの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!

コットン募金

  • Pocket
    LINEで送る

  • カテゴリー:お知らせ
  • 投稿日:2019.10.18