コットンのやさしい気持ち

【3/8は国際女性デー】「自分の意志で生きる」ことを選択するために

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こんにちは。インド・プロジェクトマネージャーの田柳です。

3/8は国際女性デーということで、今日はインドのプロジェクト支援地で私たちが出会った女の子たちのことについてお話しします。

ACEの「ピース・インド プロジェクト」では、学校に通えなかったり、中途退学してしまったまま義務教育年齢を過ぎてしまった女子向けに、職業訓練センターを運営し、仕立て屋になるための技術や、読み書きや算数などの基礎学習の指導を行っています。

現在支援している村ではプロジェクトが2年目に突入し、4月から職業訓練を開始することを予定しています。訓練生候補である女の子たちに、2月に活動の内容や目的を説明し、彼女たちが置かれている状況の話を聞いてきました。

女の子たちの話を聞くACEスタッフとSPEEDのスタッフ

 

その中の1人アルーナさん (仮名、17歳) は日本の小学4年生にあたる学年まで学校に通っていました。ですが、今は自分の家族が持つ畑や、他の人の畑で賃金を受け取って、働いています。両親が「もう学校には行かなくていい」とアルーナさんに働き始めるよう言ってきたため、それに従ったそうです。

アルーナさんはこう話します。

女の子が畑仕事や家事で良い働きをすると、親たちは『この子は良いお嫁さんになる。家にとって名誉なことだ。』と言います。でもそれには、学校に行って教育を受けることが邪魔なことなんです。親たちは、女の子は良い教育を受ける必要はないと考えています。でもそれじゃ、女の子は将来自分の仕事も得ることができない。なのに、親たちは特に夫となる家の評判や、周りからどう見られるか、ばかり考えているんです。

他にもアルーナさんと同じ意見を持つ女の子が多く、実際、家庭の経済状況に関わらず女子には教育は不要という考えを持つ住民が多くいます。

一方、彼女たちの兄や弟など男兄弟は学校に通い続けています。 話を聞いていると、本当は学校に通い続けたかったのに親に自分の気持ちを聞いてもらえず学校をやめるしかなかったこと、そして今でも自身の親が娘の気持ちよりも家の名誉を重視していることに対する、寂しさや諦めを感じました。

「それでは今、どうしたいか」私からのその問いには答えがなかなか出てきませんでした。

「どうしていいか、わからない。」それが、今の彼女たちの答えでした。

どうにかしたいと考えている彼女たちのその想いを受け止め、諦めずに行動につなげ、一緒に村を変えていけるよう、より一層彼女たちのサポートをしたいと、私自身も強く思いました。この村の女の子たちが、職業訓練センターに通い学ぶことにより自信が生まれ、少しでも自分らしさや自分のやりたいことを表していけるよう、今後もサポートしていきたいと思います。

これから職業訓練センターに通う女の子たち

 

「ピース・インド プロジェクト」では、安全な職を得るための職業訓練や基礎学習だけではなく、女性や子どもの権利やその守り方などの講習も行い、彼女たちにも自らの意志で人生を築くことができるということを伝えています。

その理由は、これまでの活動を通して「女の子だから」という理由で様々な機会をあきらめていた子どもたちが、「自分の意志で生きる」ことを選択し始めた場面に、数多く遭遇してきたからです。そして、子どもたちが変わると村のおとなたちも変わっていく。そして、村全体が変わっていきます。 そのしあわせの連鎖をたくさんの村で生み出していけるよう、ACEはこれからもインドでの活動を続けていきます。

インドでの活動は、みなさんからの「コットン募金」に支えられています。アルーナさんのような女の子が、職業訓練センターに通い、自らの人生を切り開くことができるよう応援してください。「コットン募金」へのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

インド・プロジェクトマネージャー 田柳

☆国際女性デーとは☆ 
1904年3月8日にニューヨークで、女性労働者が婦人参政権を要求してデモを起こし、このことがきっかけで「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念の日とされるようになり、1975年には国連で正式に制定されました。

インドの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!

コットン募金

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  • カテゴリー:お知らせ
  • 投稿日:2020.03.06